三上博史:“暴君”社長の役作りに「すべてをささげた」 「スワロウテイル」秘話も

連続ドラマ「社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」で主演を務める三上博史さん
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連続ドラマ「社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」で主演を務める三上博史さん

 俳優の三上博史さん主演のWOWOWの連続ドラマ「社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」(日曜午後10時)が30日スタートする。米国のドナルド・トランプ大統領を彷彿(ほうふつ)させるような“暴君”で、買収する大手新聞社に対して過激な要求を突きつけるという外資系企業の社長を演じた三上さんに、役作りなどについて聞いた。

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 ドラマは、堂場瞬一さんの小説「社長室の冬」(集英社)が原作。発行部数の激減などが原因で、日本最大の新聞社「日本新報」の小寺政夫社長(中村敦夫さん)は、日本の新聞社初となる“身売り”を決断する。小寺社長は、日本新報の元記者で、米国の巨大ネットショッピング会社「AMC」の日本法人社長の青井聡太(三上さん)と交渉を開始する。その矢先、小寺が急逝し、後任に新里明(笹野高史さん)が社長に就任する。新里と“ある因縁”を持つ青井は、新里に衝撃的な身売り引き受け条件を提示する……というストーリー。

 ◇実生活にない社長役を楽しむ

 三上さんは「演じるたいていの人物は、手の内でできる気がする。だけど今回の青井は、新聞社、身売り、外資といった僕の実生活にまったく関係のない物語なので(役作りの方法が)手の内にありませんでした。作るというアプローチではなく、自分を消す作業。すべてを青井にささげたという感覚です」と話す。そして「日常で触れることができない未知なるところなので、とても面白いなって感じています」と笑顔で語る。

 劇中では、英語のせりふを披露している。「違う言語で表現するのは、とても難しいですね。今回は社長役なので、会社のプレゼンテーションをするシーンで英語を話す演技を求められ、使ったことがない言葉が出てきた」と苦労を明かす。

 さらに、「僕は『スワロウテイル』のときに演じた役で、英語と中国語などが混ざったせりふを話さないといけませんでした。当時、僕は腹をくくって何カ月か前から英語と中国語を一からやり直すことにしました。言葉がネーティブに話せる役者さんを先生にして演技と役を作りました。今回の青井もできるだけそれに近いようにやりたいと思った」という。そして、「『スワロウテイル』は主人公で膨大な量のせりふでした。今回はシーン数が少ないけれど(体に)しみ込ませるのが大変でした」と苦労を明かす。

 ◇何度も座長を経験 座長の心得とは

 ドラマは、新聞、ネットニュースなどが題材になっている。三上さんは「(僕にとって)メディアは敵であり、友でもある」といいながら、新聞については「昔は、新聞を全紙読んでいました。でも今は情報を整理するため、距離を置いちゃいました」とちゃめっ気たっぷりに答える。

 これまで三上さんは、数々の作品で主演を務めてきた。座長の心得について聞くと、「作品に集められるキャストは経験値が高い人から低い人までいる。作品作りは一人でする作業ではなく、集まったキャストで(いろいろな技術を)最大限に持ち寄らないと、いい作品はできません。自分が、座長としてどういう人物でいないといけないのか、日々、悩みますね」と語る。

 続けて「20代は、自分がとことんやれば、背中を見てくれると思っていた。でも、それじゃダメなんだと思って、今度はとてもいい人になってみるけど、なめられちゃったりもした(笑い)。最近は考えてもダメだなと思って整理しているところです。チームの中で年齢が高くなってきていますし、一辺倒のオヤジだと誰も付いてこない。今、すごく模索中です。でもスタッフ、キャストが毎日、ワクワクしてくれるような現場にしていたい」と笑顔を見せた。

 「社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」には、福士誠治さん、北乃きいさん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、小市慢太郎さん、渡辺いっけいさん、中村敦夫さん、南沢奈央さん、原日出子さん、笹野高史さん、田中泯さん、岸部一徳さんも出演している。30日からWOWOWプライムで毎週日曜午後10時放送。全5話で第1話は無料放送。

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