舞いあがれ!:気になる存在、IWAKURA初の女性職人・土屋 演じる二宮星は「カーネーション」の子役

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第79回の一場面 中央が二宮星さん演じる土屋景子(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第79回の一場面 中央が二宮星さん演じる土屋景子(C)NHK

 福原遥さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第17週(1月23~27日放送)では、IWAKURAが重工業の国内トップクラス企業「菱崎重工」から航空機に使用する新型エンジンのボルトの試作依頼を受け、社員が一丸となって奮闘する姿が描かれた。職人の中で紅一点の土屋景子(二宮星=あかり=さん)は「ネジ好きなんで」と先輩職人から貪欲に知識や技術を得ようとする前向きな性格で、何かと気になる存在だ。演じる二宮さんは朝ドラ「カーネーション」(2011年)に子役として出演していた経歴の持ち主。同作の制作統括・熊野律時(くまの・のりとき)さんに、IWAKURA内に女性の職人を置いた理由や、演じる二宮さんの現場での様子などを聞いた。

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 ◇IWAKURA職人の紅一点 知識の吸収に貪欲な姿勢

 女性職人の土屋は、先代社長の浩太(高橋克典さん)の教え「ええ仕事は機械の手入れから」を率先して守り、第69回(1月11日放送)で信用金庫が資産価値の視察に来た際には、「社長が入れはった」手入れの行き届いた機械を誇らしげに動かし、信用金庫側から「活気がありますね。皆さん、誇りを持って働いてはります」との評価を受ける。

 第73回(1月17日放送)では、舞(福原さん)が航空会社の内定を辞退して正式にIWAKURAの営業として働くようになり、めぐみ(永作博美さん)と共に、ネジについての知識をベテラン職人の笠巻(古舘寛治さん)から補習してもらっている姿を見ると、あきれる山田(大浦千佳さん)を尻目に、「ネジ好きなんで」と自身も参加するなど、知識の吸収に貪欲な姿勢を見せる。

 その後も、IWAKURAの社員が一致団結して仕事に取り組む際にはいつも参加している、向上心にあふれる若手の職人だ。

 ◇興味があれば性別は関係ない

 工場の職人というと、“男の世界”のイメージがまだまだ強いが、今作のために東大阪のみならず、京都、奈良、東京の町工場など100社以上の取材をした実感から、熊野さんは「時代的(2009年ごろ)には、女性の職人が珍しくはありますが、入っていてもおかしくはない時期になってきている」と語る。

 「もちろん男性が多い世界ではあるんですけれど、この20年くらいから少しずつ変わってきているので、そこは表現したいと(脚本の)桑原(亮子)さんと話していた」と明かす。

 また、「(ドラマの中に)女性の職人さんもいてほしいと、工場の取材をしているときにおっしゃっている方もいました。どうしても男の世界と見られがちだけれども、技術とやる気があれば全然できる仕事のはずだから、と。本当に好きであれば飛び込んでいける世界なんだと、さりげなくドラマの中で見せられればいいなと思って、この土屋というキャラクターを入れています」という。

 また、浩太がそういった考えの持ち主なのではという想定もあった。「具体的には描かれていないですけれど、浩太さんという人は、やる気があって興味があって工場の仕事に対して、または、ものを作るということに対して意気に感じてくれる人だったら、女性でも男性でも関係ない。やりたい人には参加してほしいという人なのではないか」と考えたという。

 ◇11年ぶりの朝ドラ「びっくりするくらい大人になっていた」

 土屋を演じる二宮さんは、2002年生まれ、大阪府出身の20歳。ドラマ初出演だった2011年後期の朝ドラ「カーネーション」で、尾野真千子さんが演じた主人公、小原糸子の少女時代を演じると評判を呼び、同作で糸子の次女、直子役で再出演した。

 朝ドラは11年ぶりという二宮さんについて、熊野さんは「僕も『カーネーション』に演出の一人として携わっていたので、よく知ってます。久しぶりにお会いしたら、びっくりするくらい大人になっていた(笑い)。11年前だから当たり前なんですけどね」とその成長ぶりに目を細める。

 現場では、「喜んでいましたよ。朝ドラ(の世界)に再び戻ってきて、職人という形でIWAKURAのチームの中で一緒に仕事するという場面を楽しんでくれていますし、浩太が作り上げたIWAKURAという職場の温かい人間関係や、若い女性が工場に飛び込んでもしっくり来ている感じを、とても楽しんで演じていただいている」と工場の従業員の一人として、楽しみながら演じられているようだ。

 30日から始まる第18週では、IWAKURAが「菱崎重工」から依頼されたボルトの品質試験が行われる。今後、土屋のいるIWAKURAは再び舞い上がることができるのか。舞の成長とともに見届けたい。

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