海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)第47回「ある朝敵、ある演説」が12月11日に放送され、前回で“尼将軍”となった政子(小池栄子さん)の有名な演説シーンが登場した。
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同回では、後鳥羽上皇(尾上松也さん)が義時(小栗さん)追討ののろしを上げ、揺れる鎌倉の様子が描かれた。
執権としての最後の役目として、鎌倉を守るため、自分一人が犠牲になる道を選ぼうとする義時だったが、それに待ったをかけたのが政子だった。
御所に集まった御家人たちの前に姿を現した政子は、大江広元(栗原英雄さん)の手による“演説原稿”を読み上げるのを途中でやめ、自らの言葉で語り始める。
「本当のことを申します。上皇様が狙っているのは鎌倉ではない。ここにいる執権・義時の首です」と切り出すと、「首さえ差し出せば兵を収めると院宣には書かれています。そして義時は、己の首を差し出そうとしました。鎌倉が守られるのならば、この人は命を捨てようとこの人は言ったのです」と真実を明らかにする。
御家人たちのために「犠牲になろうと決めた」義時に反対したものの、「思いを変えられなかった」とも告白する政子。「ここで皆さんに聞きたい。あなた方は本当にそれでよいのですか。確かに執権を憎む者が多いことは私も知っています。彼はそれだけのことをしてきた。でもね、この人は生真面目なのです。すべてこの鎌倉を守るため。一度たりとも私欲に走ったことはありません」と述べると、「鎌倉始まって以来の危機を前にして、選ぶ道は二つ。ここで上皇様に従って、未来永劫(えいごう)、西の言いなりになるか。戦って坂東武者の世をつくるか。ならば答えは決まっています。すみやかに上皇様を惑わす奸賊(かんぞく)どもを討ち果たし、三代にわたる源氏の遺跡(ゆいせき)を守り抜くのです。頼朝様の恩に今こそ応えるのです」と呼びかけた。
さらに政子は「向こうは、あなたたちが戦を避けるために執権の首を差し出すと思っている。馬鹿にするな。そんな卑怯者はこの坂東には一人もいない。そのことを上皇様に教えてやりましょう」と言い放つと、御家人たちは一斉に雄たけびを上げる。
それでも政子は、「ただし敵は官軍。厳しい戦いになります。上皇様につきたいという者があれば止めることはしません」と決して無理強いすることはなかったが、ここで泰時(坂口健太郎さん)が、「そのような者がここにいるはずがございません。今こそ一致団結し、尼将軍をお守りし、執権殿のもと、敵を打ち払う。ここにいる者たちは皆、その思いでいるはずです! 違うか!」と政子の思いに呼応し、御家人たちも「その通りだ!」と一つになった。
お決まりの“演説原稿”を手放してから、ゆったりと間をとりながら3分22秒続いた政子の名演説。SNSではキャスト陣の熱演に対して、「圧巻」「鳥肌が立った!」「号泣してしまった」といった声が上がったほか、脚本の三谷幸喜さんを称賛するコメントが次々と登場。「あの名演説が、三谷幸喜が描くとこうなるのか…っ! 坂東武者の底意地を感じるぞ。しびれるぅ」「名演説として記録に残る政子の言葉。史料集で読んでも『こんなので皆奮い立つかなあ』と思っていた。確かにこれなら分かる。三谷幸喜すごい」「三谷幸喜の歴史マジック。尼将軍の演説をこう描くとは天才」などと盛り上がった。
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