薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期。呪術師、呪詛師、呪霊が渋谷に集結し、かつてない大規模戦闘を繰り広げる「渋谷事変」が描かれ、迫力のバトルシーン、声優陣の熱演も話題になっている。11月9日にMBS・TBS系で放送される第40話(第2期・第16話)「霹靂」では、呪術高専1年生の伏黒恵と、オガミ婆の降霊術によりよみがえった伏黒甚爾(とうじ)が親子対決を繰り広げる。一緒に収録をできた喜びを感じたという伏黒恵役の内田雄馬さん、伏黒甚爾役の子安武人さんに収録の裏側、お互いの役者としての印象を聞いた。
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子安さん 原作を読んでもう一度出てくることは知っていたので、ただ静かに、心穏やかに、自分の出番を待っていました(笑い)。ただ、放送を見てふと思ったんですけど、甚爾はオガミ婆の孫の体に降ろされているから、(甚爾役を)孫役の方がやってもおかしくなかったのかな、と思って。僕は当たり前のように甚爾を演じるつもりでいたのだけど、よくよく考えるとそういう選択肢もあったのかなと思って「よかった、もう一度演じられて」と。
子安さん そういう演出を考えてくださってよかったなと思いました。
子安さん 変化はどうでしょうね。正直なところ、そんなにしゃべらないので。ただ、僕の声を聞いて、甚爾だと思ってくれないのが一番怖いなと思っていたので、孫から甚爾に変わっていく時に「甚爾が来た」と言ってくださる方がいて、「良かった、特徴のある声で」と。せりふが少ないんでね、子安武人でよかったと(笑い)。
内田さん 素晴らしかったです、本当に。
子安さん 息子にそう言ってもらえると勇気が湧く。36年間やってきてよかったと思います。
内田さん 36年! すごいです!
子安さん ええ、今度37年目になります。
内田さん 内田的には「来たな!」と思いました。ただ、恵的には甚爾を父親だと認識していない状態での会話だったので「なんだこいつ?」という。
子安さん そうだよね。そこは甚爾と五条の戦いと一緒なんだよね。向こうは何も知らないっていう。
内田さん そうなんです。だから、やたらと強い、やばいヤツが降りてきて「何なんだ?」と。第40話もほかの話数と同様に映像表現がすごいので、あのバトルの過酷さで恵の「何なんだ」という気持ちを物語っているんじゃないかと思います。
子安さん 僕は「呪術廻戦」の原作を読んでいる時、甚爾は主人公とも絡まないな、息子とも絡まないなと思っていて、この「渋谷事変」で唯一息子と絡むというか。向こうは父親だと認識しているわけじゃないし、会話らしい会話もしていないんだけど、同じ空間で、同じ空気を吸って、一言二言くらいの会話をする。それで、全然違う現場で雄馬くんに会った時に「今度よろしくね」「楽しみなんだ」と言っていて。
内田さん そうですね。
子安さん ただ、よく考えてみたら、もしかしたら(現場で)会わない可能性もあるなという話もしていて。まだ、コロナ対策で分散収録の頃の話だから、一緒に掛け合うシーンがあるけど、「もしかしたら会わないかもしれないね」と。それくらい雄馬くんとそのシーンをやるのを楽しみにしていたので、一緒にやれて、いやあ、うれしかったですね。
内田さん いやあ、本当に。
子安さん 収録では、全然会話もなくただ淡々と進んでいく中で、雄馬くんが一人で一生懸命に戦いの息を入れていて。
内田さん そうですね。最初は恵だけでバトルの声を入れていきました。
子安さん それで申し訳ないと思いながら。一緒に収録をして、隣のマイクに立って“そこにいる”という、これがどれだけ楽しいことかと。やはり(別々に収録をしてヘッドホン越しに)聞こえてくる音とは違う。ここで今、一緒の時間、一緒の空間で、同じ作品にせりふを並べているこの瞬間が、どれだけうれしい出来事かと改めて思いましたよね。同じところで録(と)って、相手が隣で息を吸って、息を吸わないとせりふが言えない、心臓が動いていないとせりふがしゃべれない、ということを感じられることが、すごくすてきなことなんだなって思いましたね。
内田さん やはり「一緒に隣で生きている」と実感できることが、めちゃくちゃうれしいことだし、自分が作品に入っていく感覚もちょっと違うような気がするんですよね。一緒に録ると、自分が役として呼吸をしていて、隣ではその緊張感を共有してくれている感覚がすごくある。もちろん一緒に録ることができなくても、やれなきゃいけない仕事ではあるんですけど、一緒にいるのといないのとでは絶対に違う。あの空気、呼吸は、一緒にいないと生まれないものだったんですよね。子安さんと一緒にマイク前に立った時の僕個人としてのうれしさもありましたし。
子安さん 僕もうれしかった。
内田さん 緊張感とかいろいろなものをガッ!と共有して、リンクして、作っていったという実感はめちゃくちゃありました。これは、どの現場でも感じられることではないですし。恵は甚爾を父親だと認識していないのであれなんですけど、僕自身は子安さんと親子という間柄で感覚を共有して、一緒に立てたことがすごくうれしかったです。
子安さん 物語の役の感情とは別に作品を作る役者としてね。あれ以来、雄馬くんがずっと息子みたいで。実際、雄馬くんは、僕の息子と年齢が大して変わらないんですよ。だから、本当に父親と息子のような感覚なので、すごく接しやすいし、分かりやすいというか。あれ以来、ずっと息子。
内田さん 僕は「パパ」と呼んで(笑い)。
子安さん 多分、これはしばらく続くんじゃないかな。息子と思うんじゃないかな。
内田さん その感じはありますよね。そこまで共有できたことがめちゃくちゃうれしいです。作品がそれだけ体の中に入ってきているという感じが。
子安さん そうだね。結構あるようでないことだよね。
内田さん どの作品でも起きることじゃないので。
子安さん 等身大というか“身”を感じる。実物感というか、リアル感というか、そんな感じがすごくしますよね。それは恵という役に対するお芝居のアプローチもそうなんだろうけど、多分、ほかの役をやっていても等身大で演じるんだろうなと。なにかやろうとか、作ろうとかではなくて、そのものズバリをぶつけていく感じ。「これがダメだったら俺はいいや」「これを好きになってくれよ」みたいな感じの潔い感じも見受けられるというか。言葉を選ばずに言うなら、こざかしくない。そのものズバリで勝負して、とてもすてきなお芝居をされている方だなと思っています。
子安さん 主人公の虎杖(悠仁)くんとのペアで丁々発止でやっている姿を見ていると面白いですよね。テレビで見ていても、ちょっとお調子者で軽薄な感じの虎杖くんと、クールでドライな感じの恵の2人のバディー感が出ていていいなと思います。単純にバディーものとして見ても面白いなと。それも、2人が本当に違和感はなく、そのものズバリを等身大な感じで演じているように見えるからいいんじゃないのかなと思うんですよね。
子安さん 僕としては「それが時代なのかな」という感じがしなくもないです。ちょっと前のアニメーションの感覚とは、若干違う感じがしなくもないなと。それが今求められている芝居形態なのかもしれないし、作品の作り方なのかもしれないし、もしかしたら「呪術廻戦」という特別感がある作品においてのお芝居なのかもしれない。でも、どっちにしても、すごくフィットしているというか。だから、自分もその雰囲気に乗っかって、その世界に入っていかないといけないんじゃないかなと思いながらやっています。僕は、なんだかんだで平成初期の人間なんで(笑い)、そこに順応していくのは意外と大変なことなのかもしれないですけど、楽しい作業でもあるので。それに、隣でお芝居しているのを見ていると、すっと入っていける感じがしますよね。
内田さん もう……子安さんからお言葉をいただけるなんて、こんな機会があっていいものかとすごく思います。でも、本当に一生懸命頑張ることしか我々はできないので、本当に頑張ってきてよかったなというのと、もっと頑張るぞという気持ちの両方が混ざっています。うれしいです!
内田さん 僕らは(子安さんが出演している作品を)見て育ってきていますから。僕は今年31歳で、子安さんは僕が生まれる6年前から仕事をされていることになるので、そこからずっと前線で戦い続けていくことのすごさは計り知れない。やっぱり子安さんは、いろいろな幅を持っている方だと思うんです。当時からキャラクターのいろいろな面を見せてくださっていたことって、ご本人の経験とか、そこまでに至るいろいろな思考がなければ、たどり着けないものというか。役のいろいろな面を見て、そこにたどり着いているんじゃないかなって感じるんです。だから、僕らのこともしっかり見てくださいますし、どんなことでも捨て置かないというか。いろいろなところにアンテナを張って、上も下も全部含めて拾ってくださる。
内田さん 甚爾を見ていても、単純にクズで悪いヤツという感じではなくて「何かあるんじゃないか?」と。確かに敵のように見えるけど、その奥底に触れてみたくなるような、そういう部分を含ませてくれているというか。ミステリアスだし、「もっと奥を見たいな」という“余白”をくれて、いろいろな面がたくさんありそうだなと想像が膨らんでしまう。それは多分、子安さんがそういう要素をすごく乗せてくださっているからなのかなと。どうしたら自分もそうなれるんだろうとすごく思います。
子安さん きっと人生経験、仕事の経験を含めて、というところなんだよね。お芝居的には、そういうものを全部そぎ落とした、すごくシンプルな感じの甚爾になっていますけど。
内田さん そうですね。
子安さん でも、“そぎ落とす前”というのがある。単にシンプルなお芝居をしているんじゃなくて、本来はシンプルではないんだけど、シンプルにそぎ落としているというお芝居。それを雄馬くんには分かっていただけたみたいなので。いろいろあるんだけど、そこを見せないでシンプルに、というのが今回の「呪術廻戦」の演出的なものなので。
内田さん 本当にそうですね。
子安さん だから、ただ単純に淡々としゃべるというお芝居ではないというか。「なぜ淡々としゃべるのか?」というところがないとやれない難しい役ではありましたね。
内田さん そうなんですよ。これって、本当にすごいことなんですよ。それを芝居で伝えられることが本当にすごくて、すさまじいことだと。
子安さん (笑い)。
内田さん 本当に難しいんですよね。それでも、見ている人にキャラクターの奥深さを感じさせられるというのは、本当に芯がないと、身がないとできないことだと僕は思うので、やっぱりすごい。これは僕が言うことでもないんですけど、素晴らしい方だなと本当に思います。
子安さん そんなふうに言っていただけるなんて(笑い)。
内田さん 本当に大好きです。マジで子安さんが出ている作品で育っていますから。
子安さん 僕は、原作を読んだ時から甚爾に一目ぼれしていて、こういう悪くて人間的にダメなヤツが好きなので。ダメなヤツがもがいて生きているのがすごく好きなんです。それが根底にはありますが、甚爾はビジュアルと能力が圧倒的じゃないですか。見た目が格好良ければ何でも許されちゃうような気がするところも、僕は好きですよ(笑い)。なんと言っても、設定上、「プロのヒモ」と言っているので、たまに女性に甘い言葉とか、優しい言葉をかけるのではないかなと。それを想像するだけで、僕は楽しくなっちゃう(笑い)。何のしがらみもなく、自分を解放して好きなことができるんだったらどんなに楽しいだろうなって。
内田さん 恵は、だいぶ縛られまくっているので(笑い)。彼は一見クールなキャラですが、実際はめちゃくちゃ人のことを見ているし、考えている。いろいろなことを考えた結果、自分をないがしろにする瞬間がすごくあるわけです。それって優しさではあるんですけど、僕からみると、彼は自分には優しくないなと。ただ、彼は自分のそうした部分を言葉で表現するわけじゃないから、演じる中で彼が見せていない思いを乗せるというか。演じる身としてはなかなか難しいキャラクターだとは思うんですけど、皆さんが恵を解釈する時にいろいろな想像が膨らむような人であったらいいなと思います。あとは、彼には幸せになってほしいですね。
子安さん 過酷な話がまだまだ続いていくんですけど、うちの息子がどれだけ頑張っているのかと、見守っていきたいなと思っています。
内田さん しんどいシーン、過酷なシーンの多い「渋谷事変」ですが、ここからよりハードな戦いになってくるのかなと思います。宿儺も出てきて、本当にどうなっちゃうんだ渋谷!?という。みんな必死に戦っているので、ぜひ最後まで見届けてほしいなと思います。
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