海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
4~5月にNHKの「夜ドラ」枠(総合、月~木曜10時45分)で放送された「VRおじさんの初恋」で、ツインテール女子高生を演じ、注目を集めた倉沢杏菜さん。7月期は、人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さん主演の連続ドラマ「ビリオン×スクール」(フジテレビ系、金曜午後9時)に、“スクールカースト1軍女子”の松下リナ役で出演している。承認欲求の強いリナを通じて、感じたこととは? 倉沢さんに話を聞いた。
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倉沢さんは2005年03月18日生まれの19歳。2021~22年にかけて現在の所属事務所が開催していた役者オーディション「レプロエンタテインメント30周年企画『主役オーディション』」がきっかけで芸能界入りし、夜ドラ「VRおじさんの初恋」では、主人公・遠藤直樹(野間口徹さん)が操作するアバターで、直樹のVR世界での姿・ナオキに扮(ふん)した。
現在出演中の「ビリオン×スクール」は、ビリオネア(億万長者)で発明家の主人公・加賀美零(山田さん)が、秘書兼ボディーガードの芹沢一花(木南晴夏さん)とともに、身分を隠して高校教師となり、生徒たちと成長していく学園コメディーだ。
倉沢さん自身は、ゼロ組の生徒の一人・リナについて「1軍にいることをステータスとした承認欲求強めの女の子」と位置づけて演じている。
「基本的に“楽しい”を軸に動いている子で、その場にいることで、自分が満たされようとしている。『きっといるよね、こういう子』というのはすごく感じていいます。実は寂しがり屋で、誰かに認めてほしいんだけど、そんな自分は『決してかわいそうじゃない』と思いながら生きているリナは、見てくださる方にも共感してもらえる役なんじゃないかなと思っています」
普段の自分と比べ「意外と身近な子」とも感じている。
「私も小さい頃から両親に『すごいね』と言ってもらったり、周りの人に喜んでもらえることをしたり、そういうことに幸せをおぼえるタイプだったので、リナと似ている部分はあると思います。方向性こそ違いますけど、きっとリナも、素直に周りの人に喜んでもらいたくて、ほめてもらいたくて、というのが行動の軸にあるので、きっと誰でも『気持ちは分かる』となる役でもあるのかなって」
リナにスポットが当たった第5話は「承認欲求」が大きなテーマに。「承認欲求ってみんなあるものだと私は思っていて。リナを役作りしていく上で、『確かにそうだよな』と思うことも多かったです」と話す。
「よかれと思ってやったことがよくない方向に進んでしまうこともありますけど、さまざまな行動の原動力になるのが承認欲求なのかなって。もしかしたら基本的に世の中はそれが中心で動いているのかもと思ったりもしました。劇中でリナが芹沢先生から、誰に認めてほしいかを見失わなければ承認欲求というものはすごく大きな力になるから、と言ってもらえたときは、自分自身もハッとさせられたというか。今の時代、何を目的でやっているのかを見失ってしまうことってすごく多いと思うので、そこで腑(ふ)に落ちたというか、学びもあって、認めてもらえることに対する安心感も、役を通じて感じることができました」
「VRおじさんの初恋」に今回の「ビリオン×スクール」と、役者として一つずつ経験を積み重ねている段階の倉沢さん。現役大学生としての顔も持ち、「基本的にハッピーなものが好き」とも明かす。
「性格的には明るくて、『いつもニコニコしてるね』と言われます。基本的にハッピーなものが好きなので、見てくださる方が少しでも明るくなるきっかけ、幸せだなって感じられるきっかけになれたらうれしいです」
コロコロと変わる豊かな表情も魅力の一つ。
「よく言っていただけるのは、表情がうるさい方だと(笑い)。それは人に言われて気づいたことなのですが、このお仕事をしていく中ではすごく武器になる、と言っていただけることも多いので、チャームポイントと言えるのかもしれません。あとは両親ゆずりのぶ厚めの唇。小学生の頃は女の子らしい薄めの唇に憧れていたのですが、自分でメークするようになったり、このお仕事を始めるようになってからは自分でもチャームポイントだと思えるようになりました」
顔立ちは、どこか古風ないわゆる“昭和顔”。朝ドラ(NHKの連続テレビ小説)が似合いそうな雰囲気もある。
「ありがたいことにそのように言っていただくことも多くて。特に朝ドラは、朝見て、その日、1日頑張ろうってなれる明るいイメージがあるので、私が目指していきたいところと重なるなって。いつか朝ドラに出演することができて、見てくださる方に元気や明るさを届けられたら最高に幸せだなと思っています」