女優の鈴木梨央さん主演のドキュメンタリードラマ「命のバトン ~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~」が、11月18日にNHK・BS1で放送される。鈴木さんといえば5歳から子役として活躍し、2013年の大河ドラマ「八重の桜」で主人公・八重の幼少期を演じたことも記憶に新しいが、16歳になり、今作では予期せぬ妊娠に戸惑う高校2年生役に挑戦する。「女優という立場では、まだ1歩目」と語る鈴木さんに、役作りで行ったことや、子役から女優へ成長している現在の心境などを聞いた。
ウナギノボリ
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「命のバトン」は、虐待で死亡する子供の年齢が「生後0歳0カ月0日の赤ちゃん」が最も多いという中、子供の虐待死・遺棄死を防ぐ切り札として注目されている、愛知県の児童相談所が全国に先駆けて30年以上前から取り組んできた、「愛知方式」とも呼ばれる赤ちゃん縁組 (新生児の特別養子縁組)が題材となる。ドラマと、本物の養子縁組家族を追ったドキュメント映像を組み合わせた作品で、児童相談所の児童福祉司の成瀬千春役で倉科カナさんも出演する。
本作で鈴木さんが扮(ふん)する桜田結は、予期せぬ妊娠に戸惑う高校2年生(17歳)。優しく、自分より他人の都合を優先してしまいがちな性格。母と2人で慎ましく暮らしている。将来の夢は看護師……という人物だ。
結を演じることについて、鈴木さんは「不安な気持ちもあって、言葉が出ないくらい考えさせられました。向き合うことができるのかという葛藤がありました」と心境を吐露。ただ、台本を読み進めるうちに「結に寄り添いたいという思いが強くなり、結のことを常に考えられるようになりました」と力強く答えた。
経験のない出産シーンの撮影では、自分でイメージすることも難しかったため、家族や母親などに助言を求めた。また役作りとして「動画を見たり、図書館で本を読んだり、そこから模索していきました」と明かす。
一見すると難しそうな役柄だが、鈴木さんは「どうやって結の気持ちに近づけるか」という点に注力した。「考えれば考えるほど、いろいろな気持ちが湧いてきて悩んだりもしましたが、一番重要なのは、同世代の私の中にあるものを、どう結に照らし合わせることができるか」と考え、「『私が結の立場でも、誰にも相談できないかもしれない』とかいろいろな視点で考え、結がそのときに思ったであろう感情を理解しよう」と務めた。
今作のような役に挑戦するなど、子役としてのイメージを脱却し、どんどん女優としての道を進む鈴木さんだが、「子役から女優という立場では、まだ1歩目です」と恐縮する。
ただ、「今までは監督さんからのアドバイスを受けて演じることが多かったんですけど、高校生になっていくにつれ、自分はこのときにこう思ったという気持ちを監督さんに伝えるようにしてみたり、気持ちは変化しています」と語る。
また「『梨央ちゃん』っていう呼び名から『鈴木さん』って呼ばれる機会が増えましたよね(笑い)。まだ慣れなくて『梨央ちゃんでいいのに!』って思います」と笑顔を見せていた。子役時代とは打って変わり、女優へと成長する鈴木さんの演技に注目だ。
前編は11月18日午後8時、後編は同日午後9時から放送。
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