俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第41回「月にのぼる者」が1月17日に放送され、光秀(長谷川さん)は“帝(みかど)”こと正親町(おおぎまち)天皇(坂東玉三郎さん)に拝謁。帝が光秀に、信長(染谷将太さん)のことを「しかと見届けよ」と伝えるシーンがあった。
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帝は、月にある不老不死の花を取りに月に上り、独り占めして神の怒りを買い、月に閉じ込められた奇妙な男「桂男」の話を例に出すと、「信長はどうか。こののち、信長が道を間違えぬよう、しかと見届けよ」との言葉を光秀に残す……。
玉三郎さんは同シーンを振り返り、「帝の心情がこぼれ出るような回でした。信長は、さまざまな意味で自分を失っているのです。だから光秀に、頼むよ、と。『力のある者はみな月に上りたがる。しかし下界に戻ってきた者はいなかった』。世をふかんして見ている帝の心情は、この言葉に尽きるのではないでしょうか」と語っている。
第41回は、大坂本願寺、丹波と、終わりの見えない戦に追われる光秀。追放された将軍・義昭(滝藤賢一さん)は、諸国の大名に向けて「信長を倒し幕府を再興せよ」と御内書を送り続けており、事態は混迷を極めていた。光秀は、訪ねてきた秀吉(佐々木蔵之介さん)に、自分に密偵をはべらせ、行方不明の茶器「平蜘蛛」を隠し持っていることを信長に報告し、さも裏切ったかのように仕向けた調略について問いただす。
後日、光秀は「平蜘蛛」を携え、信長の元へ。しかし、信長は「平蜘蛛」を金に換えると言いだし、光秀を唖然(あぜん)とさせる。そして光秀は、月見と称して正親町帝と……という展開だった。
「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマ。1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんのオリジナル作。ドラマでは謎めいた明智光秀の前半生にも光を当て、戦国の英傑たちの運命も描く。放送は残り3回で、2月7日に最終回を迎える。
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