黒猫と魔女の教室:「寄宿学校のジュリエット」金田陽介の新連載 女性キャラの“素の可愛さ”表現 表現の変化も

「黒猫と魔女の教室」のヒロインのスピカ・ヴァルゴ
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「黒猫と魔女の教室」のヒロインのスピカ・ヴァルゴ

 講談社のウェブマンガサービス「マガポケ」で3月から連載中の金田陽介さんのマンガ「黒猫と魔女の教室」。テレビアニメ化もされた「寄宿学校のジュリエット」の金田さんが描く魔法学園ファンタジーで、連載開始から約3カ月で総閲覧数が588万回を突破するなど人気を集めている。「寄宿学校のジュリエット」でも多くの個性的な美少女が登場し話題となったが、今作でも女性キャラクターの可愛さが魅力の一つになっている。金田さんに制作の裏側、こだわりを聞いた。

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 ◇内面や行動からにじみ出る“可愛さ”

 「黒猫と魔女の教室」は、魔法が使えない魔女見習いのスピカ・ヴァルゴの前に、人語を駆使して魔法を使う謎の黒猫が現れる。その黒猫は、呪いにより姿を変えられた若きカリスマ魔術師、クロード・シリウスだった。スピカは、クロードを人間の姿に戻すため、魔法学校・ディアナ魔術校に入学。師匠のクロードと共に一等魔術師を目指すことになる。

 ヒロインのスピカが、落ちこぼれながら、皆を守れる強い魔術師になるため奮闘する姿は思わず応援したくなる。魔法が成功して大喜びしたり、ショックを受けて変顔になったり、ころころと変わる表情は、どれも可愛らしく見えてくる。しかし、金田さんは「可愛く描こう」とは意識していないというから驚きだ。

 「前作の『寄宿学校のジュリエット』は、ラブコメということもあって、自分の理想をひたすら詰め込んだり、自分が好きな仕草を描いていたんです。今回は『可愛く描こう』とは意識していなくて、あざとさがない、素の女性っぽさを出せたらいいなと。読者の方が『自分の近くにいそうだな』と思えるように、しゃべり方や仕草を現実っぽいものにしています。スピカの場合は、ポンコツだけど頑張っているところが可愛いので、内面や行動から可愛さがにじみ出たらいいなと思っています」

 ◇幅広い層に作品を楽しんでもらうために

 描き方の変化には、「寄宿学校のジュリエット」での経験が影響しているという。

 「『ジュリエット』の主な読者層は男性だと思っていたのですが、アニメが始まってからは、小学生の女の子からのファンレターがたくさん届くようになったんです。自分が想定していた以外の子たちも作品を見てくれるのがすごくうれしかったです。それから、もっと幅広い層に自分の作品を見てもらいたいと意識が変わりました」

 もちろん“あざと可愛い”キャラクターも魅力的だが、金田さんは、老若男女を魅了する自然な可愛さを目指しているのかもしれない。「黒猫と魔女の教室」では、キャラクターたちが使う魔法が身近な12星座と紐付いていたり、魔法ができるだけ分かりやすくなるようコマを区切って描いたりと、大人も子供も楽しめる作品作りを心がけているという。

 「星座を魔法で表現できれば、『自分だったらこんな魔法が使える!』とワクワクできるかなと。自分の星座でがっかりされることがないよう頑張りますので、それぞれのキャラクターの活躍を楽しみにしていただけたら」と金田さん。今後の展開に注目したい。

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