大今良時さんのマンガが原作の劇場版アニメ「聲の形(こえのかたち)」(山田尚子監督)が、金曜ロードSHOW!(日本テレビ系)で7月31日午後9時に放送される。聴覚障害のあるヒロインへのいじめの描写が生々しさなども話題になったマンガが原作で、「けいおん!」などの京都アニメーション(京アニ)が製作。見る者の感情を揺さぶるような映像美も話題になった。京アニだからこそできた映像表現とは……。
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「聲の形」は、聴覚障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の孤独や絶望、愛などを描いた大今良時さんのマンガが原作。「別冊少年マガジン」(講談社)2011年2月号と「週刊少年マガジン」(同)2013年12号に読み切りが掲載され、読者の反響や監修の全日本ろうあ連盟の後押しもあり、「週刊少年マガジン」で2013年8月~2014年11月に連載された。
山田監督にインタビューした際、「聲の形」の原作を読んで感じたことを「生理的な部分が揺さぶられる作品だと思った。映像体験として人の心をつかむ……ということに挑戦できる作品。本能に訴えられるかが大事になる」と明かしたことがあった。
アニメ「聲の形」は、本能に訴えかけるような映像が魅力だ。光や水、花火などの表現がキャラクターの感情のメタファーにもなっているようにも見える。音楽などさまざまな要素で、キャラクターの心の動きを丁寧に表現しており、アニメでしか表現できないであろう映像に引き込まれる。山田監督は、アニメだからできる表現を目指した。
「映像では本能をくすぐることができる。そういうところをコントロールできるのがアニメの魅力。本当はないものが描かれていて、なんでだろう?と思うところが、心に残ることもあります。色の調整も面白いところ。現実ではありえない色で表現しても、気持ち悪くならず、心地よくなることもあります。色や波動などを考えたところもあります」
京アニは「京アニクオリティー」とも呼ばれる質の高い作品を世に送り出してきた。「聲の形」もまた京アニならではの繊細な表現が随所に見られる。その映像美に心を動かされるはずだ。
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