平川大輔×悠木碧:アニメ「妻、小学生になる。」インタビュー(1) 生々しさ 心が痛くなるせりふ

「妻、小学生になる。」に出演する悠木碧さん(左)と平川大輔さん
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「妻、小学生になる。」に出演する悠木碧さん(左)と平川大輔さん

 実写ドラマ化もされた村田椰融さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「妻、小学生になる。」が10月6日からTOKYO MXほかで放送される。愛する妻・新島貴恵を10年前に亡くした夫・圭介の前に、妻の生まれ変わりを名乗る10歳の小学生・白石万理華が現れる……というストーリー。廃人のような生活を送っていた夫と娘が、小学生になった妻のおかげで、生きる喜びを取り戻していく。平川大輔さんが夫の圭介、悠木碧さんが妻の貴恵、万理華をそれぞれ演じる。平川さん、悠木さんに同作への思いを聞いた。

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 ◇全てのキャラクターの人生を感じる

 --作品の印象は?

 悠木さん 人間が人間以上に人間として描かれていると言いますか、全てのキャラクターの人生を感じさせる厚みのようなものに、感動しました。ほかの人の生活を知る機会はなかなかありませんが、普段すれ違っている人たちにもそれぞれストーリーがあるんだろう……と改めて感じました、考えさせられる作品です。

 平川さん そうですよね。ある程度の過去、幼少期が語られているキャラクターもいますが、それ以外のキャラクターの生き方も見えてくるんですよね。描かれていない部分まで勝手に想像が働く。多分それが間違ってはいないんだろうと思わせるような生々しさがあって、そこがすごいと思ったのが第一印象です。

 --平川さんはキャスト発表の際に「いろいろなキャラクターに感情移入しながらページをめくり、一気に最終話まで読み切っていました」ともコメントされていました。

 平川さん 夫婦と娘の話がメインになっていますが、圭介だけに集中して読んでいたわけではなくて、それぞれのキャラクターに厚みがあるので、シーンによって、この人のここが分かる……と気持ちに寄り添って、泣いていました。

 --平川さんが演じる圭介は見た目も派手ではありませんし、普通のおじさんです。演じる中で意識したことは?

 平川さん 最初は、気持ちが死んでいる、心が沈んでる人であることを考えていました。妻を亡くした喪失感、絶望感、心に穴が開いている部分を表現しようとしていました。万理華と出会うことで、彼が本来持っていたものを取り戻していきますし、そこを感じていただくために、最初は、落ちるところまで落とそうと……。娘の麻衣を演じる野村麻衣子さんのお芝居を聞いて、僕の心が痛くなるところもありました。圭介は、娘のことに気付く余裕がないけど、後から分かることがあります。僕はそれを知っていますが、その気持ちを出してはいけないので、麻衣の言葉の一つ一つに心が痛くなったんです。

 ◇貴恵、万理華をどう演じるのか?

 --悠木さんは、妻の貴恵、小学生の万理華をどのように演じようとした?

 悠木さん 形状は変化しているけど、魂は一緒なわけですし、そんな特殊なことをしているつもりではないんですけどね。

 --でも、難役なのでは?

 悠木さん アニメの画(え)と台本でやりたいことがはっきりしていましたし、そこをつなぐ接着剤となろうと試行錯誤していました。でも結局は、周りの人たちの芝居に導いてもらったというのが実感です。皆さんのおかげ例えば、万理華が母と対峙(たいじ)している時は、貴恵なのか? 万理華なのか?とバランスが難しいところもありましたが、母役の(小島)幸子さんに助けられ、できたなぁと感じています。あとは、メンタル面の変化のグラデーションが難しかったのですが、すごく楽しかったです。

 --貴恵は太陽のような存在です。

 悠木さん 貴恵に感情移入しすぎて、自分の視点でウエットに捉えてしまうところもありましたが、貴恵は私よりもドライなところがあります。みんなに対して理由なく親切なんだけど、本人は別に親切にしようと思っているわけではなく、そういう人なんです。すごい人なんです。演じて、この人のすごさを改めて実感しました。演じる中で貴恵のことがより好きになりました。太陽ですね。

 インタビュー(2)に続く。

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