女優の黒木華さんが主演を務めるNHKの時代劇「みをつくし料理帖」が13日、スタートする。上方(大坂)生まれで天性の舌を持つ女料理人が“江戸の味”に挑戦し、人と人との出会いによって成長していく姿を描く、高田郁さんの人気時代小説シリーズが原作。関西出身で、主人公と同じように上京して間もないころに“味のカルチャーショック”を受けたという黒木さんに、作品や料理への思い、原作で特徴的な主人公の“下がり眉”についても話を聞いた。
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「みをつくし料理帖」は、累計330万部突破の同名時代小説シリーズが原作。1802(享和2)年の水害で両親を亡くした天涯孤独な少女・澪(黒木さん)は、料理屋「天満一兆庵」の女将(おかみ)・芳(安田成美さん)に助けられると、やがて江戸へと流れ、種市(小日向文世さん)が営む“元そば屋”の「つる屋」で、料理の腕を振るうようになる……というストーリーで、主人公の波瀾(はらん)万丈の日々を、人情たっぷりに描く。
演じる澪について黒木さんは「つらい過去があっても周りに助けられて、人との出会いによってどんどんと成長していく。それをパワーに変える力を持っている」と印象を明かすと、「芯の強さ、譲れない気持ちがあるところがすてきだな、素晴らしいなって。料理に対しての情熱、真っすぐに向き合う姿勢は尊敬しているというか、自分もそうありたいなって思います」と語る。
原作ファンから「イメージにぴったり!」との声が早くも上がっているが、特徴的な澪の“下がり眉”について「『下がり眉』ってせりふも“眉が下がる”ってところも、たくさん出てきます」といい、「でもそれは澪ちゃんのアイデンティティーで、原作を読んでいても、そこがとってもチャーミング。鏡を見て練習もしましたし、撮影では意識して眉を下げたりしています」と笑顔で明かす。
またドラマでは、江戸の味や慣習を知らない澪の苦労も描かれるが、主人公と同じ関西出身の黒木さんも、上京して間もないころに“味のカルチャーショック”を受けたといい、「初めて渋谷に来た時に『富士そば』に入ったんですけど、辛くて、醤油の味が。関西とは本当に違うんだって、びっくりしましたね」と思い返していた。
普段は「煮物が好きで、煮魚とか煮物は作ります」という黒木さん。「最近は夜にシフォンケーキを焼き始めたり、お菓子を作ることが多いですね。料理をしている時は仕事のこととか考えなくていいので、疲れて、心がざわざわしている時とか、無になりたい時にしていますね」と話す。
そんな黒木さんが今回、劇中やドラマ後の料理コーナーで“江戸の味”に挑戦。「それこそダシをひく、お米を炊くといった料理の基礎から(先生に)教えていただいた」といい、「上方と江戸、作り方が本当に違っていたらしくて、水の違い、味の違いが今よりもっと顕著で、そういった部分がどんどんと出てきます」とアピールする。
さらに黒木さんは「第1話の“はてなの飯”の材料として、本当にカツオを5、6本おろした」と明かすと、「(1匹)3キロくらあるので、一からおろすのって結構、大変でした。でも最初の話のキーでもありますし、ありがたいことに全部おろさせてもらって……。あとは和包丁の使い方や盛り付け方にこだわって撮っているので、そこはぜひ見てほしいです」と力を込めていた。
「みをつくし料理帖」は全8回。NHK総合で13日から毎週土曜午後6時5分に放送。
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