アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを担当したことで知られ、マンガ家などとして活躍する安彦良和さんの回顧展「描く人、安彦良和」が6月8日、兵庫県立美術館(神戸市中央区)でスタートする。幼少期から現在に至るまでの安彦さんの創作活動の軌跡をたどる回顧展で、約1400点の貴重な資料が展示される。6月7日、関係者向けに内覧会が開かれ、安彦さんは「マンガ家になりたいという子供の頃の夢を遠回りしてかなえた。幸せな人生です。遠回りしたから長い足跡ができた」と思いを語った。
ウナギノボリ
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安彦さんは「機動戦士ガンダム」などサンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)のアニメを多く手掛けてきた。「人手、お金不足が徹底していた。人がいないから何かと頼られる。お金がないから、オリジナルを考えたのがよかった。創映社(サンライズの前身)にお世話になってよかった。大事にしていただきました」と振り返った。
同展は、大まかな時代とジャンルによって分類した6つの章で構成される。「1章 北海道に生まれて」では、北海道遠軽での少年時代、全共闘時代、学生運動を振り返り、ノートに描いたマンガ「遙かなるタホ河の流れ」、同人誌「こんみゆん」などが公開される。弘前大学を除籍となり、虫プロダクションの養成所に入所し、研修生を経て、アニメーターとして活躍を始めた頃の活動を振り返る「2章 動きを描く」は「わんぱく大昔クムクム」「宇宙戦艦ヤマト」「無敵超人ザンボット3」などを取り上げる。
「3章 カリスマ・アニメーターの誕生」は「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムF91」などを紹介。アニメの監督、小説の挿絵、マンガでの活躍を概観する「4章 アニメーターとして、漫画家として」では「クラッシャージョウ」「巨神ゴーグ」「アリオン」「ヴイナス戦記」などを展示する。
「5章 歴史を描く」では、「ナムジ」「ヤマトタケル」「ジャンヌ Jeanne」「イエス JESUS」「虹色のトロツキー」「王道の狗」「天の血脈」といった歴史マンガ家としての顔を紹介する。「6章 安彦良和の現在(いま)」では、アニメ「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」以降、再びアニメに携わることになった現在を取り上げる。9月1日まで。島根県立石見美術館(島根県益田市)でも9月21日~12月2日に開催され、ほかに巡回予定。
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