3月22日に最終回を迎えた、俳優の竹内涼真さん主演の連続ドラマ「テセウスの船」(TBS系)や、昨年7月期に放送された連続ドラマ「凪のお暇(なぎのおいとま)」(同局系)などに出演した子役の白鳥玉季さん。大人顔負けの演技を見せて話題になっているが、4月3日公開の映画「ステップ」(飯塚健監督)では、山田孝之さん扮(ふん)する主人公・健一の娘・美紀を熱演している。
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白鳥さんは、2010年1月20日生まれの10歳。2016年に放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「とと姉ちゃん」で、星野武蔵(坂口健太郎さん)の娘・青葉役でドラマデビュー。「凪のお暇」では、主人公・凪(黒木華さん)と同じアパートの隣に住むカギっ子・白石うららを演じ、一躍注目を浴びた。
「テセウスの船」では、心(竹内さん)の姉で、佐野家の長女・鈴の幼少期を演じた。竹内さん、鈴木亮平さん、榮倉奈々さんらと丁々発止なかけあいを見せ、SNSでは「大人顔負けの演技力」「ほんと演技上手い」「これからの活躍が楽しみ」と話題になった。
「ステップ」は重松清さんの同名小説が原作。結婚3年目に妻を亡くした健一は、トップセールスマンのプライドも捨て、時短勤務が許される部署へ異動し、男手一つで美紀を育てることを決める。そして保育園から小学校卒業までの10年間を経て、健一は子供の成長に、妻と死別してからの時間をかみしめる。そんな時、誰よりも健一と娘を見守り続けてくれた義父・明(國村隼さん)が倒れたと知らされ、健一は義父の元に向かう。そこには、妻が残してくれた「大切な絆」があって……というストーリーだ。
本作は、美紀の姿を2歳、6~8歳、9~12歳と三つの時代に分け、それぞれ異なる子役が演じている。撮影前にオーディションを実施し、白鳥さんはそこで晴れて選ばれた。白鳥さんが演じているのは6~8歳の時代の美紀。小学生になり少しずつ大人に近づき、小生意気な発言をするようになる一方で、写真でしか知らない母親への思いを寄せる、複雑な美紀の感情をリアルに体現している。
また、美紀の2歳の時代を、本作が銀幕デビューとなる中野翠咲(みさき)ちゃん、後半の軸を担う9~12歳を、田中里念(りね)さんがそれぞれ演じている。翠咲ちゃんは、撮影当時は3歳という年齢ながら、仕事と家事に追われる健一ともっとコミュニケーションがとりたいのに、まだうまく言葉にできず気分が沈んでしまう美紀を表現。田中さんは、健一の同僚・斎藤奈々恵(広末涼子さん)の登場など、周囲の環境が大きく変わっていくなか、なかなか素直になれない年ごろの少女を等身大に演じている。
本作でメガホンをとった飯塚監督は、3人の子役に対して、撮影現場では子供扱いせずに一人一人“役者”として向き合ったといい、「子供でも、こちらが何か言えば、それについて自分で考えようとするんです」と説明する。
特に白鳥さんについては、「玉季は、クラスメートが家族のエピソードを語るシーンで、最初は一緒になってケラケラ笑っていたけれど、美紀はそんな笑い方をしないんじゃないかと言ったら、そこから自分で考えて本番では芝居を変えてきた」と感心していた。
また、山田さんも「相手が子供だからといって、3人とも、無理に距離を詰めようとすることはしませんでした。みんな自分の娘だと思って、その年齢の娘がいたらどんな会話をしてみたいかなというところで素直に接していました」と明かしている。
さらに健一役について「今回は演じていません。“素”の山田を出しました」と話している山田さん。その言葉通り、“素”の山田さんと、本物の親子さながらの演技を披露する、将来有望な3人の娘たちの姿をお見逃しなく。
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