モデルや女優として活躍する莉子さん主演のABEMAオリジナルドラマ「ブラックシンデレラ」が、4月22日から配信される。学園一の美男美女を決めるミスコンが今なお行われる清蘭(せいらん)学園を舞台に、ミスコンに憧れつつ見た目に悩みを抱くド平凡女子高生の主人公とナルシストで完璧な国宝級イケメンという対照的な2人を中心に、学園内に色濃く残る外見主義に立ち向かい、夢や恋に奮闘する“逆襲”ラブストーリー。撮影初日の心境を「『無事クランクアップする日がくるのだろうか』というぐらいさまよっていました」と明かした莉子さんに、役作りや撮影、女優活動への思いなどを聞いた。
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ABEMAのオリジナルドラマ初出演で主演を務める莉子さんは、出演が決まったときの心境を「役者をしていくにあたり重要な作品、思い入れのある作品になるのだろうという気持ちがありましたが、それよりも主演というものに対するプレッシャーとか不安の方が大きかった」と振り返る。
“キレイ”に憧れながらも外見に悩みを抱く女子高生・愛波を演じるが、自身と似ている部分を「早口でしゃべりたいことを全部しゃべってしまう部分」だと明かす。「演技やテレビ収録では早口はよくないと思ってなるべく直すようにはしていますが、基本おしゃべりなのでしゃべりたいことが先にきちゃったり、自分がしゃべっている尺を短くしないと周りの人に迷惑が……と思ったりすると早口になっちゃう」と照れくさそうに笑う。
一方、愛波とは「周囲につらい姿を見せないという強さ」はあまり似ていないといい、撮影でも「愛波は周りに気づかれないように笑顔で振る舞ったりするので、そういうシーンを演じる時はすごく苦戦しましたね」と役とのギャップを埋めるため奮闘したという。
本作には自他ともに認める最強イケメン・橘圭吾役で神尾楓珠さん、ミステリアスな一匹狼の転校生・島村空役で板垣瑞生さん、日本有数の美容ブランドのひとり娘で学園一の美女とうたわれる香澄百合役で愛花さんらも出演している。
ラブコメには欠かせない胸キュンシーンとして第1話に出てくるバス停のシーンを挙げた莉子さんは、「ある出来事が起きたあとは、それぞれのキャラクターの感情の上がり下がりなどの感情の揺れにも注目してほしいのですが、バス停のシーンはとにかく胸キュンポイントが詰まったシーンなのでバーンときますね」とアピール。
同シーンの撮影について、「圭吾君との出会いという大事なシーン」と前置きし、「愛波にとって圭吾君は憧れやキラキラした存在。そのキラキラの部分をしっかり伝えられるように、せりふの速さや表情など監督の演出のもと頑張りました」と語る。
さらに「その撮影が初日だったのもありますが、例えばアップなら顔や目でキラキラとか圭吾君に対する憧れを表現しないといけませんが、やっぱり大変で結構初日は体力を使った感覚があります」と煌(きら)めきを魅せる演技に苦戦するも、「キラキラ感をこういう場面で出すのが大切だしカギになってくることを、バス停のシーンで学びました。すごく思い出深いです」と手応えを口にする。
莉子さんは昨年、映画「小説の神様 君としか描けない物語」で長編映画に初出演、ウェブドラマ「DISTORTION GIRL」でドラマ初主演するなど、近年はモデルとしてだけでなく女優としても活躍の場を広げている。
自身の女優活動について、「モデルとはまったく違うなと思っていますが、モデルをやっていたからこそ『表情が良いね』と褒めていただくこともあり、つながっていそうでつながっていなかったり、でも何かつながっていたりして面白い」と自己分析。「“ほかの人として生きる”ことは女優をやっていないとできない。貴重な経験をさせていただいているという気持ちはありますね」と実感を込めて話す。
今作でも主演を飾るなどますます活躍が期待される莉子さんだが、「最初それほどやりたいとは思っていなかった」と演技には抵抗感があったという。ところが「小説の神様」の撮影現場で、「自分でも明確なきっかけがあったわけじゃないのですが、『演技って楽しいんだな』と感じ始めた」と告白。「今回主演させていただいたり、名だたる俳優の方と演技させていただくことで刺激をもらったりして、『私も頑張らないと』という思いが芽生え、芝居がどんどん楽しくなってきています」と感慨深げに語る。
現在では毎週ワークショップに通い、「ほかの役者の方と演技することで勉強になることは多い」と言い、さらに「オーディションでいろんな方に出会うことによって、『こういう演じ方もあるんだな』とか、そうやっていろんな役者の方と触れ合うことが刺激になっています」と話し、女優業への充実感をのぞかせる。
目標としている憧れの女優として「永野芽郁さん。最初モデルをやられていて今は女優として活動され幅広い作品、役を演じられているのを見て、振り幅がすごいなと感じています」と話した莉子さん。自身の理想の女優像を聞くと、「ほかの役者の方や周りなど全部を見られる役者になりたい」という答えが。
莉子さんがそう思うようになったのは今回の撮影現場がきっかけで、神尾さんや板垣さんらの立ち居振る舞いが影響したという。「神尾さんや板垣さんは、自分だけでなく相手の見え方や周囲の気配りなどをさらっとやっている感じがかっこいい。私も周りを見られる役者にならないといけない、自分だけの役者にはなりたくないと感じました」と真剣な表情で語る。
本作はラブコメだが“本当の美しさ”や“自分を好きになる”といったテーマも描いていく。コンプレックスを抱える愛波を演じる莉子さんだが、自身は「『莉子ちゃんはコンプレックスなんてないよね』と言われることもありますが、私もあります。ただ口にするとどんどん落ち込んでしまうと思って、なるべく言わないようにしています」ときっぱり。
続けて、「コンプレックスに対する思いは人それぞれ。言って解消されるなら言った方がいいと思いますし、言わない方がいいなと思ったら言わない方がいい。コンプレックスというものを深く受け止めすぎず、自分が思うようにやっていくのがいいのかなと思っています」と持論を語る。
最後にドラマのテーマにちなみ「自分らしい生き方とは」と投げかけると、「目標とか夢がないんですよ(笑い)。もちろんやりたいことは都度出てきますし達成するために頑張ろうとも思います。ただ目の前のものを一つずつ丁寧に全力でぶつかっていくことが、今の私にできる精いっぱいのこと」と回答。「それをやってきて今私はここにいる。今回の撮影を通してそれが自分の生き方と気づきました」 (取材・文・撮影:遠藤政樹)
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