光る君へ:塩野瑛久「苦悩する時間の方が長かった」一条天皇役振り返る 「僕の俳優人生において深く心に刻まれた」とも

NHK大河ドラマ「光る君へ」第40回の場面カット 一条天皇を演じた塩野瑛久さん (C)NHK
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NHK大河ドラマ「光る君へ」第40回の場面カット 一条天皇を演じた塩野瑛久さん (C)NHK

 吉高由里子さんが主演を務めるNHK大河ドラマ光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)の第40回「君を置きて」が、10月20日に放送され、塩野瑛久さん演じる一条天皇の最期が描かれた。「同じ役を長い期間かけて演じられる作品というのはそう多いものではありません。その中でも天皇という立場に身を置く人物の半生を生きられたことは、僕の俳優人生においても深く心に刻まれたものとなりました」と明かす塩野さんが、一条天皇役を振り返った。

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 第40回では、まひろ(吉高さん)の書く物語が相変わらず宮中の話題になる中、一条天皇が体調を崩し、不穏な空気が漂い始める。

 中宮・彰子(見上愛さん)の前では、気丈に振る舞う天皇だったが、道長(柄本佑さん)の元に、占いによる不吉な予兆が報告されたことで、次期皇位を巡る公卿たちの動きが加速する。まひろが天皇の容態を心配する彰子に付き添っていると、道長がやってくる。

 そこで彰子は、道長に対して感情をあらわにし……と展開した。

 敦康親王(片岡千之助さん)が東宮になることを願うも、それもかなわず、居貞親王(のちの三条天皇、木村達成さん)に譲位することを伝えた後、彰子の前で辞世の歌を詠んだ翌日に崩御した一条天皇。

 役を演じ終えた塩野さんは「定子の前で笛を奏で、共に雪を眺めて笑い合っていた華やかな日々は思ったよりもあっという間に過ぎてしまい、それからは眉間に皺を寄せ苦悩する時間の方が長かったように思います」と明かす。

 また「帝という立場にあるにも関わらず、政をはじめ思い通りにならないことばかりで最後は悔しささえ覚えました」と一条天皇の気持ちを代弁しつつ、「そんな一条を心から慕ってくれた彰子、そして一条の愛を一身に受け止めてくれた定子には感謝の気持ちでいっぱいです。定子や彰子、そして母上とのつながりの中で徐々に成長していく様を感じていただけたなら、それは一緒にお芝居を組み立ててくれたキャスト、スタッフ皆さんのおかげだと思っています。本当にありがとうございました」と感謝の言葉。

 さらには「自分の笛の音を劇中で使っていただけたとき、芸能考証・指導の友吉鶴心さん、雅楽指導の稲葉明徳さんがとても喜んでくださったときはすごくうれしかったです。とても丁寧に優しく教えてくださったおかげだと思っています」と話し、「そして彰子に会いに藤壺に渡る一条天皇のシーンで雪の演出を加えてくださった中泉監督のおかげで定子に対する想いに、より解像度が上がり印象的なシーンになったことも思い出深いです」と感慨に浸った。

 塩野さんは今回が大河ドラマ初出演で、改めて「『続けてきてよかった』と、今まで積み上げてきたものを肯定してあげられる機会になりました」と思いを口にしていた。

 「光る君へ」は63作目の大河ドラマ。平安時代中期の貴族社会が舞台で、のちに世界最古の女性による小説といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公となる。脚本を、2006年の「功名が辻」以来、2度目の大河ドラマ執筆となる大石静さんが手掛け、きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を映し出す。

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