乃木坂46岩本蓮加:「自信になった」宝田明さんからの“言葉” 女優業への思いさらに強く

映画「世の中にたえて桜のなかりせば」で故・宝田明さんとダブル主演を務めた乃木坂46の岩本蓮加さん
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映画「世の中にたえて桜のなかりせば」で故・宝田明さんとダブル主演を務めた乃木坂46の岩本蓮加さん

 アイドルグループ「乃木坂46」の岩本蓮加さんが、故・宝田明さんとダブル主演を務めた映画「世の中にたえて桜のなかりせば」(三宅伸行監督)が公開中だ。エグゼクティブプロデューサーも務めた宝田さんからの共演オファーを受けた岩本さんは、今作が映画初出演にして初主演。“演技経験の浅さ”やベテラン俳優陣との共演に不安やプレッシャーもあったというが、どんな思いで今作に臨んだのか? 宝田さんからのある“言葉”に励まされたことや、演じた咲のような“人生を変えるような出会い”について、岩本さんが明かした。

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 ◇映画初主演の心境は? 「自分の中では一つの大きなチャンス」

 映画は「桜の季節」と「終活」をテーマに、終活アドバイザーのアルバイトをしている不登校の女子高生・咲(岩本さん)と、同僚の老紳士・敬三(宝田さん)との心温まる交流を描くヒューマンストーリー。3月14日に逝去した宝田さんの遺作となった。

 岩本さんは、宝田さんからの共演オファーに驚いたといい、「そんなことあるんだって。予想もしていませんでした」と当時の心境を語る。

 「最初は映画の主演っていうだけでも驚きだし、しかも宝田さんに選んでいただいたことにとても驚きました。うれしい半面、演技経験が浅いので、私でいいのかなって不安もありました」

 これまでテレビドラマ、舞台の出演はあるものの、演技経験は数えるほど。経験の浅さに不安はあったが、「自分の中では一つの大きなチャンスだと思ったので、まずは期待に応えたいなって思いました」とオファーを前向きに捉えた。

 「演技経験の浅さを言い訳にはしたくないなと思ったし、周りの人たちに迷惑をかけたくないと思ったので、台本をとにかく読み込みました。台本を常に持ち歩いて、いつでも見られるようにしていて。家にいるときも読んでいました」

 その成果もあり、撮影ではNGシーンを出さなかったという。多忙な乃木坂46の活動の中で、その努力は並大抵のことではなかったと思うが、岩本さんは「やっぱりうまくやりたい!という思いもあったので……(笑い)」とあっけらかんとしていた。

 ◇宝田さんのオファーの理由は? 「女優としてやっていくといいよ」とも… 

 宝田さんは3年ほど前、岩本さんが出演していた映像を目にして、岩本さんに白羽の矢を立てたという。

 「(オファー理由を)詳しくは聞いていないのですが、“高校生で等身大の演技ができる子”を探していたみたいで。撮影中に『イメージにぴったり合っていた』と言っていただけたことはすごくうれしかったです!」

 宝田さんとは約“70歳差”共演で、映画には宝田さん以外にも、吉行和子さんらが出演。“大ベテラン”との演技に、岩本さんは緊張はなかったのだろうか?

 「初めは緊張はしましたが、一瞬でなくなりました。宝田さんがいつも気さくに話しかけてくださったり、冗談で笑わせてくださることが多くて、撮影現場の雰囲気を和ませてくれたおかげです。演技でも、目線の使い方や、仕草だったりをアドバイスしてくれて……。決して置いてけぼりせずに、親身になって教えていただきました」

 宝田さんとの芝居では、アドリブが入ることも多かったという。岩本さんは「アドリブのおかげで助かりました!」といい、「宝田さんが自然なアドリブを入れてくださることによって、私もどんどん自然な感じで演技ができて。自由にのびのびやらせていただいたなと思います」と理由を明かした。

 そんな自身の演技には「まだまだですが、思っていたよりもできていたと思います」とちょっぴり胸を張る。今後の女優業については、「今回、とても多くのことを学ばせていただいたので、それを生かせる機会が次にあればうれしいです」と意欲を見せた。

 すでに 4月11日スタートの連続ドラマ「吉祥寺ルーザーズ」(テレビ東京系、月曜午後11時6分)に出演することが決まっている岩本さん。女優業への思いは、宝田さんからかけてもらった“ある言葉”で、さらに強くなったと明かす。

 「宝田さんが『女優としてやっていくといいよ』って言ってくださって。お芝居のお仕事は誰かに認めてもらわないといけないと思うので、その言葉はすごく自信になりました」

 ◇“人生を変えるような出会い”は? 大切な同期の存在

 岩本さん演じる女子高生の咲は、終活アドバイザーのアルバイトを通して、さまざまな人と触れあい、人生に対して少しずつ前向きになっていく。岩本さんにもこれまで、人生を変えるような出会いはあったのだろうか?

 「やっぱり乃木坂46に入って、メンバーと出会ったことですね。加入した時は小学校を卒業したばかりの12歳で、まだ右も左も分からないような感じだったのですが、いろいろなメンバーと出会って、いろいろなことを教えてもらって、成長できたなって思います。つらいことももちろんありますが、それ以上に乃木坂46に入って良かったなって思うことがたくさんあります」

 その中で、特に大きかったというのが、同じ3期生としてグループに加入し、昨年9月にグループを卒業した大園桃子さんとの出会いだったという。

 「桃子とは似てないようで、似ている部分がたくさんあって。周囲から見ると、違うタイプに見えていたかもしれないのですが、考え方だったりがすごく似ていて、一緒にいてすごく心が落ち着くんです。桃子と出会えて良かったなって思います。お互いのことは“片割れ”って呼び合っていて、桃子がグループにいた頃はほとんど一緒に行動していました。空き時間にスタッフさんから『食べ物を買いにコンビニ行ってきたら?』って言われても、『“片割れ”いないなら行かない』って(笑い)。桃子が卒業した後も、よく連絡は取り合っています」

 かけがえのない、大切な同期の存在。岩本さんは「3期生みんなが(映画を)見に行くって言ってくれています! 私は恥ずかしいので一緒に行きたくないですが……(笑い)。『ぜひ!』ってアピールしました」と照れ笑いを浮かべていた。

 ※取材は2月28日に行われました。

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