海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第28回「本能寺の変」が、7月23日に放送される。副題の通り、同回で描かれるのは、“戦国時代最大の謎”とされる「本能寺の変」だ。また、前週第27回「安土城の決闘」では、信長(岡田准一さん)と家康(松本さん)が二人きりで対峙(たいじ)するシーンが話題に。それぞれが語った思い、そこから浮かび上がったものとは……。
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第27回では、京の本能寺で信長を討つ計画を家臣たちに明かした家康。並々ならぬ家康の決意に、家臣たちの意見は賛成と反対で真っ二つに割れるが、忠次(大森南朋さん)は、家康の決断を信じようと家臣団を諭す。
やがて家康たちは信長に招かれ、安土城へ。だが酒宴の席で、家康は供された鯉(コイ)が臭うと言いだした。信長は激高し、接待役の光秀(酒向芳さん)を打ちのめし、追放する。その夜、信長と家康は二人きりで対峙し……と展開した。
家康が自分の命を狙っていることを分かった上で話を進める信長。瀬名(有村架純さん)と信康(細田佳央太さん)という家康の愛する妻子を、結果的に死に追いやったことに対して、「謝らんぞ、くだらん」とわざわざ口にし、家康をたきつけると、「俺はそのような感情、とうに捨てたわ!」「だからお前に俺の代わりは無理なんじゃ」と言い切る。
続けて「人をあやめるということは、その痛み、苦しみ、恨みを全てこの身に受け止めるということじゃ! 10人殺せば、10の痛み。100人殺せば、100の痛み。万殺せば、万の痛みじゃ!」と語気を強める信長だったが、次に「俺は……どれだけ殺した?」と独り言のようにつぶやくと、「どれだけ……殺した?」とうわごとのように繰り返す。
さらに信長は、手にした刀をさやから抜き、「この報いは必ず受けるであろう」と決して遠くない未来に「俺は誰かに殺される。誰よりも無残にな」と予想。そして、何かを断ち切るように叫び声を上げながら、刀を力いっぱい振り下ろした。
その後、信長は冷静さを取り戻した信長は、家康に「だが、俺は覚悟ができてる。お前はどうじゃ?」と問うと、「お前にはできて、せいぜい俺は支えることぐらいじゃ」と馬鹿にしつつも、「これからなんじゃ……。大変なのはこれからなんじゃ。戦なき世の政は乱世を鎮めるよりはるかに困難じゃろう、この国のありすがたのためには、やらねばならぬことが多すぎる」と明かし、改めて家康に「恨め。憎んでもいい。だから俺のそばで俺を支えろ」と伝える。
一方で家康は「私には、あなたのまねはできん。したいとも思わん。わしは、わしのやり方で世を治める。確かにわしは弱い。だが、弱ければこそ、できることがあるとわしは信じる」と反論。信長には「行き詰っておるのはお主ではないのか?」と逆に問いかけ、「弱き兎(うさぎ)が狼を食らうんじゃ」と強い決意をにじませた。
信長は信長で「なら、やればいい」と口にし、「俺はわずかな手勢を率いて京に向かう。本当にお前が俺の代わりをやる覚悟があるなら、俺を討て。待ってやるさ。やってみろ」と家康の言葉を受け止めた。
約12分にも及んだ信長と家康の対峙シーン。浮かび上がってきたのは、信長の家康に対する執着という名の愛と、愛する妻子を亡くしたことへの家康の収まらない怒りと信長討ちへの決意だ。また信長は「討たれるなら家康に」という思いがあり、そんな信長はもちろん、家康も(なんなら秀吉も?)、光秀のことなど眼中になかったことが伝わってきた。
第27回で光秀は、一度しくじった自分を信長は絶対に許さないだろうと、腹を切るつもりであることを家康に語っていたが、この“終わったはず”の光秀が史実通り「本能寺の変」を起こす(起こした)のか。明日の放送は注目だ。
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