松岡美里:「キミとアイドルプリキュア♪」インタビュー テレビアニメ初主演 憧れのプリキュアと一緒に成長

「キミとアイドルプリキュア♪」の一場面(c)ABC-A・東映アニメーション
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「キミとアイドルプリキュア♪」の一場面(c)ABC-A・東映アニメーション

 人気アニメ「プリキュア」シリーズの第22弾「キミとアイドルプリキュア♪」。キュアアイドル/咲良うたを演じる松岡美里さんは、「映像研には手を出すな!」の水崎ツバメ役や「うたごえはミルフィーユ」の近衛玲音役、「わんだふるぷりきゅあ!」のキラリンウサギ役などで活躍する声優で、テレビアニメシリーズで主演を務めるのは初めて。子供の頃から憧れていたというプリキュア役に抜てきされた。松岡さんに憧れのプリキュアへの思いを聞いた。

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 ◇プリキュア出演に涙

 「キミとアイドルプリキュア♪」のモチーフは「アイドル」で、テーマは「“キミ”がいるから輝ける、強くなれる!」。伝説の救世主・アイドルプリキュアが歌って踊ってファンサして、ダイスキな人、大切な人、応援してくれる人、隣にいる人、目の前にいる人など“キミ” をキラッキランランにする。そして、“キミ”の存在がアイドルプリキュアをキラキラ強く輝かせる。キュアアイドル/咲良うた役の松岡さん、キュアウインク/蒼風なな役の高橋ミナミさん、キュアキュンキュン/紫雨こころ役の高森奈津美さんが出演する。ABCテレビ・テレビ朝日系で毎週日曜午前8時半に放送中。

 「プリキュア」シリーズは、第1弾「ふたりはプリキュア」が2004年2月にスタートした。松岡さんは、子供の頃から同シリーズを夢中になって見ていた。

 「幼稚園の時に初代『ふたりはプリキュア』が始まり、妹とずっと見ていました。『Yes!プリキュア5』は、今でもカラオケに行ったら主題歌を歌い、『メタモルフォーゼ』のポーズをしています。『フレッシュプリキュア!』のエンディングのダンスをまねしたり、今でも少し踊れます。どのプリキュア好きなのですが、シャイニールミナスやキュアパッションが特に好きでした。ですが、幼稚園でプリキュアごっこをする時は、キュアホワイトをまねしていました。幼稚園ではキュアホワイトが人気で、みんなキュアホワイトをやりたがっていたんです。私自身、すごく体が強くて、ケガも病気もへっちゃらで、元気に校庭を走り回るような子でした。だからこそ、キュアホワイトの可憐なところに憧れたのでしょうね。年齢が上がると、格好いいキュアブラックが好きになっていったのですが」

 松岡さんにとってプリキュアは子供の頃からの憧れだった。プリキュアを演じることが分かった時は、涙があふれてきたという。

 「5年間くらい自分の部屋の壁に『連続アニメの主役をやる』と書いた紙を貼っていました。夢がかなって、その紙を見る度にしみじみしています。周りの人がすごく応援してくれていたので、たくさんの人の力で、私はプリキュアになったのだと思います。自分の持ってるものだけでは、きっとここにはいられなかった。周りの人たちのことを考えると、涙が出てきました。憧れていましたが、私がプリキュアになれるなんて思っていなかったんです。私は地声が少し低いですし、できるのか?とも感じていたので、私も挑戦していいんだ!と前を向くことができました」

 ◇感じたままに演じる

 松岡さんが演じるうたは、歌うことが大好きな中学2年生で、アイドルスマイルがファンサのキュアアイドルに変身する。変身口上は「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」。

 「最初、見ているだけで、元気がもらえる子なんだろうなと思いました。自分の意思で真ん中に立つというよりも、気づいたら真ん中にいる子だと思います。いいと思ったことをきちんと相手の目を見て伝えることができ、表情はコロコロと変わりやすい子です。そして演じる際は、自分の気持ちを大切に演じています。あまり考えすぎずに、感じたままうたちゃんの感情を真っすぐに出そうとしています。私自身も、アフレコが楽しくて仕方ないので、その楽しい気持ちのまま表現しようとしています」

 現場は先輩ばかりだが、「皆さんがすごく盛り上げてくださるので、とにかく楽しいんです!」と、自然に、松岡さんが“気づいたら真ん中”にいる状態になっているようだ。真っすぐに思いを伝え、ポジティブな松岡さんは、うたと重なるところもある。

 「先輩が支えてくださるので、伸び伸び楽しく演じています。実は私、ネガティブなところがあるんです。ただ、作品やスタッフの皆さん、先輩のお力があるから、ポジティブになれています。うたちゃんは、ポジティブで明るく、元気ですが、今後、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。でも、立ち上がり、前を向いていける子です。うたちゃんを演じさせていただいてるので、ポジティブな気持ちになっているところもあるのかもしれません」

 大役ということで、最初はプレッシャーもあったようだが……。

 「子供も大人も憧れる存在なので、最初はプレッシャーもありました。ただ、うたちゃんはプリキュアになれて、プレッシャーを感じていなくて、うれしくて、真っ暗闇をキラキラ照らしていくんだ!という強い意志が芽生えます。いざ収録が始まると、私も頑張るぞ!と、うたちゃんと一緒に前向きになれました。プレッシャーで押しつぶされていたら、きっとうたちゃんにはなれません。家で、練習をしている時は、プレッシャーがすごくて、全然うたちゃんになれませんでした。でも、現場に行くと、なれたんです」

 ◇“キミ”をたくさん感じていきたい

 キュアアイドルが、アイドルのようにステージで歌うシーンも話題になっている。「プリキュア」シリーズはこれまでも進化、変化してきた歴史があるが、「アイドル」「ファンサ」などの新機軸を打ち出している。

 「アニメの収録の前に歌の収録がありました。うたちゃんはどんな歌い方するのかな? どういう表情するんだろう?と考えながら、歌い、自分の中の引き出しを開けていくような感覚がありました。アイドルというのは新鮮ですが、シリーズのブレない軸がしっかりとあって、いろいろな挑戦をしている作品だと感じています。『プリキュア』は、これからいろいろな経験をしていく子供たちの、大切な思い出になっていく作品です。その子たちにしっかり届けること、子供たちの憧れであるところは、ずっと変わりません。挑戦と伝統があり、やっぱりすごいな……と感じています」

 松岡さんは、憧れていたプリキュアを演じることになり、憧れられる存在になった。「子供が大好き」といい、子供たちの応援がパワーになっていきそうだ。

 「私は学童でアルバイトをしていたくらい子供が大好きなんです。先日、東映アニメーションミュージアムに行った時、子供が『キミプリ』のチラシを持って、じっと見ている姿を目にしたのですが、それだけで泣きそうになってしまいました。みんながプリキュアを応援している姿を見たら、涙が止まらなくなると思います。子供たちの応援をパワーにしていきたいです」

 パワフルで真っすぐな松岡さんは、なるべくしてプリキュアになったようにも感じる。

 「私はうたちゃんのようなキャラクターをこれまで演じたことがなくて。ボーイッシュで元気な格好いい子や中性的な役を演じさせていただくことが多かったので、うたちゃんを演じることが挑戦になっています。うたちゃんも今後、たくさん成長していくはずです。私もうたちゃんと一緒に成長していきたいです。先輩の皆様と一緒に収録させていただいているので、全部吸収しきたい!という気持ちで収録に臨んでいます。大きくなった私を皆様にお見せできるように頑張りたいです。『キミとアイドルプリキュア♪』は“キミ”に届ける作品です。テレビの前で見ている“キミ”を想像しながら、届けていきたいですし、“キミ”に力をいただくことになると思います。“キミ”をたくさん感じていきたいです。うたちゃんは前向きで、すごく頑張り屋さんで優しい子です。でも、壁にぶつかることもあるかもしれません。そういう時に、寄り添ってあげたり、一緒に立ち上がることができれば」

 松岡さんは、プリキュアと心を一つにして“キミ”に思いを届けていく。“キミ”も松岡さんとプリキュアを応援してほしい。

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