田中圭:三谷幸喜の脚本・監督「おい、太宰」で主演 ワンシーンワンカットのドラマ第3弾 6月にWOWOWで放送・配信(コメント全文)

「ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』」で脚本と監督を務める三谷幸喜さん(左)と主演の田中圭さん=WOWOW提供
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「ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』」で脚本と監督を務める三谷幸喜さん(左)と主演の田中圭さん=WOWOW提供

 俳優の田中圭さんが主演する、三谷幸喜さんの脚本と監督によるWOWOWオリジナルドラマおい、太宰」が、6月にWOWOWプライムとWOWOWオンデマンドで放送・配信されることが分かった。

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 三谷さんのオリジナル脚本で自ら監督を務める“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズが、12年ぶりにWOWOWで放送される。第1弾は2011年、三谷さんの初のテレビドラマ監督作「short cut」で実現した。山道に迷い込んだ中井貴一さんと鈴木京香さん演じる夫婦が、けんかをする中で互いを理解していく物語で、平成24(2012)年日本民間放送連盟賞(テレビドラマ番組)最優秀賞を受賞した。

 第2弾は2013年放送の「大空港2013」。故・竹内結子さんがグランドスタッフに扮(ふん)して、生瀬勝久さん、戸田恵梨香さん、オダギリジョーさん、香川照之さんらが演じる個性豊かな登場人物たちと大騒動を巻き起こす群像コメディーで、信州まつもと空港を貸し切り、ヘリコプターまで飛ぶ大掛かりな舞台は話題を呼んだ。

 第3弾となる今作は、構想に約10年の月日をかけ、昨年秋に撮影された。三谷さんが「山」「空」の次に選んだのは「海」。海辺を舞台に、太宰治を敬愛する男が時代を超えて奮闘するタイムスリップコメディーとなる。

 主人公・小室健作役は三谷作品初主演の田中さん。2019年公開の映画「記憶にございません!」以来、6年ぶりの三谷組への参加となる田中さんは、もともと本シリーズの大ファンだったといい、三谷さんに熱いラブコールを送っていた。ついに今回、念願がかなうも、待ち受けていたのは過酷な撮影だったという。田中さんは今作で、約100分間出ずっぱりという役柄を演じ、膨大なせりふと一度もカメラが止まらないという“NG”が許されない極限の緊張感の中で撮影した。

 田中さん演じる健作は太宰治を敬愛する平凡な会社員。妻の美代子と一緒に出席した披露宴の帰り道、偶然太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作は、止られたにもかかわらず、暗い洞窟を進んでいく。その先にいたのは、なんとあの太宰治に瓜二つの男だった。健作は太宰の生きた時代にタイムスリップしてしまったのか……という展開となる。

 太宰役などのキャストは後日、発表される。

 ◇田中圭さん(小室健作役)のコメント

 --三谷幸喜さん脚本・監督作の主演オファーを受けた際のお気持ちは?

 三谷さんとは、プライベートで偶然お会いすることがあります。以前作品でもご一緒していることもあり、会う度にごあいさつをさせていただいておりました。もともと僕はこのシリーズが大好きで、ごあいさつさせていただく度に「とても好きです」とお伝えしておりました。三谷さんからも、「次こんな作品をやるのですがオファーしてもいいですか?」と何度かおっしゃっていただいたことがあります。「ぜひ」と返すのですが、なかなか実現はかなわずでした。なので今回、本当にお話をいただいて「本当!?」とすごく驚きました。最初はうれしさとプレッシャーが半端じゃなかったです。

 --三谷さんのオリジナル脚本や三谷流の演出を実際に体感されての感想は?

 大胆なのにじわじわくる。繊細なのに噴き出しちゃう。というような波状攻撃です。台本はとてもおもしろかったです。ただ、ワンカットの撮影でタイムスリップってどう撮るのだろう。三谷さん、ワンカットでの撮影というの忘れちゃったのかなと思いながら読み進めていました。けいこ中の演出も、せりふ変更や動きの修正もすぐその場で細かく丁寧にしてくださり、そういう瞬間瞬間で変わると前より面白くなっていて、さすがだなと感じました。そして“役者に委ねます”という最終的なスタンスは潔くてかっこいいなと思いました。だからこそ、応えたい!という気持ちでやっていました! 楽しかったです!!

 --カメラを一度も止めない「完全ワンシーンワンカット撮影」の難しさや楽しさは?

 難しさは、まず膨大(ぼうだい)なせりふを覚えなくてはいけないこと。役者がNGを出しても、出していないように見せなければならないチームワーク。スタッフさんの体力と臨機応変な対応。全体が一つにならないと約100分走りきれないところでした。もちろん緊張や、自分たちではどうすることもできない天候とも戦わないといけないところもあります。今回は海辺ということで、日によってアクティングエリアが変わるのも大変だったと思います。でもだからこそ、その全てが楽しかったですし、一日一回しか撮影できない緊張感はなかなかでした。

 --視聴者の皆様へメッセージを。

 ワンカット撮影のドラマなのにタイムスリップを描きます。お芝居はもちろん、脚本の楽しさも。演じた僕らは楽しみました!! 皆様にも楽しんでもらえると信じています!! そして、ワンカットということを途中から忘れていただけたらうれしいですが、僕自身が感じた、「これワンカットなんだ」という感動が、皆様にも届いたらいいなと思っています。ぜひ楽しんでください!!

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