放送中の連続ドラマ「セレブ男子は手に負えません」（ABCテレビ・テレビ朝日）で主演を務めている俳優の若月佑美さん。セレブたちが暮らすシェアハウスの管理人、百瀬ひかる役を演じる。「役柄も周りの人たちに振り回される役なので、ただただ役として身を預けて生きていたら、周りが真ん中にしてくれた。濃密な時間を過ごさせていただいた」と話す若月さんに、地上波連ドラ初主演の心境やドラマの見どころなどを聞いた。

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　◇ひかる役は共通点があり「演じやすかった」

　ドラマは、スマートフォンで読むことに特化した縦スクロールのマンガ「webtoon（ウェブトゥーン）」と連動し、マンガ連載とともに物語が展開する“先読みできる新感覚ストーリー”。結婚に憧れていたが、ある事件を機に「二度と恋はしない」と誓いを立てた百瀬ひかる（若月さん）とセレブたちとの共同生活を描く。

　セレブたちが暮らすシェアハウスの管理人で、明るさと料理が取り柄のひかるの印象を、若月さんは「セレブたちの事情に足を踏み入れすぎる部分もあるけど、その理由は何か力になりたい気持ちが空回りしすぎてのこと。突っ込みすぎて怒られたり、傷つけたりするときもあるけど、人助けが好きないい子だと感じた」と話す。

　若月さん自身も「ひかるほど猪突猛進というか、思ったことをすぐに行動に移すとはいきませんが、私も基本的に人を助けていきたいし、守っていきたい考えはあります」と告白。「守ることをしていきたいとは自分もずっと考えているので、ひかるの気持ちがよくわかるし、演じていてやりやすかった部分です」と語る。

　ドラマの見どころを「監督が『お料理ドラマとして撮っています』とおっしゃっていたので料理ですかね」と語る若月さん。「料理シーンはギリギリまで練って作りましたし、今までイントネーションの音とかはもらったことはありますが、撮影前に送られてきた動画が『オマールエビのさばき方』というのは初めて（笑い）」と話し、「胸キュンを考えるのが好きで、特に男の子が女の子にした方がキュンとくるものが思いつきやすくて、今作でも私のアイデアを採用していただいたものもあります」と明かした。

　◇主演を通じ成長を実感

　今作が地上波連ドラ初主演となるが、「スケジュール面なども含め、単純に大変な位置という印象があったけど、逆に挑戦すべきだと思った」とオファーを聞いた際の心境を明かす。

　「主演というポジションの大きさより、主演＝スケジュールが大変という面もある中で、『どう役に向き合うか』『せりふの分量にどう向き合うか』など、芝居への向き合い方を考えたい時期でもあったので、主演をやってみたいと思いました」

　座長としての心構えを「以前、舞台で共演した方に『真摯（しんし）に向き合っている姿を見て、この人のために舞台を成功させなきゃと思えた』と言われて以来、言葉よりも行動で見せる人でありたいと思っている」と説明。今作を通じ「主演は、こんな中で毎日せりふを覚え、芝居をやっているのを、身をもって知ることができました。今後ご一緒していく方とも、その大変さをちゃんと共有できるというか。（自分が主演以外のときは）支えたいと改めて思った」と実感を込めて話す。

　そんな若月さんに俳優としての理想像を聞くと「いい意味で、普段の自分と一致しない人がいいなと思っています」と返ってきた。

　「私、演じている役と普段の雰囲気が一致しないと思われることが多くて。例えば明るい役をやった後に会うと『静かだね』と言われたり。改善していく点でもありますが、一番多いのが『誰かと思った』と言われること。プライベートでは見た目や存在感含めあまりにも気づかれなくて、逆に今となっては誇りはじめていますけど（笑い）。ただそれは強みにもなるかもと。地味な役も派手な役もできて（役と普段が）一致しないような俳優になっていきたいです」

　「セレブ男子は手に負えません」は、テレビ朝日で毎週土曜深夜2時半、ABCテレビで毎週日曜午後11時55分から放送中。（取材・文・撮影：遠藤政樹）