新海誠監督:RAD野田と「君の名は。」制作秘話明かす セオリー無視は「今は誇らしく思う」

東京都内で開催中の「第29回東京国際映画祭」の「Japan Now」部門に出品されている「君の名は。」の舞台あいさつに登場した新海誠監督(左)と「RADWIMPS」の野田洋次郎さん
1 / 6
東京都内で開催中の「第29回東京国際映画祭」の「Japan Now」部門に出品されている「君の名は。」の舞台あいさつに登場した新海誠監督(左)と「RADWIMPS」の野田洋次郎さん

 大ヒット中の劇場版アニメ「君の名は。」の新海誠監督と主題歌を担当した「RADWIMPS」の野田洋次郎さんが27日、東京都内で開催中の「第29回東京国際映画祭」のトークイベントに登場した。新海監督は、野田さんが「公開してから大きな反響があることは、いろんな説明付けができると思うけど、監督が今までになかった流れを堂々と強い意志でやったことが一つにあると思う」と分析すると、「セオリーを無視していたと野田さんがおっしゃったことは今だったら誇らしく思う」と笑顔を見せ、「作っている最中は、観客がどうすればゾワッと鳥肌が立つ瞬間を迎えてくれるだろうとばかり考えていた」と明かした。

あなたにオススメ

 また、新海監督が「最初から過剰なものにしたいと思っていた。受け止めきれないくらいの映画にしたいと。音楽(を担当する)側にも過剰な要求が行っていたかも」というと、野田さんも「はい。過剰……」と苦笑い。続けて「諦めなさいというのは、アニメーション監督の中で必要な才能だと思っていて。普通の人間ではない感じというか。音楽も背景も人物も声も、淡々とすべての部分で諦めない、その姿勢がすごいなあと」とたたえた。

 「君の名は。」は、1000年ぶりとなる彗星(すいせい)の来訪を1カ月後に控えた日本を舞台に、山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉と東京で暮らす男子高生の瀧が入れ替わってしまう……というストーリー。累計興行収入は24日付けで164億円を突破しており、「崖の上のポニョ」(2008年、宮崎駿監督)の155億円、「アバター」(09年、ジェームズ・キャメロン監督)の156億円を超え、邦画の歴代興行収入ランキングで5位にランクインしている。

 また、同映画祭で日本映画界への貢献が目覚ましい人に贈る「ARIGATO(ありがとう)賞」も受賞しているほか、第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭のアニメーション作品部門で「Award for Best Feature Length Film」(最優秀長編作品賞)を受賞、第18回プチョン国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門でも優秀賞と観客賞をダブル受賞している。

写真を見る全 6 枚

アニメ 最新記事