ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、17日から放送される、人気刑事ドラマ「相棒」(テレビ朝日系、水曜午後9時)の最新作「シーズン17」の初回90分スペシャルだ。
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「相棒」は、水谷豊さん演じる警視庁の窓際部署「特命係」のキャリア警部・杉下右京がその天才的頭脳で推理し、相棒とともに難事件を解決するドラマ。今シーズンは、右京と反町隆史さん演じる4代目の相棒、冠城亘のコンビが4年目を迎え、さらに“3人目の男”青木年男(浅利陽介さん)が加わった異例の3人体制になった特命係がいよいよ始動する。
初回スペシャル「ボディ」は、輿水泰弘さん脚本、橋本一監督という布陣。全シーズンの最終回にも登場した国家公安委員を務める大学教授・三上冨貴江(とよた真帆さん)の自宅で、夫の鋼太郎(利重剛さん)が父親の鬼束鐵太郎(中田博久さん)を殺害する事件が発生する。鐵太郎は鬼束学園の理事長、鋼太郎は副理事長という立場だ。三上は自身の名誉を守るため鋼太郎や鐵太郎の若い後妻・祥(谷村美月さん)と共謀し、事件を隠ぺいするが、やがて特命係が動き出す……。
事件を隠ぺいしようとする容疑者一家と、事件の証拠をつかもうとする右京たちのやりとりは秀逸。シリーズ初出演となる柄本明さん演じる国家公安委員長の鑓鞍兵衛(やりくら・ひょうえ)の存在感も抜群で、今回も骨太なサスペンスドラマに仕上がっており、見応えは十分だ。終盤には重機による破壊シーンもあり、思わず「こんなにやっちゃっていいの?」と驚いてしまった。
新体制になった特命係はというと、右京の“くせ者感”は相も変わらずだが、そこに偏屈な青木が加わり、やりとりの皮肉さやコミカルさが更にパワーアップしており、会話劇を聞いているだけでも、思わず破顔してしまった。また、今回は、右京が辞職をかけた誓約書を提出して危険な賭けに出る展開もあり、最後の最後まで目が離せなかった。
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