「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「【推しの子】」の第2期が7月3日からTOKYO MX、BS11ほか35局で放送される。第2期は、アクアや有馬かな、黒川あかねらが2.5次元舞台「東京ブレイド」で共演し、新キャラクターとして劇団ララライの看板役者・姫川大輝らが登場する。姫川の声優を務める内山昂輝さんに、収録の裏側を聞いた。
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「【推しの子】」は、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の赤坂アカさんと「クズの本懐」などの横槍メンゴさんの豪華タッグが原作を手がける人気マンガで、「週刊ヤングジャンプ」で2020年4月に連載をスタートした。突然の死を遂げた天才アイドル・アイがのこした双子の兄妹の物語が描かれる。双子の妹・ルビーは母に憧れ芸能界に入り、兄・アクアはアイ殺害の協力者であろう実の父親への復讐(ふくしゅう)を誓う。
第2期からの出演となった内山さんは「【推しの子】」の魅力を「いろいろな物語が展開され、その中でもアイドルや芸能界、リアリティーショーなど現代でのエンターテインメントの裏側を垣間見るような話になっていて、興味深く読めました。横軸も面白いし、アイの殺人事件をめぐる謎という縦軸もあって、先が気になります」と語る。
内山さんが演じる姫川は、高い演技力を誇り、「東京ブレイド」では主人公・ブレイドを演じる。
「演技のうまい役者というキャラクターなので、プレッシャーを感じました。ドラマなどでも活躍し、劇団の看板が、2.5次元舞台に挑み、どう表現するのか? 難しいところです。2.5次元の舞台のけいこ、本番の様子も描かれるので、姫川を演じ、さらに姫川が演じるブレイドを演じ……と考え出すときりがないところもあります。どう違いを見せていくのか? 原作を読んだ際も複雑な作品だと思っていましたが、アフレコが始まると改めて、本当に入り組んだ構造の作品だと感じています」
内山さんが姫川を演じ、姫川が演じるブレイドを演じる……というのは確かに複雑だ。しかも、2.5次元舞台というのが、さらに複雑である。
「僕は子役として映像の仕事もしていましたが、プロとして商業演劇で芝居をした経験がないので、昔の経験を生かすことはできません。収録にあたり、2.5次元の舞台の動画を見ました。けいこ風景も公開されているものもあったので、何本も見て、発声などを中心に観察して、アニメに落とし込むならどうするのか?と考えました。今のアニメーションは、声量をかなり抑えた表現もありになっていますが、小さくしすぎると、マイクがあるかどうかも関係してくると思いますが、舞台では観客に届きにくいと感じました。なので、2.5次元のシーンは、普段の自分の演技よりも少し表現を大きくすることを意識しました。2.5次元の表現はアニメとは違いますし、日常の姫川との違いも出したかったので、その感触が残っているとうれしいです」
「【推しの子】」の第1期は、動画工房による繊細な映像表現も話題になった。アニメで2.5次元舞台をどのように表現するかも注目され、内山さんは「声だけじゃなくて、アニメーターの皆さんが描く俳優さんの動き、所作、表情など総合的な表現が重要になってくるので、自分は声でできることをやっていこうとしました」と語る。
内山さんが演じる姫川は、卓越した演技力も魅力のキャラクターで、そこがまた難しいところだ。
「演技がうまいことを表現するのは、なかなか難しいです。そもそも演技がうまいとは?とも考えてしまいますし……。自分が普段仕事をしていても、答えのないものだと思っていますし、それに対して正解を出そうとは思わなかったのですが、普段の姫川と、役に入った時とで違いがあるという描写があるので、そこのギャップを出せば効果的になるかな?と思いました。演技モードに入った時、切り替えるところなどを意識しています。普段はいわゆるローテンションなので、役者然としたハキハキした感じというよりは、ボソボソしゃべるように心掛けています」
「【推しの子】」はキャラクターの感情を丁寧に描いた作品だ。内山さんは収録について「熱気があります」と語る。
「じっくり丁寧に収録していて、作品をよりよいものにするため、いろいろ試しながら、みんなが同じ方向を向いてやっています。エピソードによってはキャラクター数が多く、キャストも多く、2.5次元の舞台のシーンでは、キャラクターがキャラクターを演じて……と頭がごちゃごちゃになってしまいそうです(笑い)。やっぱり複雑です」
第2期の放送に向けて「自分の職業としても身近で興味深いテーマが描かれていますし、2.5次元がアニメーションでどう表現されるのか?と僕自身も楽しみにしています」と語る内山さん。内山さんら声優陣の高い演技力で、複雑なキャラクターをどう表現していくのかが注目される。
最後にタイトルにちなみ、内山さんの“推し”について聞いてみた。内山さんは、無茶振りにも真剣に考えてくれた。
「うーーん……。僕は、推しというものがあんまりないんですよね。K-POPなども聴きますが、曲がいいと思っても、メンバーを特別に推すことはないですし、何かのグッズを集めることもないですから。推してないんですよね。ヨーロッパのサッカーを見るのも好きですが、リーグ戦で特定のチームを応援するわけでもないですし。推しがあった方が盛り上がるんですけどね。推しを探してみます」
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