ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の松本直也さんの人気マンガが原作のアニメ「怪獣8号」。怪獣を討伐する日本防衛隊の隊員で“史上最高の逸材”とも呼ばれる四ノ宮キコルを演じるのが人気声優のファイルーズあいさんだ。キコルはとにかく強いキャラクターだが、弱さもある。そこが大きな魅力になっている。
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「怪獣8号」の原作は、2021年に「次にくるマンガ大賞2021」のウェブマンガ部門の大賞に選ばれたことも話題作。怪獣が容赦なく日常を侵す“怪獣大国・日本”を舞台に、謎の幼獣に寄生され、怪獣に変身してしまった主人公・日比野カフカの活躍を描く。テレビ東京系ほかで毎週土曜午後11時に放送中で、X(旧ツイッター)でも全世界リアルタイム配信されている。
ファイルーズさんは原作を読み、隊員が着用している戦闘用のスーツのデザインに注目したという。
「防衛隊のスーツのデザインが男女で一緒なところがすごく好きです。しかも、作中でトップクラスと称されるキャラクターのミナとキコルは女性。時代に合っているという言い方はあんまり好きではありませんが、今の時代を象徴する作品だと感じました。時代がこうだからこう描くべきという考えがあまり好きではないですが、先生の中に元々ある考えが表れているような気がしていて、それが自然に描かれていると感じました。同じ女性としてミナやキコルを見ていて、すごく勇気をもらいました。それが第一印象でした」
たしかに「怪獣8号」では女性の活躍が自然に描かれている。
「強調しているわけではないんですよ。女性だから強いというわけではなく、それぞれに才能があり、努力をしていて、強さに結びついているんですよね。解放戦力(防衛隊の装備の性能を引き出しているかを数値化した指標)も面白いですよね。単純な力の勝負になると、どうしても生物学的に男性は筋肉質だから、女性は勝てないことも多いけど、解放戦力があるから努力と才能で男女関係なく、輝けるところに勇気をもらいました。カフカみたいにその年齢を重ね、もう無理だと……と思っていた人にしても可能性が見つかります。そこもすてきです。怪獣に変身していないカフカは解放戦力が低いですが、それまで培った知識とノウハウで仲間を助けるところも好きです。努力の方向性が違ったとしても必ず実るというメッセージがあり、いろいろな人に刺さる作品だと思いました。夢を追っている人にこそ読んでいただきたい作品です」
ファイルーズさんが演じるキコルは、海外の討伐大学を飛び級で卒業した“史上最高の逸材”で、日本防衛隊長官・四ノ宮功の一人娘。並外れたセンスで入隊前から小隊長レベルの強さを誇るという。ファイルーズさんは「最高ですね!」とキコルへの愛を語る。
「態度が大きくて、高飛車ですよね。人によっては、ちょっと生意気で、可愛げがないと思われるかもしれませんが、あの態度は、彼女の今まで培ってきた努力、生まれ持った才能があるからだと思います。もちろん謙虚さも持ち合わせていて、上官に対する礼儀作法もしっかりしています。努力に裏打ちされた才能があるからこそ輝いているキャラクターだと思います」
初登場時のインパクトも大きかった。カフカに対して高圧的な態度を見せるが、どこか憎めないところもある。
「視聴者の皆さんはカフカに感情移入しているはずですし、イラッとさせるのがキコルの役割と思い、ちょっと腹の立つような小生意気にしようとしましたが、嫌われすぎると、その後も色眼鏡でキコルを見てしまうかもしれません。“イヤな子”という先入観で見てもらいたくないので、ちょっと可愛げがあって、生意気ではなく“小生意気”になるように工夫しました。『少し可愛く』というディレクションをいただいたこともあり、今のキコルになったので、私一人ではできなかったことです。バトルで感情をむきだしにして叫ぶシーン、お嬢様であることが想像できないようながなりもあるので、ギャップがより鮮明になりました」
第4話ではキコルの「私は完璧でないといけないのよ!!」というせりふが印象的だった。強いだけでなく、弱さもあり、優しさも持ち合わせているキコルを象徴するせりふにも聞こえた。
「オーディションの時にもあったせりふです。これが彼女の真髄なんだなって思っています。高飛車でいることは、彼女にとって演技ではないのですが、完璧にこだわり、鬼気迫るところが彼女の本質だと思っています。彼女は、幼少期の経験から“完璧じゃないと愛されない”という悲しい勘違いをしているんですね。完璧でありたい、愛されたいと言う気持ちを奮起させるせりふなので、親に愛情を求める子供のような気持ちで演じました。強がっていても本質は子供なところもあります。それは彼女の弱さであり、強さでありもあると思いを込めました」
キコルは「弱さ」も大きな魅力になっている。
「“史上最高の逸材”で、小隊長レベルの強さなので、私がキコルと同期だったらへこみますよ。キコルと比べると、私、向いていない?って。でも、キコルだって弱い部分があって、だから共感します。弱いところも含めて好きになっていただけたらうれしいです」
主人公・カフカを演じるのは福西勝也さんだ。福西さんにとって「怪獣8号」は初主演作で、これまでもイベントなどで熱い思いを語ってきた。ファイルーズさんは、福西さんと共演する中で刺激を受けているという。
「私自身も大好きなシリーズに主人公として出演させていただいた経験があるのですが、その時の私もこんな感じだったのかな?と、福西さんを見ていると感じます。原作への愛が本物で、収録中もひしひしとその思いを感じていました。熱い気持ちで現場に臨んでいるので、私も負けてられないな!と熱くなっています。私と考え方も近く、ファッションセンスや好きなものも似ているので、すごく仲良しになりました。がっつり共演するのは初めてだったのですが、気付いたら話し込んでいます」
ファイルーズさんもまた熱い思いを持ってキコルを演じている。
「音響監督の郷(文裕貴)さんとはこれまでも一緒にお仕事をさせていただいていて、郷さんは、私が演じるキコルを想像してくださっていると思います。でも、その想像を超えたいですね。こんな引き出しあったんだ!と思っていただけるように、テンプレートのお芝居にならないように頑張っていきたいです!」
キコルは強い、弱いだけでは形容できない魅力的なキャラクターだ。今後もファイルーズさんの想像を超える演技に期待したい。
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