ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
1980~90年代に人気を博した「らんま1/2」「魔法騎士レイアース」「魔法少女シリーズ」が再びアニメ化されることが発表され話題を呼んでいる。往年の名作の“リブート”に対して、喜ぶ声とともにコンプライアンスなどの観点から心配する意見もあるようだ。アニメコラムニストの小新井涼さんが、現在の状況を解説する。
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不朽の名作「らんま1/2」「魔法騎士レイアース」、ぴえろの「魔法少女シリーズ」の新作アニメ制作が続々と発表され、「本当に令和のラインナップ!?」と話題になっています。
ご存知「うる星やつら」や「THE FIRST SLAM DUNK」をはじめ、長年の人気タイトルの新作アニメ化自体はもはや珍しくはありません。しかし最近の新作発表には、リブートに慣れてきた令和の今だからこその人々の期待や心配といった、新たな反応も生まれてきているようです。一体そこには、どんな反応が含まれているのでしょうか。
さまざまな作品で新作アニメが作られ、名作のリブートにもすっかり慣れてきた昨今、人々の反応も「まさかの!」という驚きから「次はこの作品か!楽しみ!」といった期待に移り変わってきています。
そうした中には、名作の魅力が新たな世代に伝わり、改めて作品が盛り上がることへの期待の声も含まれているようです。実際に、リブートをきっかけに従来のファンだけでなく新たにファンが生まれることで、それこそ「本当に令和!?」と驚くほど、さまざまな面でジャンルが巨大化するのを、上記「THE FIRST SLAM DUNK」などで目の当たりにしてきた結果でもあるのでしょう。
また、そうして新作アニメ化への期待が高まるにつれて、当初は心配されがちであったキャスト変更の有無に関しても、最近は前向きな見方が増えてきているようです。もちろん元々のキャストがそのまま演じてくれるならそれもうれしいし、そうでなくても、作品を新たな形で楽しめるキャスト変更も、それはそれで楽しみというような声も散見されます。こうした変化も、人気作ゆえの高いハードルを超えて、“今の時代ならこのキャラを誰が演じるのか”という人々の期待に見事応えた「うる星やつら」の好評などもあってのことなのでしょう。
しかしこうして、さまざまな作品の盛り上がりを経て人々の名作リブートへの期待が高まる一方で、これまでになかった新たな心配の声もみられるようになってきました。それは、昭和や平成に生まれた作品達に含まれる、当時のままでは“令和のコンプライアンス”に引っかかってしまうのではないかという描写への心配です。
例えば今回「らんま1/2」に関しては、特に八宝斎周りのセンシティブな表現に規制がかかるのではないかという声が多いようでした。これも懐かしの名作のリブートが増えてきた一方で、令和の現実世界において、当時と異なる価値判断基準が生まれてきているが故の、新しい反応なのでしょう。
確かに当時は描かれていたセンシティブな描写がある程度マイルドに描かれたり、カットされたりといった、今の時代に合わせた多少の改変はあるかもしれません。実際に上記コンプラ以外の項目でも、令和に違和感のない翻案ということで、新作アニメの設定によってはさまざまな変更が生じ得るのではないかといった予想が飛び交っています。例えば、「魔法騎士レイアース」の新作発表では、作中のキースポットである東京タワーが「令和版ではスカイツリーになったりするのかな」といった声も生まれていました。
中には心配になる描写もあるかもしれませんが、それらに対する多少の改変も含めて、数々の名作がどのように令和版に落とし込まれるのか、最近はそうした予想も込みで新作アニメを楽しみにする声がますます大きくなってきているようです。
直近では今月17日に、早速「らんま1/2」の新作アニメで詳細発表が行われて話題を集めました。放送開始まで、引き続き見逃せない展開が続いていきそうです。
こあらい・りょう=KDエンタテインメント所属、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約10年前から継続しつつ、学術的な観点からもアニメについて考察・研究し、大学や専門学校の教壇にも立つ。アニメコラムの連載をする傍ら、番組コメンテーターやアニメ情報の監修で番組制作にも参加している。
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