海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
福原遥さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第25週(3月20~24日)では、大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」でスワン号の設計を担当した刈谷(高杉真宙さん)が、サークルで同期だった玉本(細川岳さん)と会社「ABIKILU(アビキル)」を設立し、「空飛ぶクルマ」の開発にいそしむ様子が描かれた。髪をオールバックにし、すっかりイケオジになった“シン・刈谷”だが、ロマンチストぶりは変わらず。同作の制作統括・熊野律時(くまの・のりとき)さんに、刈谷のキャラクターとしての魅力や、現場での高杉さんとのギャップなどについて聞いた。
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刈谷は、作業場にする倉庫を探してほしいと舞(福原さん)に連絡を取る形で再登場。何を開発しているのかと聞かれ、「空飛ぶクルマたい!」とキラキラした目で語り、「あの倉庫の片隅にうずくまっとうのは、未来の空を夢見る翼とよ」とロマンチストぶりも健在だった。
寸暇を惜しんで夢の実現に向けて突き進む刈谷の姿を見て、舞は資金調達などの面での協力を申し出る。また、「なにわバードマン」の仲間たちもそれぞれ休みの日に何か手伝えないかと駆けつけるなど、刈谷の周りには続々と人が集まってきた。
そんな刈谷について、熊野さんは「すごく吸引力がある。ある種のカリスマ性を持った人物」と表現する。
熊野さんによると、刈谷は「大学を卒業し、自動車会社に入社してエンジニアとして働いたけれど、新しいものを作りたいという思いで会社を飛び出し、玉本と一緒に会社を作った」設定だという。この設定は、「空飛ぶクルマ」の開発を取材する中で出会った人たちをモデルにしている。
「刈谷は、頭の中にはこうすれば実現できるんだというものが明確にあって、それを実現するために100%集中しないといけないので、会社を飛び出して独立したんです。誰も見たことのないようなものを作るには、いろんな人の協力を取り付けながらやっていかなくてはならない。パイオニアとして切り開いていかなくてはいけない苦労を、ひしひしと感じながら進めている。そこは、学生時代の人力飛行機のときとは違う、刈谷の大人として、人間としての厚みが加わっている部分」と評する。
その刈谷を演じる高杉さんについて、「あの刈谷の説得力と熱量の高さは高杉さんならではのお芝居で表現できている。この人だったら実現できそうで、この人が困っているんだったら助けてあげたら、すごいところまで行けるんじゃないかと。刈谷が持つ、そんなある種のカリスマ性を自然な形で高杉さんに表現していただいて、本当に素晴らしいなと思います」と絶賛する。
刈谷に扮(ふん)する高杉さんは「大阪局にいらっしゃって支度される前の高杉さんご本人の感じは、刈谷とはだいぶ違うので、すごい役者さんだなと思いますね」とその表現力に感嘆する。
「(高杉さんの素顔は)穏やかな方。あの刈谷の情熱的でエネルギッシュな感じは、お芝居でドンと出てくる。そのギャップが面白いなと思います」といい、「刈谷は高杉さんでしかありえないし、本当にすてきで魅力的になっている。こういう人が新しいものを作って世の中に送り出していくんだろうなと、とても説得力のあるお芝居をしていただいている」と手応えを感じた。
高杉さんが魅力的に演じている、「舞と一緒に空を飛ぶ夢を実現していく頼もしいパートナー」としての刈谷。27日から始まる最終週で、刈谷や舞たちの夢はどのような形で結実するのか。最終回まで見逃せない。
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