ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
羽田遼亮さんの人気ライトノベルが原作のマンガ「魔王軍最強の魔術師は人間だった」のテレビアニメが、7月3日からTOKYO MXほかで放送される。魔族として育てられた人間のアイクが人間であることを隠しながら魔王軍の中で奮闘し、魔族と人間の共生を目指す……という“成り上がり”ダークファンタジー。主人公・アイクを演じる福山潤さん、アイクにメイドとして仕えるサティを演じる立花日菜さんに収録の裏側や、キャラクター、作品の魅力を聞いた。
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福山さん オーディションを受ける時に原作を読んだのですが、「タイトルの通りだな」「直球だな」と。どんな伏線があるのか?とか、自分が演じる上で何が必要か?などを気にせずに読み進めていくと、自分たちがこれまで触れてきたファンタジーの世界、異世界モノのリテラシーがあるだけでも十分楽しめる作品だと感じました。小難しいことというよりも、人間関係の見せ方によって理解できる作品だなと。もちろんライトなだけじゃなく、掘り下げていくこともできる要素もたくさんあり、大変盛りだくさんです。ただ、主眼である「魔王軍の中でどうやって人間とバレずに、人間と魔族の共存を目指していくのか」というところはぶれず、読みやすい作品だなという印象を受けました。
立花さん 私もオーディションの時にコミックスを読んで、ストーリー的に難しい部分もあったのですが、入りやすいようにうまく説明してくれていたり、読み進めていくと、アイク様が全部しゃべってくれていたり、分からないながらも楽しめました。あとはすごくギャグも多くて、ほっこりしたり、笑えたり、クスッとできたりするシーンがたくさんあります。私が演じるサティはすごくアホな子でして、サティのほかにも、可愛いけどあざといリリスというサキュバスのキャラクターもいて、ハーレムモノの要素もあるのかなと。みんなアイク様のことを認めていたり、好きだったりして、これからどう展開していくんだろう?と、楽しみになる作品だと思いました。
福山さん アイクは、つかみどころが全然ないんですよね。アイクは普段、人間とバレないように仮面を着けていますが、素顔は中肉中背の青年で、表情も明るいでも暗いでもなく、どうとでも取れる顔をよくしている。むしろ仮面をかぶっているほうが、目で語る分、表情が出ているんですよね。周りにいるキャラクターとのコミュニケーションから人物像が分かっていくような感じなのかなと。特徴的な言葉も実はそんなにないので、つかみどころがないはずの人が仮面をかぶって魔術師として魔王軍の中にいることによって、より個性を獲得するというような感じなのかなと受け止めましたね。
立花さん サティは、コミカライズ読んだ時の印象より、アニメのほうがより“アホみ”が強くて(笑い)。もちろん原作のちょっと大人びたサティにも、可愛らしいところや、無知な感じがあるんですけど、アニメではより抜けているところが強調されているかなと。あと、サティは、めちゃくちゃ素直なんですよね。アイク様を真っすぐお慕いしているというか、下心なしに信じているというか。そういうところがすごく可愛らしくてけなげだなと思います。そうかと思えば、見た目がブタのキャラクターのジロンを「不細工」と言うこともできちゃうような、魂の強いところもあるので、そこもまた可愛いなと思います。
福山さん 僕は、何を考えているか分からない、何を狙っているか分からないとは言われますね(笑い)。アイクの場合は、表情が表に出ないけど、僕は表情を出しまくることによって逆に「何を考えているか分からない」と感じられることが多いですね。どこまで本気でやってんの?という。
立花さん たしかに……(笑い)。
福山さん ずっと現場でうるさかったですからね(笑い)。
立花さん でも、皆さんの士気を高めるために、座長としてというか、すごくちゃんと振る舞ってくださっているなと、心強く感じていました。
福山さん いいように解釈してくれていますね(笑い)。
立花さん いやいや……! すごく頼もしい座長でした。軍をまとめる指揮官として、視野を広く持ってという面では、すごくアイクと似ているなと思います。
立花さん サティは、料理もできますし、意外と生活力があるんですよね。私はあまり料理ができないタイプで、お仕えするのが得意じゃないほうだと思うので、サティはすごいなって。ただ、サティは無知なところがあるので、よく質問をするんですよ。私もあまりよく分からずに人生を生きているところがあるので(笑い)。
福山さん ツッコミようがない感じですね(笑い)。
立花さん そういうところはもしかしたら似ているかもしれません。あと、私もたまにあんまり話を聞いていない時があるので、そこも似ているかもしれないです(笑い)。
福山さん いやぁ、楽しかったですね。
立花さん ほかの作品で名前をよくお見かけしていた先輩方がたくさん現場には来てくださったんですけど、とにかく皆さん楽しそうで!
立花さん 福山さんがいろいろな方に話しかけて、和気あいあいとした空気を作ってくださっていて。私は新人として、作品と全然関係ないお話も聞いたりして、勉強になるな!と思いました。
福山さん おかしいな。勉強になるようなことは何一つなかったはず。ただの雑談ですから(笑い)。
立花さん そんなことないですよ! すごく学ばせていただきました。
福山さん ちょうど収録をやったのが、コロナ禍が収まって、収録の人数をかなり増やしていこうかというタイミングだったんです。パーテーションもほぼ取り払って。だから、立花さんは、みんなで一緒に録(と)る現場のほうがまだ少なかった時なのではないかと。
立花さん そうですね。
福山さん 僕らからすると「やっと戻った」という。若手の子たちからすると、収録でほかの人としゃべってはいけない期間が3年くらいあったわけで。それが元に戻ったから、なるべくしゃべっていこうよという。だから、エクスキューズなしで、いきなりフルスロットルでしゃべっていました(笑い)。収録では、僕がちょうど真ん中に座っていて、僕の左側がベテラン、右側が若手という状態で、僕の顔半分がうるさくて、もう半分が静かで(笑い)。ベテランって、大体がさつなので、みんなで録れると分かった瞬間にすぐ昔に戻るんですよ(笑い)。戻るのは早かったですね。
立花さん 私は、この作品の前まで、マイクワークをがっつりやったのも1作品だけだったんです。
福山さん マジで? じゃあ、今超楽しいじゃん。
立花さん はい。声優1年目くらいに一度マイクワークをやっただけで、それ以来だったので、懐かしい感じもありつつ、すごく貴重な体験をたくさんさせていただきました。
立花さん そうですね。テストはふざけていいんだって。
福山さん あの、ダメなことを教えたようです(笑い)。「テストはふざけていい」と言うと、いろいろな音響監督から僕がお叱りを受けるんですけど。ただ、この作品は許容してくれて、スタッフの方も楽しんでくれていました。
立花さん すごく楽しんでいましたね。福山さんを筆頭に、テストで台本とは全然違うこと言ったりして「え?」みたいな。それもあって、すごく楽しくやらせていただいたので、やっぱり座長ってすごいなって思いました。
福山さん ちょっと間違った認識になったかもしれないですね(笑い)。とはいえ、監督はじめスタッフの方が、みんなでやる収録をまずは楽しもうという雰囲気を作ってくれました。皆さんには「またやりやがって」と思われているとは思うのですが、ちょっと泳がせてくれてたというか。要らないところはクールに「要らないです」と言われましたが(笑い)。楽しかったですね、本当に。
インタビュー(2)に続く。
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