最愛:“大ちゃん沼”で「今までにない松下洸平」が話題に 八郎沼、青ちゃん沼…視聴者をとりこにする魅力

連続ドラマ「最愛」に出演する俳優の松下洸平さん(C)TBS
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連続ドラマ「最愛」に出演する俳優の松下洸平さん(C)TBS

 連続ドラマ「最愛」(TBS系、金曜午後10時)に出演する俳優でシンガー・ソングライターの松下洸平さん。殺人事件の重要参考人となった実業家の真田梨央(吉高さん)の初恋相手で、事件の真相を追う刑事・宮崎大輝を演じており、視聴者からは「最高に格好良い」「今までで一番」など絶賛の声が上がっている。ドラマが始まる前に、松下さんは、制作チームから「今までにない松下洸平が見たい」と言われていたことを明かしていたが、まさに狙い通りになったのではないか。改めて松下さんの魅力を探ってみたい。

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 ◇せつない信号待ちシーンが話題に

 「最愛」は、真田梨央、宮崎大輝、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新さん)を中心にしたラブサスペンス。ドラマが放送されるたびに、SNSでは真犯人は誰なのか?と考察が盛り上がりを見せているほか、「今季1番」「ここ数年No.1かもしれない」「秀逸で、心揺さぶられて、しんどいけど見逃したくないドラマ」など絶賛の声も上がっている。

 松下さん演じる宮崎大輝は、15年前は陸上部に所属する期待のエースだった。面倒見のいい爽やかな青年で、寮夫の娘でいつも陸上部員たちを笑顔で励ましていた梨央に恋をしていた。持ち前の正義感から、警視庁刑事部捜査1課の刑事となり、梨央と15年ぶりに再会する……という役どころ。

 第4話(11月5日放送)では、梨央が「私、やっとらんよ。渡辺昭さん(酒向芳さん)殺しとらん」と話すと、大輝が「信じるよ。お前やないってこと。俺が証明する」と応じ、新薬開発をあきらめるな、とも伝えた。温かい言葉に思わず涙が出てきた梨央は、大輝が振り向いた瞬間、大輝の胸に飛び込む。

 「(薬が)実現したら最初に報告する」と話す梨央の背中を、大輝は抱きしめようとするが……。そんな中、映し出されたのはあと少しで“青”に変わりそうな赤信号。あっという間に信号が青に変わると、二人は歩き出して……と展開し、SNSでは「信号が青になるまでの最愛な演出」と注目を集めた。

 また、第5話(11月12日放送)では、梨央と優(高橋文哉さん)が、父・達雄(光石研さん)の動画を発見。達雄は、15年前に失踪した渡辺康介(朝井大智さん)の殺害を告白し、「悪いのは私で、子供らには罪はありません」と涙ながらに話す。「お父さんうそついとる! 刺したのは俺や!」という優に、大輝は「言わんでええ! 姉ちゃんの前で言わんでええやさ!」と叫ぶのだった。

 そして、「俺はお前と姉ちゃんが好きやった。二人が困ったらいつでも駆けつけるって思っとった。何もできんかったな。優、今度は必ず力になる」と思いを打ち明ける大輝の姿が描かれ、SNSは「松下洸平さんの演技ほんとに泣ける」「最愛の大ちゃんはホント当たり役」などの絶賛の声であふれた。

 さらに、第6話(11月19日放送)では、梨央から電話で「大ちゃんの立場が悪くなってまったら私も嫌やもん。最後に顔が見たかったんや」と言われた大輝。歩道橋にいた梨央を見つけた大輝が「勝手に決めんな!」と叫ぶシーンも話題となった。

 ◇八郎沼、青ちゃん沼、そして大ちゃん沼… 視聴者をとりこに

 第1話放送直前に行われた会見で、「今まで僕がやってきた役どころが、優しくて穏やかな役が多かった中で、(制作チームから)『今までにない松下洸平が見たい』と言われました」と語っていた松下さん。「そういう一面を引き出してもらえるというのは、俳優にとってはすごくチャレンジであり、貴重な経験だと思うし、自分自身の成長にもつながるなと思ったので、二つ返事で『やらせていただきたいです』と言いました」と明かしていた。

 また、「僕で務まるかどうか、いろいろプレッシャーもありました」と明かしつつも、「やらせていただくからには全力で、この作品に命をかけるぐらい、この作品が最後でもいいぐらいの意気込みで挑んでいます」と力を込めていた松下さん。「幸せな時間を過ごしています」と話す姿が印象的だった。

 松下さんといえば、昨年3月まで放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」で、戸田恵梨香さん演じる主人公・喜美子の夫・十代田(そよだ)八郎を好演。“八郎沼”という言葉が登場するほど、話題を集めた。

 その後、ラブコメディー初挑戦となった連続ドラマ「#リモラブ ~普通の恋は邪道~」(日本テレビ系)では、弱気だが誠実な33歳の独身・青林風一を演じた。人を思う気持ちをちゃんと持っている、穏やかで優しい役どころで、今度は“青ちゃん沼”と人気を集めた。

 「最愛」の大輝は、人のことを「お前」と呼ぶなど、ちょっと荒っぽい一面もある。松下さんは、「僕が今までやってきた役柄のしゃべり口調でなかったり、僕自身は人のこと『お前』と言わないけれど、大輝はそれが言えるので、結構楽しく演じています(笑い)」と話していた。

 さらに、刑事としての厳しさがある一方で、梨央の前でふとした優しさも見せる。このギャップも魅力で、「“大ちゃん沼”にはまってる」「“大輝沼”からなかなか抜けられない!」「松下洸平さんがすてきすぎる」と、視聴者の心をつかんでいる。

 ◇印象的な声の演技 塚原あゆ子監督からは“引き算のお芝居”

 松下さんが演じるたびに、“○○沼”という言葉が登場し、沼から抜け出せなくなる人が続出する。それは、松下さんが演じるからこそ、よりキャラクターが魅力的になっているからで、松下さんの高い演技力はもちろんだが、声の魅力も大きいのではないだろうか。

 「最愛」でも松下さんの声の演技に注目を集めたシーンがある。たとえば、第4話では、昭の首を絞める様子を撮影した動画を見た大輝が、ささやくように「……優」とつぶやいた。第5話では、梨央の乗った高速バスに、優が乗り込む場面で、山尾(津田健次郎さん)から「面割りできたか?」と確認された大輝が、さまざまな思いをめぐらしつつも、裏返った声で「朝宮優です」と報告。この10秒間の松下さんの演技には、多くの視聴者が胸を打たれた。

 今作の塚原あゆ子監督からは、「驚いたり、うれしかったり、悲しかったりしたときに、表情ではなくて、心の方がまわっているから、『あまり表情だけで何かを伝えようとしなくていいんだよ』と、引き算のお芝居を教えてもらっています」と話していた松下さん。これからも“大ちゃん沼”からは抜け出せなさそうだ。

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