薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された甲本一さんのアブノーマル魔法ファンタジーマンガが原作のテレビアニメ「マッシュル-MASHLE-」の第2期「神覚者候補選抜試験編」が1月6日からTOKYO MXほかで放送される。魔法界を舞台に、魔法が使えない少年、マッシュ・バーンデッドが魔法学校に入学し、鍛え抜かれた筋力でトップを目指す……というストーリーで、テレビアニメ第1期が2023年4~6月に放送された。第2期の放送を前に、主人公のマッシュ・バーンデッド役の小林千晃さん、マッシュの学友のフィン・エイムズ役の川島零士さん、ランス・クラウン役の石川界人さん、ドット・バレット役の江口拓也さん、レモン・アーヴィン役の上田麗奈さんに第1期を振り返ってもらいつつ、それぞれの役者としての印象などについて聞いた。
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小林さん バトルとコメディーのバランスがほかにはない魅力と、第1期が始まる前に話していましたが、第1期でそれが詰め込まれていたと感じています。第1期の終盤になり、シリアスな要素が強めになってきて、王道少年マンガらしい部分も見えてきて、ハイブリッドといいますか、いろいろな要素が詰め込まれていました。バトルシーンの中でもちょっと笑えたりとか、シリアスだけ、コメディーだけではないすごいバランスで作られていたと思っています。
川島さん 最近、友達の家に行って「『マッシュル』をまだ見ていない……」という話になって、なんてこった!と第1話から見だしたんです。そうしたら、一気見してしまったんです。普段はあまりアニメを見ない友人でして、何の情報もない状態で、すごく笑ってくれたことがうれしかったです。アニメに詳しくない人でも入りやすい面白さがやっぱりあるんだ!と改めて感じました。
上田さん アフレコの時もすごく面白かったんですけど、放送を見たら、さらに面白く感じました。皆さんのお芝居に加えて、音楽なども合わさって、魅力が何倍にもなっているんです。でも、何が面白いのか?と言われたら、もはやよく分からない……。独特の世界観があって、理屈じゃない面白さがこの作品ならではのすてきなところなんです。マッシュ君の周りにいるキャラクターたちが、みんなちょっとずつ幸せになっていく感じもすてきです。みんなの居場所が作られていく過程を見守れて、とっても楽しかったです。
石川さん 僕はギャップに魅力を感じています。原作でもギャグとシリアスのメリハリはすごくあります。マンガは自分のテンポ感で読むけど、アニメはテンポ感に巻き込まれていくので、それによって、シリアスなシーンがより格好よく見えます。マッシュは、フワッとした感じのキャラクターなのに、ヒーローっぽいところに魅力を感じました。
江口さん やっぱり勢いですよね。収録している時も思ったのですが、マッシュはマイペースで、自分の中で確固たる時間軸で生きています。その周りがテンポ感を作りながら、進んでいくわけですけど、現場でも繊細な力加減が求められます。小林君の軸がブレずにあるからこそ、周りがトルネードのように勢いよく回り、激しく向かっていく。アニメでは、そのエネルギーをより一層強く感じています。
小林さん 第2期になり、神覚者の新キャストの方々が加わりました。魔法界でも優秀な神覚者たちということで、役者さんも先輩方が多くなってきます。その先輩たちと一緒に掛け合えることがすごく貴重な機会でした。これだけすごい皆さんと一緒に収録できることが、ただただ楽しかったです。第1期を経て、メインキャストも親睦を深め、芝居としても理解が深まっていて、やりやすさはもちろんありますし、やっぱり楽しい現場です。第1期の時よりもさらにそう思えるようになりました。
川島さん 千晃さんのトルネードがさらに強くなっています! 第2期で皆さんがさらにノッてきています。千晃さんがさらにキワキワを攻めているんです。
石川さん 第2期になって、コロナ前のことを思い出しました。1クールのアニメをやらせていただく中で、終盤になってキャスト同士が話せるようになることもあったのですが、コロナ禍になるとキャスト同士の絡みが少なくなっていました。今回は、収録の際にチーム分けはあるものの、いろいろなキャストと一緒に収録できて、第1期が終わった段階で仲よくなれました。そこから、第2期に臨めたのがよかったです。
小林さん 分散収録でも掛け合えるようにしていただいていますね。
石川さん 掛け合いの中で生まれるものもありますし、お互いのやりたいことが見えてきて、その上で提案できるようになるんです。ランスはそこまで絡まないのですが(笑い)。
江口さん 人がいっぱいで楽しかったですね。現場の空気感をマイク前で、詰め込める感じがしました。コロナ禍でキャスト同士の関わり合いが薄くなった分、たまりにたまったものがあり、「マッシュル」の現場に限らないのですが、掛け合いでぶつかることが楽しいです。空気感は「マッシュル」において重要でして、その空気感で第2期に臨めたことがすごくありがたかったです。
上田さん 私も楽しかったです。新キャラクターの皆さんの強烈なお芝居を間近で聞けて、その中でマッシュ君のトルネード感を感じていました。第1期では、マッシュ君はアクションシーンで、アドリブを強めに入れないで戦っていましたが、第2期では力んでいるところも多く見られます。より強く、個性的で刺激的な新キャラクターが出てきていることを感じて、その様子を見るのが楽しかったです。第1期は、フィン、ランス、ドット、レモンが強烈で、パンチを食らう方も多かったと思いますが、第2期では少し身近に感じるところもあって、そこもポイントになっています。
小林さん 川島君は最初、江口さんのことを怖がってたんですよ。
川島さん 最初ですよ。
江口さん 今は何で恐がってないんだよ!
川島さん 大きくて怖いと思っていたけど、大きくて可愛い先輩になって(笑い)。
江口さん それぞれギャップがありますよね。千晃君が最初はすごく真面目な人だと思っていたら、怖い。
小林さん え!?
江口さん 人間にはそれぞれパーソナルエリアみたいなものがあるけど、その境界線に入ってきて、ボディーブローを決めてくる(笑い)。新しいタイプの人類! 面白いです。作品外でもその感じを堪能させていただきました。褒めているかどうかは、読んでいる人にお任せします(笑い)。
小林さん レモンちゃんのエネルギッシュな感じは、上田さん以外に表現できないと感じています。新キャストの方々も、みんなびっくりしているし、圧倒されるんです。役とキャラクターはどこかに近い部分があると思うのですが、ここまで引き出せるということは、上田さんには絶対何かがあるはず! この説得力はおかしい!と感じています。
上田さん 界人さんは休憩時間に話していてもクレバーなんです。ディベートとかで勝てなさそうです。
石川さん 川島君は面白いよね。フィンはツッコミで、ボキャブラリーが豊富で常識人です。ほかの現場でお会いした時、ツッコミをされていたので、本人も常識人なんだろうなと思っていたら、基本的にボケ側で、自分がボケであることすら分かっていない、最強の天然です。ボケようと思っていないから一番強い。だから怖いんですよね。
小林さん 界人さんの地位をおびやかしそう?
石川さん 僕はクレバーだから(笑い)。上田さんしか言ってくれないけど。
石川さん 僕は小林君と音域が近くて、中音域で勝負するタイプの声優だと思うんですけど、その中でも小林君は繊細で緻密で、全然真似できない。マッシュは、基本的にフワッとしたキャラクターではありながら、音質をそこまで変えないで、本気で怒っている表現もできて、すごいんです。ここは声が高い、低い、大きい、小さいというわけでもない。コントロールされているけど、どうすれば、こんなに繊細な表現ができるのかが分からない。彼のお芝居から勉強させてもらっています。
江口さん マッシュがそもそも不思議で、空に浮かんでいるような、気体のようなものだと思ったら、すごく重かったりする。本人は普段、ひょうひょうとしていますが、マッシュほどじゃないし(笑い)。そこのさじ加減がすごいんです。
川島さん 千晃さんは、顔に出さない中でぶちかます時、狂気的なものを感じます。無表情でデコピンをやったら波動砲みたいになるようなお芝居なんです。第1期の時、どうやっていたの?と観察していたけど、分からないんです。解明してちょっと論文を書いてみたいです(笑い)。
上田さん マッシュ君と会話する時、温かみがありすぎてはいけなくて、目を見て会話をしているといきすぎになるけど、ちゃんと掛け合えている。その絶妙な距離感がすごくて、そこに助けられた部分がありました。
小林さん マッシュには人類愛があります。すごく好き、好き、普通も大体同じくらいで、全員をフラットに見ています。最初の頃、会話しようとすると「それはやりすぎ」というディレクションがありましたし、心の距離感を考えていました。
小林さん SNSやイベントで皆さんの声がすごく届いています。こうして第2期ができるのも好きでいてくれた皆さんのおかげだと思っています。原作はもちろん魅力的ですし、アニメは、作画、皆さんのお芝居によるところも大きくて、第2期はそこがより強くなっています。魅力的なキャラクターが出てきますし、作画もすごく力が入っています。ぜひこれまで以上に好きになってもらえる自信があります。新しいキャラクターが出てきて、それぞれのバックボーンがしっかり語られるので、どのキャラクターも好きになるポイントがいっぱいあります。そこも楽しみにしていてください。
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