海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
橋本環奈さん主演の2024年度後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)に出演する岡本夏美さん。過去最大規模の「若手オーディション」でつかんだ役・田中鈴音(スズリン)を演じる。スズリンは、主人公・米田結(ゆい、橋本さん)に大きな影響を与えるギャル軍団の一人。オーディションでは「1次審査はカラオケのシーンを。ギャルに人気の歌手の方の名曲を歌って盛り上げる、というのを演じたりもしました」と明かす。ある種、未知数な“朝ドラでギャル”を演じることへの思いなどを聞いた。
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「おむすび」は、平成元年生まれのヒロイン・米田結が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく、“平成青春グラフィティー”。NHKのドラマ「正直不動産」などで知られる脚本家・根本ノンジさんのオリジナル作品となる。
岡本さんは今回が朝ドラ初出演。演じるスズリンは、現在の総代表を真島瑠梨(ルーリー、みりちゃむさん)が務める「博多ギャル連合」(略してハギャレン)のメンバー。結とは同い年で、いつもスナック菓子を食べている。手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味だ。
前述の通り「朝ドラならではのフレッシュで魅力的な若手俳優たちを発掘する」ことを目的に開催された、過去最大規模の若手オーディションによって、岡本さんは同役に選ばれた。
最終審査のときから思い入れが強く、「他の役も演じさせていただいたのですが、やっぱりスズリンを、この役を愛してあげたいという思いがあった」という岡本さんは、彼女の「肯定的な性格」に魅力を感じたようだ。
「ギャルというとハイテンションでよくしゃべって、というイメージがあると思います。もちろん、スズリンにもそういった面もあるのですが、彼女はとてもほがらかで、いつもニコニコしている。時がゆっくりと流れていて、その分、時間にルーズなところもあるのですが、そういう部分も、いい意味で笑って許してもらえるキャラクターだし、すごく明るくて、人一倍肯定的。他者に対して優しくて温かい提案もできる女の子なんです」
自身を「ズバズバと意見し合うのが好きで、どちらか言えばせっかち」と分析し、「スズリンとは違う部分も多い」と話す岡本さん。
「違うからこそ寄り添ってあげたいなとも思えたし、スズリンって『好きなものを好き』と貫けて、それも『ただ自分が好きだから』で完結するのではなくて、自分の好きなもので周りの人にも喜んでもらいたいという思いがすごくある。決して好きなものを押し付けるのではなくて、『共有したい』思いが強い。その部分は私とも似ているし、共鳴し合えると思えたポイントでした」
そんなスズリン役を通じて、以前からひそかに憧れを抱いてきたギャルを疑似体験。準備段階からスタッフと話し合って、一緒になって作り上げていったビジュアル面も含めて「楽しむことができました」と話す。さらには、時に暗い世相を吹き飛ばしてしまうようなギャルの明るさ、ギャル文化のきらびやかさを体現できることに喜びも感じた。
「今ってSNSとかすごく発達していて、人とのつながりが簡単にできてしまうからこそ、逆に少しずつ薄れてしまったものもあると思っていて。なんか気持ちが暗くなるようなニュースも多かったりするじゃないですか。そういったところで、ギャルの明るさを、役を通してではありますけど、朝にお届けできることは、この作品に出演できてうれしかったと思える理由の一つです」
加えて、スズリンのように「好きなものを好きだと言える強さって、やっぱりすごい」とも痛感。
「自分の好きなものが他の誰かから見たらそうじゃなかったり、自分は少数派なのかもしれないと怯えてしまうことってあると思うんです。私にもそういう経験がありましたし。でもスズリンたちギャルは、そういったこととは一切無縁。『私が好きだからいいじゃない』『私の好きなものってどう?』と言える強さは脚本からも感じ取れるので、視聴者の皆さんにも伝わったらいいなと思っています」
“朝ドラでギャル”を演じることは、岡本さんの中でも当然、新しい挑戦になっている。
「『朝ドラだから、こうじゃなくてはいけない』ってこともないだろうし、新しいことに挑戦できる場を用意していただけて、私はとてもありがたいことだなと思ったので、怯えることなく、いかにギャルを楽しめるかを現場でもすごく意識していました。私自身、ギャルってとにかく心がタフだなと思っていて。何か問題が起きても『大丈夫っしょ?』っって、まず第一に肯定するのがギャルの良さだと思うので、そこもすごく意識して演じた部分です。対人関係において一緒に作っていくんだという思いの強さ、『忖度』とか関係なしの仲間との手の取り合い方も、今回学んだような気がします」