「映画 聲(こえ)の形」「リズと青い鳥」などで知られる山田尚子監督の劇場版オリジナルアニメ「きみの色」が制作され、2023年秋に公開されることが分かった。山田監督と「映画 聲の形」などでもタッグを組んだ吉田玲子さんが脚本を手がけ、牛尾憲輔さんが音楽を担当する。「映像研には手を出すな!」「平家物語」などのサイエンスSARUが制作する。新海誠監督の「君の名は。」「すずめの戸締まり」などのSTORY inc.が企画・プロデュースを担当する。
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同作は、「思春期の青春」をテーマに、少女たちの自立、葛藤、恋模様が絵画のような美しい映像で描かれる。人の感情が「色」として見える高校生の少女・トツ子は、街の片隅にある古書店で出会ったとても美しい色を放つ美少女、音楽好きの少年とバンドを組むことになる……というストーリー。
山田監督は「人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから始まった」と制作の経緯を説明。吉田さんは山田監督の描きたい内容を聞き、脚本を作り始めたという。吉田さんは「《色が見える女の子》というのは山田監督のアイデアで、すごく映像的で面白いなと感じました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています」と話している。
山田監督は、脚本について「吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミング」といい、「音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたい」と意気込みを語っている。
人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから「きみの色」は始まりました。人はきっと、その時向いている方向に進んでいくわけで、それが前であっても後ろであってもどちらでも成り立っていくと思うのですが、できれば前に進んでいきたい。音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたいと思っています。
吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミングです。悩んだり、何かを変えようとする時に起こる摩擦は、これからを切り開いていくためのとても大切な成長痛であって、その痛みがそれぞれの人が放つ色になっていくのかなと思うのです。たくさんの色が出会って、混ざり合った先にはどんな色の世界が待っているのでしょう。絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております。よろしくおねがいいたします。
「きみの色」は、山田監督の「こういうことやりたいなぁ、こういう子たちを描きたいなぁ」というメモをいただいて、そこから脚本を作り始めました。《色が見える女の子》というのは山田監督のアイデアで、すごく映像的で面白いなと感じました。山田監督の作品は、登場人物たちがおずおずと手を伸ばし扉を開いていくような感じがあって、今回もその感覚を大切にしました。そこにある世界と、自分。そこにある現実と、自分。触れると痛いような傷ついてしまうようなものの中で、楽しさやいとしさや生命力を見いだしていくことを意識しながら書きました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。
「きみの色」はある意味、原点に戻ったようでもあり、今までの集大成的な面もありながら、さらに新しく踏み出していけるような作品になるのではないかと思っています。光の当たり方によって、濃く見えたり、淡く見えたりはしますが、誰もが自分の「色」を持っていると思います。見てくださった方が、それぞれの「色」をいとおしく思えるような映画になっていると、うれしいです。
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