俳優の吉高由里子さん主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)。3月31日に放送された第13回「進むべき道」では、瀧内公美さん演じる源明子の言動にも注目が集まった。
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源明子は、藤原道長(柄本佑さん)のもう一人の妻。第13回では、二人の間に子供ができるが、それを伝える明子の顔を見て道長はこう語りかける。「こんなときでも笑顔はないのだな」と──。
明子は「ほほ笑むことすらなく生きてまいりましたゆえ、こういう顔になってしまいました。けれど道長様のお子を宿したことはうれしゅうございます」と明かした上で、道長の父・兼家(段田安則さん)のところへお見舞いに行かせてほしい、と願い出る。
明子の父・源高明は、政変で追い落とされ、無念のうちに亡くなっており、兼家に対して恨みを抱いている様子の明子。対面した兼家は、すっかり老いてしまっていて、明子に向かって「お前は誰だ?」と言ってみたり、「父上(高明)はご息災か」と聞いてみたりと、会話がおぼつかない。
明子は、薄い笑みを浮かべながら「父は太宰府に帰ったあと身まかりました」と説明するも、その言葉の意味も分からず、気の毒がる兼家。そこで明子は、兼家が手にしている扇をほめ、呪詛に使う“道具”として、その扇を譲り受けることに成功。「フフフフフ」と静かに笑い声を上げるのだった。
瀧内さんは、明子が兼家の扇を狙うシーンについて、「ある種の喜びと自分の復讐(ふくしゅう)心が増幅していく思い」がありつつ、「呪詛するという目的はありますから、その本人に対して怒り狂うような思いではなく、一種の穏やかな気持ちに、達観していくというような思いにはなりましたね、演じていて」と語る。
さらには「だからなんか必然と笑みがこぼれるといいますか、それはどうしてかは分からないんですけれども、そういうふうに演じたほうがいいだろうなとも思っていましたし、いろいろ複雑な思いはあるけれど、不思議な感覚にいけたようなシーンでもありました」と振り返った。
「光る君へ」は63作目の大河ドラマ。平安時代中期の貴族社会が舞台で、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公となる。脚本を、2006年の「功名が辻」以来、2度目の大河ドラマ執筆となる大石静さんが手掛け、きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を映し出す。
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