unknown:「難しいドラマだと自覚もあった」 ラブサスペンスになぜ吸血鬼設定 プロデューサーに聞く 

連続ドラマ「unknown」の一場面=テレビ朝日提供
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連続ドラマ「unknown」の一場面=テレビ朝日提供

 「なんで吸血鬼でこのテーマなんだろう」「設定に度肝抜かれた」。そういった声が視聴者から上がるのは、放送中の連続ドラマ「unknown(アンノウン)」(テレビ朝日系、火曜午後9時)。今作は週刊誌記者の闇原こころ(高畑充希さん)と、警察官の朝田虎松(田中圭さん)の恋愛模様と並行して「血を抜かれた遺体が見つかる連続殺人事件」が描かれるラブサスペンスだが、こころは実は吸血鬼一族という設定。なぜラブサスペンスに、吸血鬼要素を含めたのか。貴島彩理プロデューサーに構想のきっかけ、今作に込めた思いを聞いた。

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 貴島プロデューサーに加えて、瑠東東一郎監督、脚本は徳尾浩司さんと、映画化でも話題になった「おっさんずラブ」(同局系)のチームが手掛けていることが話題になった今作。貴島プロデューサーは、そもそも「ラブサスペンス」という題材にした理由について、「このチームから最も想像できないことをやろうと思ったのがきっかけです」と明かす。

 「おっさんずラブのチームは、私にとって、この先もさまざまな作品を一緒に作っていきたいと思う、とても大切な仲間で。3年越しに再集合し、新しく何をやろうと考えたときに、(ラブコメの)おっさんずラブとは全然違うことに挑戦したいと思い、サスペンスを選ぶことにしました。また、おっさんずラブで出会った田中さんと、『にじいろカルテ』(2021年)で出会った高畑さん、日本を代表する芝居力を誇る二人の化学反応を、生で見てみたいという思いもありました」

 ではなぜ、ファンタジーと受け取られるような吸血鬼設定も含めたのか。吸血鬼設定は「あくまでメタファーです」と話す。

 「世界ではよく、答えのない、残酷な手口の未解決事件を“未知の存在”の仕業だと思い込むことがある。“首筋から血を抜かれる”という特徴的な手口の連続殺人事件が起こったら、自然と、“吸血鬼”というファンタジーを彷彿(ほうふつ)とするように」

 今作の吸血鬼は人を襲わずサステナブルに暮らし、人間社会と共存し慎ましく生きているが、世のイメージは「吸血鬼=SF」であり、「人間の血を吸う恐ろしい生き物」だ。

 「人は、自分にとって“未知の存在”というだけで、勝手に憶測して怖がり、相手に心があることを忘れて簡単に傷つけてしまうことがある。でも、この世界は本来、知らないことばかりのはず。“吸血鬼”に限らず、unkownな人たちにあふれている。自分にとって“unkown”な相手のことも、知った気になって論じるのではなく、愛するために理解し受け入れられる世界になったらいいなという思いも作品に込めました」

 だが「真意が伝わるのは難しいドラマだろう、という自覚もありました」と吐露する。

 「約2年前から脚本の徳尾さんと繰り返し構想を練り、これまで一緒に仕事をしてきた吉田鋼太郎さん、麻生久美子さん、町田啓太さんをはじめ、素晴らしい役者陣の皆様に声を掛けさせていただきました。キャストスタッフみんなで同じゴールを目指さなければ、このドラマは視聴者に伝わらないだろうと思い、力を貸してほしいと」

 「犯人は次回の8話で。そして事件の全貌は最終回で全て明らかになります。ぜひ最後まで注目していただけたら」という貴島プロデューサー。犯人とその動機に注目だ。

 連続ドラマ「unknown」は、第8話が6月6日、最終回が翌週13日に放送される。

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