王様戦隊キングオージャー:異色の「ドンブラザーズ」から一新 王道のファンタジー大作、見どころは

「王様戦隊キングオージャー」の(左から)トンボオージャー、カマキリオージャー、クワガタオージャー、パピヨンオージャー、ハチオージャー(C)テレビ朝日・東映AG・東映
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「王様戦隊キングオージャー」の(左から)トンボオージャー、カマキリオージャー、クワガタオージャー、パピヨンオージャー、ハチオージャー(C)テレビ朝日・東映AG・東映

 3月5日にスタートするスーパー戦隊シリーズの新作「王様戦隊キングオージャー」(テレビ朝日系、日曜午前9時半)。2月26日に最終回を迎えた前作「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」は、戦闘時になかなか戦士全員がそろわない、度々“怪人化”する戦士がいる……など戦隊の「約束ごと」の数々を覆す異色作だったが、そこから世界観などが“一新”され、今作は「王道のファンタジー大作」になるという。ここでは既発の情報を基に新戦隊の見どころを紹介したい。

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 ◇バーチャルプロダクション技術で世界観を表現 剣戟アクションも期待

 「王様戦隊キングオージャー」はスーパー戦隊シリーズの第47作。「いまだかつてない壮大なスケールでヒーローたちの戦いを描くファンタジー大作」で、物語は「チキュー」と呼ばれる異世界(いわゆる「地球」とは違った世界)で進行する。戦士となるのは、チキューを治める各国の王様たち5人。昆虫型機械生命体(ロボット)「シュゴッド」と共に、平和を脅かす地帝国・バグナラクと戦う……というのがストーリーの骨子だ。

 今作では、その「壮大でファンタジックな世界観」を表現するため、ライブ合成技術やLEDウォールを使ったバーチャルプロダクション技術を採用。近年のスーパー戦隊シリーズでファンタジー系の作品といえば、古代人類リュウソウ族の騎士たちの戦いを描いた「騎士竜戦隊リュウソウジャー」があるが、「リュウソウジャー」を手掛けた上堀内佳寿也(かみほりうち・かずや)監督が、「キングオージャー」でメガホンをとるのも見逃せない。

 また、戦士たちは「オージャカリバー」という聖剣で変身して戦うが、今作のアクション監督を務めるのは渡辺淳さん。「キングオージャー」同様に聖剣が変身アイテム、武器として用いられた仮面ライダーシリーズ「仮面ライダーセイバー」(2020~21年)も手がけていて、渡辺さん演出による剣戟(けんげき)アクションも、この「王道ファンタジー大作」に欠かせない要素になりそうだ。

 ◇29歳、気鋭の脚本家が紡ぐ 想像をかき立てられる壮大なストーリー

 3月5日放送の第1話の副題は「我は王なり」。チキューに伝わる「2000年の時を経て地底よりバグナラクがよみがえり、人類を滅亡させる」という予言の年を迎え、“始まりの国”シュゴッダムで五つの国の王様が同盟を結ぼうとしていた。そんな中、シュゴッダムの孤児院前の路地で、「自称王様」の青年ギラ(酒井大成さん)は、「俺様が世界を支配する!」と高笑いしていた……というストーリーが展開する。

 物語の導入部から「2000年の時」「人類滅亡」「予言」「五つの国」に「世界を支配」といったスケールの大きいワードが並ぶあたりは、まさに「王道ファンタジー大作」。また、戦士5人のうち、4人は各国の王様として君臨しているが、“レッド”クワガタオージャーに変身するギラだけが「自称王様」で、“王様ではない”ギラがなぜ戦士となるのか、4人の王様たちと団結することはできるのか、いろいろな想像をかき立てられる。

 脚本を担当するのは、高野水登(たかの・みなと)さん。これまで「仮面ライダーゼロワン」(テレビ朝日系、2019~20年)の第23、24話や、人気マンガが原作の実写「賭ケグルイ」「映像研には手を出すな」シリーズなどを手掛けてきた脚本家。まだ29歳という、気鋭の脚本家が今後、どのような物語を紡いでいくのかも注目だ。

 前作「ドンブラザーズ」が異色作で、かつ大きな話題となったことで、作品の「面白さ」というハードルが上がってしまっている中、新たにスタートする「王道ファンタジー大作」。“劇薬”に慣れてしまったファンはどう受け止めるのか、まずは第1話のオンエアを待ちたい。
 

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