ちいかわ
第233話 黒い流れ星・後編(12)
1月7日(火)放送分
人気アニメ「おジャ魔女どれみ」に登場するアイテム・みならいタップの“なりきり玩具”「Special Memorize おジャ魔女どれみ みならいタップ」(バンダイ)。1月20日にバンダイナムコグループ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」で予約をスタートし、一時“完売”するなど人気を集めている。「おジャ魔女どれみ」シリーズがスタートしたのは20年以上前だ。バンダイの担当者に、大人になったファンに向けて「思い出の再現」を目指したという同玩具の開発の裏側を聞いた。
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「おジャ魔女どれみ」シリーズは2019年に20周年を迎え、2020年には20周年記念作となる劇場版アニメ「魔女見習いをさがして」が公開されたことも話題になった。なぜ、20周年から4年たった2023年に新たな玩具が発売されることになったのだろうか?
「20周年のタイミングで雑貨などを中心にさまざまな商品が発売となり、改めて『おジャ魔女どれみ』の人気の高さを感じました。大人向けの玩具は、雑貨などと比較すると少し購入ハードルの高い商品となります。20周年で盛り上がり、ファンの方が『おジャ魔女どれみ』を改めて楽しまれているタイミングで満を持して発表しようとしました。20周年イヤーから4年たち、アニメを見ていた世代も年齢を重ねています。20代後半~30代前半をターゲットにした玩具として企画しました」
20代後半~30代前半になれば、多少は金銭に余裕が出てくる。とはいえ、財布のひもが固い。玩具は、5400円(税抜き)と高すぎない絶妙な価格に設定した。高価な玩具は多機能になるが、「ファンが求める機能」を厳選し、価格を抑えようとした。だからといって、機能が少ないわけではない。その辺りのバランスが絶妙だ。
“お着替えシーン”の再現を目指した玩具で、中央のボタンにはLEDを内蔵しており、発光するギミックを備える。中央ボタンを押すと、LEDが発光し、約12秒の“お着替えメロディー”が鳴る。魔法玉を押すと「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」が鳴り、「ド・ミ・ソ・ド」や「ド・ファ・ラ・ド」と押すと、魔法の楽器のペペルトポロンや、おジャ魔女たちが移動する際に使うほうきが出現するメロディーが再生される。
各ボタンを長押しするとピアノ、リコーダー、木琴、犬の声、ギター、猫の声、ハーモニカ、カッコウの声の8種の音が鳴る。本体中央のボタンを長押しすると、“おジャ魔女どれみ”世代のカラオケの定番曲になっているアニメのオープニングテーマ「おジャ魔女カーニバル‼」が再生されるギミックを備える。
「お着替え音は放送当時のアニメの音が鳴ります。放送当時の玩具にはなかったペペルトポロなどの出現メロディーも搭載しています。発光にもこだわりました。アニメはふんわりした光が特徴です。LEDでふんわりした光を表現するのは難しいのですが、クリアパーツなどを使用することで表現しました。弊社がこれまで培ってきたノウハウがあったからできたことです」
大人向け玩具は、キャラクターのせりふを収録したものもあるが、あえて収録しなかった。「リサーチをする中で、自分がどれみちゃんになりきって遊ぶので、どれみちゃんの声が再生されなくてもいいという声がありました。最後まで悩んだところなのですが」と「なりきりとは何か?」を追求した結果、機能を絞った。
外観も妥協しなかった。金色メッキ加工、箔(はく)押し塗装を施し、透明感のあるクリア成型で魔法玉を表現した。何気なく見ても美しいが、そこにはさまざまな技術が盛り込まれている。
「魔法玉は一体成型しています。丸い玉を成型する際、二つのパーツをくっつけることもあるのですが、凸凹ができたり、外観を損なうことがあります。そのため一体成型にこだわりました。玩具では一体成型は難しいのですが、気泡が入らないように樹脂を流し込む時間などを細かく調整しながら美しい丸い玉を成型しました。メッキ加工にもこだわりましたし、真ん中の音符の揺れにもこだわりました。1、2ミリとの戦いですし、ビス1本まで気を使いいました」
細部までこだわり抜いたこともあり、放送当時は難しかった“なりきり遊び”ができる玩具に仕上がった。改めてデザインの美しさを再認識させられ、担当者も「今見てもやっぱり可愛いです。シンプルだけど、カラフルで、ほっこりするような温かみがあります」と話す。手に取ってみると、当時の感動がよみがえるはずだ。
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