ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
宮川大河さんのマンガが原作、テレビアニメ「多数欠」(日本テレビほか)が12月24日に最終回を迎える。同作は、2013年からマンガアプリ「GANMA!(ガンマ!)」で連載中。過酷な生き残りゲーム“多数欠”に巻き込まれた少年少女たちが、特殊能力・特権利でゲームを催す謎の存在・皇帝に立ち向かい、運命を切り開いていく姿を描いている。クライマックスを前に、嘘が得意で2クールの中心人物である王野頼音(おうの・らいおん)役の熊谷俊輝さんと、運動神経抜群のムードメーカー・一之瀬龍太(いちのせ・りゅうた)役の浦和希さんの2人に同作について聞いた。声優の先輩、後輩でもある2人が、印象に残っているシーンや共演しての感想、声優としてリスペクトできる点、使ってみたい特権利などを語った。
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熊谷さん 今までやったことないような役で、見てくれている友達からは「面白かったよ」とか「お話もめちゃくちゃ怖かったね」と言ってもらえました。
浦さん いろいろな反響がありましたが、僕も参加したクラウドファンディング版(2020年)から見てくれていた母からの反響がすごかったです。
浦さん 頼音が皇帝の柳陽翔(やなぎ・はると)に嘘をつくことで、少しずつ罪悪感が芽生えてくるところが、立体感があるというか生っぽくて。俊輝君がやるからこそ10代の子の繊細な葛藤が乗っている感じがして、僕はアフレコの時から印象に残っていました。自分だったら、ある種もっと大げさにやってしまうかもしれないなという部分も、少しずつ階段を上って作り込んでいる感じを受けました。
熊谷さん 個人的には、23話で霧島輝(きりしま・こう)と戦う頼音と入賀煉(いるが・れん)の共闘は、収録段階でも一緒に戦えてよかったなって感じていました。最強同士の戦いに入れたのもうれしいし、頼音もカッコよかったので印象深いです。あと龍太と神臣(じん・おみ)と頼音の絡みの中で、マッサージチェアでの浦さんのアドリブが面白すぎて、収録ができないくらいみんなで笑ったのを覚えています(笑)。
浦さん 一度やってから、(監督に)「もうちょっとちゃんとした感じに」と言われたのはちょっと悔しかったです(笑)。
浦さん 自分の中ではこのシーンというより全体的に、龍太はみんなを見守っている立ち位置で、最初は成田実篤(なりた・さねあつ)のことを友達として見守っている感覚ですが、逆に心配されることもあるような対等な関係値でした。第2クールから出てきた頼音は、年下で感情の整理もうまくついていなくていろんなモヤモヤを抱えているので、導いていかなきゃいけない子。そこを察知してスッとフォローに入っていく龍太は印象的でした。僕は弟がいるので、弟に接している時を思い出すかのような、そういう兄貴分的なところはカッコいいなと思いました。
熊谷さん 頼音の初登場は冒頭から嘘をつきまくっていましたが、龍太や臣との絡みだったり皇帝・陽翔との関係性もあって人間味が強いなと感じました。そういった意味では心の底から優しく、純粋な子だなと思っているので、その雰囲気をこれまでの収録で生かせていたらいいなと思います。
浦さん 大丈夫。すてきだったよ。
浦さん 熊谷さんが出演していたアニメ「遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!」を見ていて、その時にすごく良い声というか、声質の喉を持った子だなと感じて、正直めっちゃ怖くなりました(笑)。すごく耳に留まる声で、成長していったらどうなるのだろうと気になっていたので、こんなに早く共演できてびっくりしました。声変わりしたら、元々の魅力にちょっとした大人のエッセンスが混じってよりすてきになって、正直うらやましいほどでした。今回のアフレコ中も立ち方や発声の仕方を観察していました。共演できてうれしかったです!
浦さん 10代の子だからこそ出せる“みずみずしさ”、“新鮮さ”のお芝居は、真似したい部分もあるなと。それをできるだけ吸収してやろうという気持ちで見ていました。リスペクトはすごくあります。あっ……先に言うべきじゃなかった。ごめんね。俺を褒めなきゃいけない感じになっちゃったね(笑)。
熊谷さん そんなことないです(笑)。収録は緊張していましたが、緊張がほどけたのは、浦さんがたくさん話かけてくださったことが大きいです。家に帰って母に「今日また浦さんがお話してくれた!」と毎回言うぐらいうれしかったです。龍太との絡みのシーンも緊張しましたが、浦さん演じる龍太の「うぇい!」という明るい声を聞いて背中の力がスッと抜けて、リラックスして臨めました。僕もほかの役者さんをも動かすような、共鳴できる役者さんになりたいなと思いました。あと現場に入られた時のあいさつの声量の大きさは、めちゃくちゃ尊敬しています。見習わないといけないと思いました。
浦さん 別に真似しなくていいから(笑)! 最近新しく入ったマネージャーは事務所内で初めて見た声優が僕で、大声量で「おはようございます!」と事務所に入ってくるから、声優さんはみんな元気よくあいさつすると思っていたようです。でも、そんな風に普段から喉を使う人は声優の中にはあまりおらず、皆さんの抑えめな声量にびっくりしたそうです(笑)。
熊谷さん 全く似ていないです。頼音はすごく頭の切れる子ですけど、僕自身はあまりそうではないし、とにかく優秀不断なんですよね(笑)。そこに関しては正反対なのかなって。
浦さん 優しいからだろうね。優秀不断というのも、先のことが想像できて一歩を踏み出せないでいるということだから、逆に頭が巡っている証拠だと思うよ。
浦さん 運動は球技以外ならできます……(笑)。スノーボードは得意ですよ。大学生の時に友達に誘われて初めてスノボに挑戦したところ、1日目の午前中はボロボロになりながら滑っていたものの、午後から急に滑れるようになって自分でもびっくりしました。2日目に調子に乗って滑っていたら思いっきり転倒して首から落ちたのですが、幸い何の後遺症もないので、しぶとさも龍太に似ていると思います(笑)。
浦さん 龍太の「融合権」かな。一つの犠牲の上に成り立っていますが、いろいろなものを融合できるので、もう何でもできますよね。最近スカイダイビングにサッカー、スキューバダイビング、登山などをやりたい欲が強くなっていて。いろいろな人と融合して、その犠牲の上で僕という人生を歩んでいこうかな~と。俊輝君の声も狙っています。冗談です(笑)。
熊谷さん アニメを見て改めて、生徒会長・八木橋藤十郎(やぎはし・とうじゅうろう)の「誘導権」が汎用性高いなと思いました。日常生活で使ってみたいです。有効範囲が半径10キロぐらいみたいなので、学校に向かう途中致命的な忘れ物をしてしまっても取りに行けるというか、誘導して持ってこられる。汎用性が高そうなので、使ってみたいですね。
熊谷さん 最終戦がどう終わるのかも見どころだし、個人的にはやっぱり頼音と皇帝・陽翔との関係がどう変わっていくのかにも注目していただきたいです。
浦さん 走り続けてきたみんなの物語がようやく集結する感覚があるので、すっきりできる最終回だと思います。ちょっと悲しくなっていた気持ちも和らぐし、みんなを救ってくれるようなエンドだと思っています。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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