ナンバMG5:復活の“水10ドラマ”第1弾 プロデューサーが語る「あえて“考察系”にしなかった」理由

連続ドラマ「ナンバMG5」で難破剛を演じる間宮祥太朗さん(C)フジテレビ
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連続ドラマ「ナンバMG5」で難破剛を演じる間宮祥太朗さん(C)フジテレビ

 俳優の間宮祥太朗さん主演の連続ドラマ「ナンバMG5(エムジーファイブ)」(フジテレビ系、水曜午後10時)。今作は約6年ぶりに復活した、同局の水曜午後10時台のドラマ枠「水10ドラマ」の第1作だ。枠の復活を印象づける作品を目指す中、特に重要視したことは「守りに入らない」ことだったと語るプロデューサーの栗原彩乃さんに話を聞いた。

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 ◇“水10”のコンセプトは「ニューヒーロー」

 原作は小沢としおさんのマンガ「ナンバMG5」「ナンバデッドエンド」(共に秋田書店)。ヤンキー一家に生まれた主人公・難破剛(間宮さん)が内緒で健全な高校に入学し、家族の前ではヤンキー、学校では真面目な高校生という「二重生活」をするドタバタを描く。

 同局による水曜日午後10時台のドラマ枠は、過去に「家族ゲーム」や「リーガルハイ」第2期などの人気ドラマも送り出しており、2016年の「フラジャイル」以来、約6年ぶりの“復活”となった。今回の枠のコンセプトは、男性俳優主演でさまざまなタイプのヒーロー像をビビッドに描いていく「ニューヒーロー」になっている。

 第1弾がなぜ「ナンバMG5」だったのか。栗原さんは「近年は考えさせられるようなドラマ、考察させるドラマがはやっていますが、その半面、何も考えずに見て、笑ってもらえるようなドラマが少なくなっている」と感じていたという。

 水10復活の第1弾では、爽快感のあるドラマを目指したいと考え、さまざまな原作を読みあさっていたという栗原さん。そんな中でも、“特攻服のとんでもないルックスのヒーロー”という「ナンバMG5」が、「ニューヒーロー」という枠のコンセプトと合致したためドラマ化が決まった。
 
 今回、重視したのは「守りに入らない」こと。「最初は原作の『殺』と書かれた剛のマスク姿も、『テレビではどこまでやるか?』という議論もありましたが、ルックスの奇抜さもこの作品の魅力です。私としても、怖がらず、フルスイングすることを期待されていたと感じていたので、振り切ることを意識しました。配信作品を含めて、ドラマの数が多くなっているので、インパクトのある作品にしたいと思っていました」

 ◇「ヤンキーと優等生の演じ分け」で間宮祥太朗に

 主演の間宮さんは、家族の前では特攻服でバリバリのヤンキーながら、学校では真面目な高校生である剛を見事に演じ分けている。栗原さんは「間宮さんはキャリアも長く、真面目で陰のある役から、『お前はまだグンマを知らない』(日本テレビ)のようなはっちゃけたコミカルな役まで幅広く演じられる方という印象でした」と語る。

 間宮さんを抜てきした理由について「今回はヤンキーと優等生という、同一人物でありながらいかにギャップを出せるのかが作品の肝です。マンガ原作ではありますが、リアリティーもある作品ですので、間宮さんなら高度なことをやってくださると思いました」と語り、「見事に演じ分けくださっています」と絶賛する。

 ◇“愛犬”松、人気の理由は…

 また、難破一家の愛犬・松も人気を集めていることについては、「1話で松が主役かなと思うぐらい、松のパートを作ったのが要因だと思います」と分析。「ペットが出てくるドラマは数多くありますが、1話では松の目線、気持ちで物語を追うというシークエンスが多くありました。ただのペットというよりも、一人の登場人物として気持ちを乗せてくださる視聴者がいらっしゃったと思います」という。

 そんな松の声を担当しているのは、人気声優の津田健次郎さんだ。「松は見た目が可愛いので、可愛い声をあてるという手もありました。しかし、ヤンキー一家の一員であることを重要視して、ヤンキー感のある渋い声を出していただける津田さんにオファーさせていただきました」と明かしていた。

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 ドラマは終盤を迎えているが、「どうにかうまくいっている剛の二重生活がバレる日がきてしまい、家族との仲違いから和解、これまで剛をサポートしてきた伍代直樹(神尾楓珠さん)や大丸大助(森本慎太郎さん)たちとの友情が見どころです。剛のピンチと、どうはい上がっていくのかを見てほしいです」と呼びかけていた。

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