カムカムエヴリバディ:異例のスピード感で物語進行 チーフPが語る狙いとは? 「3倍速ではなく3倍濃い」

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のメインビジュアル(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のメインビジュアル(C)NHK

 女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。11月1日のスタートから2週間が過ぎたが、“初代ヒロイン”安子(上白石さん)と稔(松村北斗さん)が出会って以降、朝ドラとしては異例ともいえる“スピード感”で物語が進行し、視聴者から注目を集めている。制作統括を務める堀之内礼二郎チーフプロデューサー(CP)に、狙いを聞いた。

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 上白石さんが演じる安子は第2回、松村さん演じる稔は第3回から登場。第4回で2人は喫茶店デートするも、第5回で夏休みを終えた稔は大阪へ帰ることになり、一時の別れ。1年以上の文通を重ねる中、第8回で2人が再会し、第9回では稔が安子との交際の許しをもらうため橘家にあいさつする様子が描かれた。濃密かつ、テンポ良く物語が進む様子に、視聴者からは「短編映画みたい」といった好意的な意見が寄せられている。

 このスピード感について、堀之内CPは「多くの方がおっしゃっていることですが、ヒロインがお三方いらっしゃるので」と切り出し、「展開は3倍速で進むというより、3倍濃いと思っていただきながら、見ていただけたら」と語る。

 制作者サイドとしては「はしょって作るという気持ちは全くなく、ドラマとして濃い部分を見せていくことを心がけていました」と狙いを説明。「次々と見どころが出てきて、スピードが速いとは思いますが、そこで流れている時間は『出会った、恋をした、嫌なことを言われた、もう一回くっついた』という事実を淡々と積み重ねていくのではなく、そういった味わいを損なわないように、濃くお届けしました。その結果が、皆様に『テンポ良く進んで行く』と感じていただいている理由なのかなと思います」と分析する。

 スピード感が視聴者に受けている点については「海外ドラマの影響もあり、視聴者の皆さんのリテラシーが上がっていると思う」といい、「そういう方にとっても気持ちよく見られ、心地よく展開して面白いと思っていただけているのでないかな」と語った。

 一方で「朝ドラを大好きで、内容にかかわらず見ていただける方では、第1週、第2週はゆったりとして、だんだんどんな登場人物か分かってくるというように見ていらっしゃる方もいらっしゃると思います。今回はどんどん進んでいくので、ビックリされた方もいらっしゃったかもしれないですね」と感想を述べていた。

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