薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「葬送のフリーレン」。放送中の「一級魔法使い試験編」では、フリーレンやフェルンと共に一級魔法使い試験に挑む個性豊かな魔法使いの活躍が描かれている。第一次試験でフリーレンとパーティーを組んだのが、和氣あず未さんが演じるカンネ、鈴代紗弓さんが演じるラヴィーネだ。カンネとラヴィーネは、幼なじみで同じ魔法学校の出身。臆病で抜けているところがあるが、隠れた努力家で気遣いのできるカンネ、口調は荒いが面倒見のいいラヴィーネはすぐにケンカをする凸凹コンビで、和氣さんと鈴代さんの息の合った芝居が話題になっている。和氣さん、鈴代さんに収録の裏側、フリーレン役の種崎敦美さんと共演する中で感じたことなどについて聞いた。
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和氣さん 全体的に落ち着いた空気が流れていて、すごく読みやすい作品です。アニメになると、フリーレンの口調もすごく落ち着いていて、物語に入っていきやすく、すごく不思議でした。フェルンもあまり感情が表に出ないキャラクターですし、作品の世界観が美しく、集中して見ることが出来る作品だと思いました。アニメではその雰囲気がより出ていると感じていました。
鈴代さん 原作を読み、アニメも見させていただいたのですが、ヒンメルとの別れのシーンなどは、何度読んでも、何度見ても涙が止まらなくなります。日々過ごす中での時間、言葉の重みについて考えさせられる作品です。凪のような気持ちで見ていて、不思議で新しい感覚がありました。
鈴代さん 作品が盛り上がっているのも知っていたので、参加させていただけることがうれしい反面、緊張もありました。原作を読むと、ラヴィーネは特にどういうふうにしゃべるんだろう?と感じたキャラクターの一人でしたし、模索したところもあります。
和氣さん 確かに緊張はあったのですが、カンネとラヴィーネが登場するのは「一級魔法使い試験編」のスタートからですし、種さん(種崎さん)に「新キャラが多く、みんな初登場だから大丈夫だよ」と言っていただけていたんです。でも、皆さんが初登場と思えないくらい世界観が出来上がっていて、違うじゃん!と緊張しまして(笑い)。ドキドキしながら収録していました。
和氣さん カンネは可愛らしく活発にも見えるけど、実は臆病な一面もありますし、素直じゃないけど素直だったりもします。いつもはラヴィーネにツンツンしているけど、時々素直に甘えられるところもあって、可愛いです。
鈴代さん ラヴィーネは、真っすぐ愛を受けて育てられてきた素直さがある上での。真っすぐに育ち、可愛らしいところがあるんですよね。型にはまりたくないと思っているのか、口調が結構強い。でも、ふとした瞬間に正座をしていたり、姿勢が正しかったり、隠しきれない育ちのよさを感じます。上品さがあるけど、それに反発している可愛さがたまらないなと思いながら原作を読んでいました。カンネとラヴィーネはそんな素直さが似ているんですよね。2人はちゃんとお互いのことを分かりあっていると思えるシーンもあります。
和氣さん 幼なじみだけあって息もぴったりだしね。本当にいい関係です。ラヴィーネは兄弟がみんな格好よく、お母さんもキレイ! ビジュアルがいいですよね!
鈴代さん ラヴィーネの家族のお話をもっと見たいですよね。
和氣さん カンネは活発な子ですが、常にテンションマックスというわけではなく、客観的に自分たちを見ていたり、意外に大人っぽく冷静なところもあります。基本はテンションが高い子ではあるのですが、何も考えていないわけではなく、自分の弱さをちゃんと知っていて、それを隠すわけでもありません。強がらず、ラヴィーネに甘えるなど素直な一面もあります。カンネは一級魔法使いを目指しているので、強い子ではあるのですが、ぶっ飛んだキャラクターが多い中では普通の女の子だと思います。普通感を意識しています。
鈴代さん ラヴィーネは、育ちの良さを特に意識しました。ただ口調が荒いだけだと、ヤンキーみたいになってしまいますが、育った環境による品の良さは忘れてはならないなと。カンネは服装からも何かと突っ走っていきそうなルックスに反して意外と保守的ですが、逆にラヴィーネはすごく行動的です。言葉の端々から、ラヴィーネの積極的なところが見えますし、行動的であることが日常会話からでも感じられるように意識しました。
鈴代さん 普段はそういった言葉遣いをすることがないのでそういった意味では気持ちいいですね(笑い)。ただ、「だらしねえし」ではなく「だらしがねえし」、「してる」ではなく「している」と言っていたりと、荒い中でも丁寧だなと感じています。言葉遣いに関してはラヴィーネに関わらず、全体を通して丁寧だなと感じることが多かったので、「言葉」を大切にしている作品だからこそなのかなとも思っていました。
和氣さん さゆみん(鈴代さん)とは、ほかの現場で一緒になったことがありますし、すごくやりやすくて、安心感がありました。さゆみんの勢いのあるお芝居を見て、私もすごく気持ちが乗りやすくて、さゆみんだからこそ楽しくできました。
鈴代さん うれしい……! けんかのシーンにしても、段取りを決めずにできる空気感だった気がしています……! アドリブも打ち合わせをせずにやっていましたよね?
和氣さん そうなんです。
鈴代さん 安心して演じさせていただきました。ラヴィーネはどこまでテンションを上げていいのか?と迷ったところもあったのですが、あじゅさん(和氣さん)の第一声でカンネだ!となったので、自分のお芝居が固まったところもあります。
和氣さん 種さんにも「二人の第一声が可愛くてこれだ!と思った」と言っていただきました。すごくうれしかったです。
和氣さん 事前に、こうしよう!と言っていたわけではないけど、さゆみんなら大丈夫という気持ちでしたので、そのままの自分で演じることができました。信頼しているからできたことだと思います。
鈴代さん 私も自然でした。ただただ楽しかったです。
和氣さん 種さんは事務所の先輩で、すごく尊敬しています。すごくすごくすごい人なんです。尊敬する種さんと、こうやって作品でご一緒でき、しかも同じチームで掛け合いも多いということで、本当にうれしかったです。フリーレンの声を聞き、すごくフリーレンだ!となりました。淡々としたキャラクターが感情を表に出すのは難しいのですが、種さんはすごいんです。フリーレンの可愛らしさ、冷静さがありつつ、ギリギリのラインの感情の出し方が本当にすごい。一緒に収録して勉強になることがいっぱいありました。
鈴代さん 種崎さんとがっつり掛け合いをさせていただけるのは今回が初めてで、尊敬していて憧れの種崎さんと、そしてしかもあじゅさんと一緒に掛け合いをさせていただけることが、安心感しかなかったのですが、緊張もしました。掛け合うということは、自分のお芝居で相手のお芝居も変わります。そう考えると、背筋が伸びるようでした。フリーレンを演じきれるのは、種崎さん以外いるのかな?と感じていました。作品に流れる独特の時間、空気、匂いなど言葉では乗せきれない部分も表現されていて、どうやったらできるんだろう?となりましたし、いっぱい学びたいと思っていました。
鈴代さん 帰りに二人でお話をさせていただけたことがあったんです。種崎さんはすごい人なのに「不安だ」「まだまだ」とおっしゃっていて、だからこそすごいんだ!と感じました。
和氣さん 種さんのことを本当に尊敬していて、好きなんですけど、私はあんまり演技の話をしていなくて。褒めすぎると逃げちゃうんです(笑い)。最近どうですか?とかプライベートの話をしていました。
鈴代さん そうそう。「そんなそんな」って言っていますもんね。
和氣さん 種さんと一緒だと本当に安心感があります。私は、ちょっと不安だな……と思ってもあんまり言わないんですけど、種さんが「ここ、大丈夫そう?」と声を掛けてくれます。周りをすごく見てくれていて、フリーレンと種さんが重なる部分があります。
鈴代さん そうなんです! すごく周りを見てくださっているんです。俯瞰(ふかん)で見る目を持っているのかな?と思うくらいです。
和氣さん、鈴代さん、そして種崎さんには信頼感、安心感があったからこそ、抜群のコンビネーションが生まれたのだろう。一級魔法使い試験の行方はどうなるのか? カンネ、ラヴィーネのさらなる活躍に期待したい。
「葬送のフリーレン」は、山田鐘人さん原作、アベツカサさん作画のマンガで、「週刊少年サンデー」で2020年4月に連載をスタートした。魔王を倒した勇者一行の魔法使いで、エルフゆえに長寿であるフリーレンが仲間の死を経験し、“人を知るため”に旅をすることになる。アニメは、「ぼっち・ざ・ろっく!」などの斎藤圭一郎さんが監督を務め、マッドハウスが制作する。日本テレビのアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で放送中。
※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」
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