人気演劇「TRUMP」シリーズの新たな展開として完全新作テレビアニメ「デリコズ・ナーサリー」が制作されることが分かった。「TRUMP」は、2009年に劇作家の末満健一さんによって上演されたオリジナル演劇で、累計動員数は12万人以上を誇る。これまで、コミカライズや劇中歌コンサートなども展開されてきた。アニメは、錦織博さんが監督を務め、伊東葉子さんがキャラクターデザイン、総作画監督を担当し、J.C.STAFFが制作する。

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　「TRUMP」は、高貴な貴族の吸血種たちが我が子の育児に奮闘する裏で、伝説の吸血種TRUMPにまつわる怪しい陰謀が渦巻く……というストーリー。名門中の名門とされる特級貴族家系のデリコ家。当主のダリ・デリコを取り巻く因縁の物語が描かれている。

　世界観を同じくする「LILIUM」「SPECTER」「グランギニョル」「マリーゴールド」「COCOON」「黑世界」「ヴェラキッカ」が上演され、永遠の命を持つとされるTRUMPの不死伝説に翻弄（ほんろう）される人々の血と命を巡る1万5000年を描いてきた。

　末満さんは「2009年、舞台作品として産声を上げたTRUMPシリーズ。間もなく15周年目に突入する本シリーズは、戯曲集、短編小説集、コミカライズ、劇中歌コンサートなど、年々その世界を広げ続けています。この度、シリーズの新作をテレビアニメーションという場所で発表させていただける運びとなりました。過去に上演した既存作のアニメ化ではなく、新作をテレビアニメとして制作する。それもTRUMPシリーズの大きな転機となった『グランギニョル』（2017年上演）の続編をやれるのです」とコメント。

　「いつか空想したものが現実の世界で実現することがいまだ夢のように思えてなりません。かつては僕一人の夢でしたが、今やシリーズを支えてくれた関係者やファンの皆さんの夢なのかもしれません。僕も原作者、シリーズ構成、また全話を担当する脚本家として、夢の企画に参加させていただきます。既にアフレコが始まっていますが、実力派ぞろいの声優陣がTRUMP シリーズに新たな息吹を吹き込んでくれています。この類を見ない冒険に足を踏み入れてくれたアニメスタッフの方々に多大な感謝を表します。TRUMP シリーズテレビアニメーション『デリコズ・ナーサリー』、どうぞよろしくお願いいたします」と話している。

　錦織監督は「ついにあの伝説の舞台TRUMPシリーズがアニメ化される！？　一体どの舞台、どの物語が映像化されるのか。誰もがそう考えるように、僕自身もこの企画に期待と驚きと共に出会うこととなりました。喜劇のような楽しい日常から、全てを巻き込み人々を絶望に陥れる悲劇まで、さまざまな要素が絡み合って、まさに末満ワールドが全開で繰り広げられています。今回のアニメ化のために多くの素晴らしいスタッフが集まってくれました。さて、今回たどり着く先は果たして……」とコメントを寄せている。

　◇スタッフ（敬称略）

　原作・シリーズ構成・脚本：末満健一▽監督：錦織博▽キャラクター原案：荒野▽キャラクターデザイン・総作画監督：伊東葉子▽音楽：和田俊輔▽アニメーション制作：J.C.STAFF