はたらく細胞!!
01「たんこぶ」
12月13日(金)放送分
インタビュー(1)の続き 2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された人気テレビアニメ「モノノ怪」の約17年ぶりの新作となる劇場版「劇場版モノノ怪 唐傘」が、7月26日に公開された。「モノノ怪」は、2006年にノイタミナで放送された「怪 ~ayakashi~」の一編「化猫」のスタッフが再集結して制作。薬売りの男がモノノ怪に立ち向かう怪異譚(たん)で、スタイリッシュなキャラクターデザイン、和紙のテクスチャーなどCG処理を組み合わせた斬新な映像が話題となった。新作の舞台は情念渦巻く“女の園”大奥。メインキャラクターである大奥の新人女中のアサとカメを演じた声優の黒沢ともよさん、悠木碧さんに作品の魅力、お互いの声優としての印象について聞いた。
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悠木さん すごいバケモノがいたなって(笑い)。
黒沢さん この大奥には、すごいバケモノがいましたね。今回、大奥がモチーフということで、いろいろな文献を調べてみてたんですけど、間取りや決まり事も含めて、うまくできているなと思いました。大奥では、天子様に選ばれるために女性たちが集っているわけですけど、本来、大奥に入ること自体に結構お金がかかるということも知って、いろいろ意味合いもあるし、すごくよくできたシステムなんだなと、勉強になりました。
悠木さん 人間をシステムにしている感じがすごくあるなと思いました。しかも、それをこの作品ではすごく強調している。人間をシステムにすることは怖いことだよね、そこでは絶対人はゆがむよね、ということが描かれていて。それこそ大奥の情報だけが残っていて、みんなが「ここで生きていた人はとてもつらかったであろう」と思うから、ドラマにも映画にも、アニメーションにもなっているんですよね。あと、新作の舞台が大奥ということが発表された時に、ファンの皆さんは「モノノ怪」と大奥の相性の良さにピンと来てくれたと思うんです。
黒沢さん モノノ怪しかいないよね、と。
悠木さん これまで触れずにいた、とっておきの舞台というか。私としては、この作品をきっかけに大奥のイメージが変わったというよりは、「モノノ怪」的大奥の解釈を見られてよかったというのが大きいかもしれないです。これが見たかった、という。全編を通して「こんなことがあり得るなら怖い」と、なぜか共感できる怖さをずっとはらんでいるし、それが淡々と仕事をこなせるアサの視点で行われていくのもまた絶妙なんですよね。
黒沢さん 印象と言っても、大先輩すぎて……。ずっと先を走ってらっしゃるし、苦戦しているところを見たことがない。
悠木さん いやいや、全然あるよ(笑い)。
黒沢さん いつもお会いして話をする度に「どんな生活をしているんですか?」と、しょっちゅう聞いている気がするんですよ。
悠木さん たしかに聞かれるかも。
黒沢さん でも、全然ヒントがなくて。「どんな時間の使い方したらそうなれるんですか?」みたいな。
悠木さん ともよちゃんは、めっちゃ本を読んだりして勉強して、積み重ねをすごくしている人だから、後輩感がそんなにないというか。
黒沢さん 怖っ(笑い)。
悠木さん でもさ、私たち、同じ国からやってきた感じがしない?
黒沢さん 同じ国からやってきました!? 子役上がりだから?
悠木さん そうかも、その同じ匂いかも。それこそ、私にとって早見(沙織)ちゃんとか、寿(美菜子)ちゃんは、違う国からやってきた仲の良い人なのよ。だけど、ともよちゃんは同じ国からやってきた人の感じがする。
黒沢さん だから、直属の先輩っていう感じがすごくあるんですね。先を走ってる人、追いかけていく人みたいな。ただ、あお様(悠木さん)の走っている道って、上から見たら1本の道なんだけど、その中に階層があって、それを行き来しながら前に進んでいっている感じがして。例えば、きょうは声優としてここにいるけど、そうじゃない側面でも、同じスピードで前に進んでいっているのが、どういう馬力でそうなっているんですか?みたいな。だから、あお様にお会いする度に「原動力はどこにあるんですか?」みたいなことを考えるんです。
悠木さん いやぁ、どうなんだろうね。でも、そうやって見てもらえているんだったら、ちょっと格好よさそうでいいなと思った(笑い)。ありがとう。
黒沢さん 格好いいです! 本当に。
悠木さん 私は「頭の中を開けて見てみたい」みたいなことをよく言われるんだけど、その“頭の中”をかなり明確に言語化してくれたのが、今のともよちゃんの話だった。その言語化の能力の高さが、イコール芝居の技量につながっていて。だから、IQ高いんだなって。
黒沢さん 今、上げてくれた後、最後に捨てられた感じが……(笑い)。
悠木さん いやいや、大事じゃないですか。それこそ、うちらは子供の頃から大奥みたいなところで生きてきているから(笑い)。
黒沢さん そうなんですよね。ちなみに、大人になっていく中で変わったことってありますか? それとも変わらないですか?
悠木さん どうなんだろう。でも、変わらない部分は、褒められたらうれしいし、褒められないと頑張れない(笑い)。それは、子役あるあるじゃない? それだけを褒美に生きているもん。ずっと褒められたい。逆に言うと、叱られると少しも頑張れない。でも、怒ると頑張る。
黒沢さん 叱られて怒る、にはならないんですか?
悠木さん へこむ。褒められると思って頑張ったのにな……ってなっちゃう。へこむと、やる気なくなっちゃう。
黒沢さん やる気がなくなるような時もあるんですか?
悠木さん あるある。
黒沢さん でも、この仕事って毎日新しい台本が来るじゃないですか? へこんでられなくないですか?
悠木さん けど、次の現場では褒めてもらえるかもしれないじゃん。
黒沢さん そこで、切り替わるんだ!
悠木さん そうそう(笑い)。ここで褒めてもらえなかったら、別のところで褒めてもらおうって思うかも(笑い)。えっ! ともよちゃんは違うの? みんなそうだと思ってた。
黒沢さん 業界の中にいても、ずっと変わらず濃度が濃くなっていく方と、どんどん変わっていく方といると思うんですけど、私は比較的どんどん変わっていく人間なんじゃないかと思っていて。自分がキャラクタライズされていないというか。ある世代の自分と別の世代の自分が別人並みに変わっていっちゃっている。今は、割と一般的で、一つの作品に取り組むにはカロリーが必要だよねっていう段階にいます。だから、パッパッと切り替えていくというよりは、演じる時は、自分で自分をだましていくみたいな。だまして、酔わせていくみたいな感じで、半分酩酊(めいてい)した状態でやっている。
悠木さん トランス状態で?
黒沢さん そうですね。それで、ふと正気に戻ると、本(台本)が読めるんです。
悠木さん へー!
黒沢さん そうじゃないと、冷静に読めなくて。作品の世界に入っている状態と正気とを行ったり来たりするのに、こんなに時間が必要なんだということを徐々に感じていて。それを(悠木さんは)ウワーッ!て転がっていってるのが、本当にすごいっていうか。
悠木さん 台本の向き合い方で言うと、私は(監督の)「何が欲しいか?」しか見てないから。
黒沢さん へー!
悠木さん 自分の中で「こういうことをやりたい」はもちろんあるんだけど、それが「何が欲しいか?」にそぐわなかったら簡単に捨てる人なの。そういうところがあるから、作品の世界に入るというよりは、ヒアリングしてしっかりやるみたいな。取り組み方が違うね。面白いなぁ。
黒沢さん 違いますね。面白いです!
悠木さん これまでさまざまな作品で幾度となく表現されてきた唐傘おばけですが、この作品の唐傘が一番怖いです。唐傘は可愛いお化けとして描かれることが多かったですが、この作品の唐傘はめっちゃ怖い。「モノノ怪」は、絵が明るいホラーなので、余計に怖いんですよね。“明るい怖さ”があります。
黒沢さん 薬売りさんは、モノノ怪の「形」「真」「理」がそろって退魔の剣を抜くことができるんですけど、それが大奥の女性たちの状況に名前を付けていく作業のようで、一つ一つを見つけていって、言語化していくのが面白いなと思いました。
悠木さん それだけ日本の文化が「大事なことを口にしない」というふうに進化しているんだなと感じました。だから、名前が付けられていけばいくほど、ゆがんでいることが分かっていくんですよね。作品の仕組みとして、すごいなと。
「モノノ怪」の待望の新作「劇場版モノノ怪 唐傘」。唯一無二の映像表現はさることながら、薬売り役の神谷浩史さん、黒沢さん、悠木さんら声優陣の演技にも圧倒されるに違いない。
黒沢ともよ×悠木碧 対談(1)はこちら
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