石川由依:「薬屋のひとりごと」インタビュー 梨花妃の上品さを表現 “猫猫”悠木碧の「すごさ」

「薬屋のひとりごと」の一場面(c)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
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「薬屋のひとりごと」の一場面(c)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

 小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた日向夏さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「薬屋のひとりごと」。2月14日に放送の第30話「みたび、水晶宮」では、現帝の妃で上級妃・四夫人の一人の梨花妃(リファヒ)と侍女頭の杏(シン)と対峙することになり、二人の関係が明らかになる。梨花妃役の石川由依さんに第1期を振り返ってもらいつつ、第30話について聞いた。

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 ◇悠木碧は完璧!

 「薬屋のひとりごと」は、ライトノベルがヒーロー文庫(イマジカインフォス)から刊行されており、コミカライズも人気を集めている。原作のシリーズ累計発行部数は3800万部以上。舞台は、とある大陸の華やかな後宮で、毒見役の少女・猫猫が、美形の宦官・壬氏と共に陰謀やウワサのひしめく後宮で起きる事件に巻き込まれていくことになる。テレビアニメ第1期が日本テレビ系で2023年10月~2024年3月に放送された。第2期が、日本テレビのアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で毎週金曜午後11時に放送中。

 第1期は、美しい映像表現、声優陣の繊細な演技、ドラマチックな展開などが大きな話題になり、老若男女問わず愛される作品となった。

 「普段そんなにアニメを見ない私の親戚からも『見ているよ』と連絡があったり、たくさんの方に楽しんでいただいていると感じています。映像が華やかで、すごく丁寧に作られていて、お話もとても面白いんですよね。猫猫は、身分をわきまえながらも大切なことはズバズバ言いますし、清々しい気持ちにもなれるところが私も面白いと思っています」

 猫猫役の悠木碧さんの「すごさ」も感じているという。

 「やっぱりすごいです。すごいところは、いくらでも挙げられます。猫猫はすごく大変そうなんですよね。難しい言葉も多いですし、モノローグも多いのですが、あおちゃんは完璧です。私はアニメ化前から原作を読んでいましたが、あおちゃんが演じることで、猫猫がより立体的になって、人物像がはっきり見えてくるんです。あおちゃんは、着眼点もすごいんです。センス、共感力がずば抜けています。ファンの方が見て一番いいなと思うところを出して、さらに想像を超えてきます。飛び抜けて、変な方向に行くのではなく、絶対にこっちがいいというところを見せてくれます。あおちゃんがいる現場は、みんな楽しそうで、生き生きしているんです。あおちゃんが、みんなの力を引き出してくれているよう雰囲気を感じています」

 ◇梨花妃の難しさ

 石川さんが演じる梨花妃は“賢妃”とも呼ばれている。第1期では、おしろいに含まれる毒(鉛)による中毒で、東宮を亡くし、自身も同じ病に侵され衰弱するが、猫猫の看病により回復。自尊心が高く、気品があり、第1期では、回復したことによって、本来の姿を取り戻した。

 「第1期で最初に登場した時は、子供を亡くし、余裕がなくなって、よくない言葉を投げかけてしまうことがありました。私は母ではないですが、もし自分の子供があんなことになってしまったら、そりゃそうなるだろうなと思います。つらい気持ちに共感していました。だからこそ猫猫から生きる力をもらい、元の姿を取り戻せた時は、本当に頑張ってほしいという気持ちになりました」

 石川さんは、梨花妃を演じることについて「いまだに難しいと感じています」と明かす。

 「賢妃という言葉通り、本当に知性があって、上品で気品もあって、誇り高く、手の届かない高嶺の花のような存在なので、私とは真逆です。いかに上品さを出せるかが難しいところで、呼吸をたっぷり使って、心の広さを表現しようとしています。演じていると、何となく姿勢が良くなりますね。模索しながら演じています」

 梨花妃は、可愛らしい一面もあり、「ちょっと恥ずかしがるところもいいんですよね。いろいろな顔を見せてくれて、ギャップも魅力だと思います。ただ、そこを出し過ぎると、上品さが崩れてしまうので、抑えつつ、少しドキッとさせる感じの照れ具合を見せられたらと思っています」と話す。

 ◇杏への複雑な感情

 第30話「みたび、水晶宮」では、梨花妃と杏の関係が明らかになる。

 「梨花妃は身ごもって、より強さが出てきて、頑張らなければいけないという覚悟も見えてきます。杏を憎んでいるわけではないと感じています。複雑な感情があり、第30話の最後のシーンは、梨花妃なりの情け、愛も感じました。その気持ちを忘れないように演じました。怒りのあまりの行動ではなく、冷静な部分もあります。強くなければいけないという一種のお芝居をしているところもあると思います。すごく激しいシーンで、台本を読んでいる時よりも感じるものがありました」

 梨花妃の複雑な感情とは……。第30話は、石川さんの演技が大きな見どころになりそうだ。最後に原作のファンでもある石川さんに第30話、第2期の見どころを聞いた。

 「梨花妃は、猫猫に助けてもらい、しっかり自分を持って生きていこうとしています。身ごもったことで、次のステップに向かっていくところを見ていただきたいです。ファンとして第2期の全部を楽しみにしています。壬氏の秘密も明らかになるはず……。猫猫と壬氏の関係にも注目してほしいです。個人的には二人にくっ付いてほしいんですけどね」

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