人気ゲームを題材にした映画「トゥームレイダー ファースト・ミッション」(ロアー・ウートッグ監督)が21日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開される。「トゥームレイダー」といえば、2001年公開のアンジェリーナ・ジョリーさん主演の映画が思い浮かぶ。あのララは、最初からトレジャーハンターとして活躍していた。こちらのララはまだ大学生。どんな経緯でトレジャーハンターになったのかを描くヒロイン誕生秘話だ。「リリーのすべて」(15年)でアカデミー賞助演女優賞に輝いたアリシア・ビキャンデルさんが演じる新生ララ・クロフトに注目だ。
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物語は13年発売のビデオゲームがアイデア源。ある時ララ(ビキャンデルさん)は、実業家で冒険家だった亡父(ドミニク・ウェストさん)が、生前、古代女王ヒミコについて調べていたことを知る。父はララに、その資料が秘密組織の手に渡らないよう処分を命じるビデオメッセージを残していた。しかしララはその言葉に従わない。なぜ父が自分を捨ててまで最後の旅に出たかを知るために、ヒミコの墓があるとされる絶海の孤島へ向かう……というストーリー。
映画を見る前は、ララ役にビキャンデルさんでは線が細過ぎると思ったが、これがなかなか似合っている。ララは父の遺産には手を付けず、自転車便の仕事をしながら暮らしている。その彼女が、父に捨てられたという思いを断ち切るために冒険に乗り出す。旅の開始早々、バッグを盗まれたり、乗った船が高波に襲われたり、と災難続き。島上陸後も、川の激流にのまれたり、銃撃されたりと、九死に一生を得る体験を何度も強いられる。
元バレエダンサーのビキャンデルさんは、撮影7カ月前からトレーニングを開始。筋肉を5キロ増やしてララ役に挑んだという。とはいえ決して筋肉隆々の体形ではなく、どちらかというとこじんまりしていて、それがむしろ親しみやすさを生んでいる。敵と戦う時も、動揺や恐れ、痛みが伝わってきて、新ララ像の確立に成功している。
一難去ってまた一難。満身創痍(そうい)になりながら最初のミッションに挑むララの雄姿を、ぜひ目に焼き付けてほしい。(りんたいこ/フリーライター)
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