解説:10年前のきょう公開 「べらぼう」横浜流星出演の戦隊映画 天皇役で昨年ブレークのイケメン、のちの朝ドラヒロインも

横浜流星さん
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横浜流星さん

 2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主演を務める俳優の横浜流星さんが出演し、ちょうど10年前のきょう(1月17日)、劇場公開された映画とは? それは、横浜さんが「役者としてやっていきたい」と思えたスーパー戦隊シリーズ「烈車戦隊トッキュウジャー」(2014~15年)と、前作「獣電戦隊キョウリュウジャー」(2013~14年)のクロスオーバー作品「烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE」だ。ここでは、映画の内容と共に、主要キャストについて解説したい。

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 ◇映画では可愛らしい“こどもトッキュウジャー”が活躍

 「烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE」は、二つの戦隊がスクリーンで共演を果たす「スーパー戦隊VSシリーズ」の(当時)最新作として、2015年1月17日に公開された。

 謎のエネルギー体にのみ込まれた宇宙ステーションが地球へ落下し、見たこともない怪人が出現。トッキュウジャーは怪人に戦いを挑むが、攻撃が効かない。するとキョウリュウジャーが登場し、敵を倒す。敵の正体が悪の創造主デビウスであることを教えられたトッキュウジャーは、キョウリュウジャーと協力して戦おうとするが……というストーリー。

 本作では、トッキュウジャーの初期メンバー5人が怪人の能力で子供の姿に変えられてしまうが、その子供の姿のまま変身して、可愛らしい“こどもトッキュウジャー”として活躍する場面も一つの見どころとなっている。

 キャスト陣はトッキュウジャーから、ライト/トッキュウ1号役の志尊淳さん、トカッチ/トッキュウ2号役の平牧仁さん、ミオ/トッキュウ3号役の梨里杏(現・小島梨里杏)さん、ヒカリ/トッキュウ4号の横浜さん カグラ/トッキュウ5号の森高愛さん、虹野明/トッキュウ6号役の長濱慎さんが出演。

 キョウリュウジャーからは、桐生ダイゴ/キョウリュウレッド役で竜星涼さん、イアン・ヨークランド/キョウリュウブラック役で斉藤秀翼さん、有働ノブハル/キョウリュウブルー役で金城大和さん、立風館ソウジ/キョウリュウグリーン役で塩野瑛久さん、アミィ結月/キョウリュウピンク役で今野鮎莉さん、空蝉丸/キョウリュウゴールド役で丸山敦史さんが登場している。

 なお、飯豊まりえさんはキョウリュウバイオレットの声のみで、トッキュウジャーの次回作「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(2015~16年)のキャストも“声の出演”にとどまっている。

 ◇活躍が続く志尊淳に竜星涼 塩野瑛久は昨年一気にブレーク

 各人に目を向けると、志尊さんは、2018年にNHKのドラマ「女子的生活」で女子として生活を送るトランスジェンダーの主人公・小川みき、連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」で、ゲイの美青年・藤堂誠(通称・ボクテ)といった難役に挑戦すると、翌年の「2019年 エランドール賞」で新人賞を受賞。以降は映像界に欠かせない俳優の一人に。

 うれしいことに昨年は「爆上戦隊ブンブンジャー」の第32話にサプライズ出演。トッキュウジャーとのコラボ回となった同話で、約10年ぶりにライトを演じた。現在は、連続ドラマ「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」(フジテレビ系、木曜午後10時)に出演している。

 もう一人の“レッド”、竜星さんも志尊さん同様に近年、第一線での活躍が続いている印象だ。朝ドラにも、2017年度前期の「ひよっこ」、2022年度前期の「ちむどんどん」と、すでに2作出演。「ちむどんどん」では、何かとお騒がせなヒロインの兄の“ニーニー”として、良くも悪くも注目を集めた。

 一方で昨年、大きな話題となった「光る君へ」で大河ドラマ初出演を果たすと、永山絢斗さんの“代役”とは思えないほど、藤原隆家として存在感を発揮。視聴者からは「隆家が竜星涼でよかった」との声も多数聞かれた。

 そんな竜星さん以上に「光る君へ」での演技が話題になったのが、キョウリュウジャーの“グリーン”こと塩野さんだ。

 複雑な人間関係や政争に巻き込まれながら、愛情深く、かつ人間くさい一条天皇として、苦悩する姿さえも美しく、ここで一気にブレーク。連続ドラマ「無能の鷹」(テレビ朝日系)の“ヘタレサラリーマン”役を経て、今年1月期は、テレビ東京の深夜ドラマ「五十嵐夫妻は偽装他人」(水曜深夜0時半)に新川優愛さんとダブル主演し、ラブコメに挑んでいる。

 ◇“まいんちゃん”の面影を存分に残す福原遥も出演

 いわゆる“戦隊ヒーロー”以外で、忘れてはならないキャストが福原遥さん。2014年7月公開の「烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS」に続く、レディ役での出演。NHKの子供向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の主人公“まいんちゃん”の面影を存分に残すころだった。

 その後、人気アニメ「プリキュア」シリーズの第14弾「キラキラ☆プリキュアアラモード(プリアラ)」(ABC・テレビ朝日系、2017~18年)の声優、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系、2019年)のようなメッセージ性の強いドラマへの起用などを経て、俳優として大きく成長。2022年度後期の朝ドラ「舞いあがれ!」では、ヒロインという重責を担った。

 そして、横浜さんである。「烈車戦隊トッキュウジャー」での経験により、「役者としてやっていきたい」と思えたというが、“戦隊後”に待っていたのは、オーディションになかなか受からない不遇の日々。それでも2019年の連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話」(TBS系)における、“ゆりゆり”こと由利匡平役が当たると、潮目は大きく変わることに。順調にキャリアを重ねて、20代で大河ドラマの主演にまで上り詰めた。

 昨年11月公開の主演映画「正体」で、前年に続き「第49回報知映画賞」で主演男優賞に輝くなど、スクリーンでもファンを楽しませてくれている。役作りの一環で、ボクシングのプロライセンス(C級)も取得するほどの真摯な姿勢も魅力だ。その一つの原点とでもいうべき、10年前公開の「烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE」を機会があれば、ぜひ目にしてもらいたい。

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