怪獣映画「ゴジラ」シリーズの「ゴジラ×メカゴジラ」(手塚昌明監督、2002年12月公開)で、3式機龍(メカゴジラ)のオペレーターの主人公・家城茜を演じた釈由美子さん。クールで美しく、強い家城茜は、後世に語り継がれるほどの伝説的なキャラクターだ。そんな家城茜が“復活”する。スマートフォン向けゲーム「ゴジラ バトルライン」に3式機龍が参戦することになり、釈さんが「行くよ、機龍!」など家城茜の名ぜりふの数々を収録した。収録後の釈さんに「ターニングポイントになった」という「ゴジラ×メカゴジラ」、家城茜への思いを聞いた。
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「ゴジラ×メカゴジラ」は「ゴジラ」シリーズの26作目。政府が、対ゴジラ用兵器の開発に着手し、1954年に死亡したゴジラの骨をベースに生体ロボット・3式機龍を開発、対特殊生物自衛隊(特生自衛隊)の中に機龍隊が結成される。再び日本に姿を現したゴジラを超攻撃型メカゴジラが迎え撃つことになる。釈さんのほか、宅麻伸さん、高杉亘さん、水野久美さん、中尾彬さんらが出演。約170万人を動員するなどヒットした。
家城茜といえば戦闘服のイメージが強い。黒いボディースーツ姿が格好いいのだが、撮影はとにかくハードだったという。
「撮影時期が真夏だったので、戦闘服がものすごく暑くて。コックピット内のお芝居、ロケで熱中症になりそうになったことを思い出します。コックピット内は空調もないですし、すごく狭かったんですよね。それに、装備をたくさん付けていたので、トイレに行く時に全部外さないといけなかったんです。なるべくトイレに行かないように、水分を控えていました。今、思うと本当に大変ですね」
撮影以外もハードだった。
「撮影前に、入間の自衛隊で体験訓練をさせていただいたのが、何よりも大変でした。ほふく前進や降下訓練がすごくハードでして。自衛隊の皆さんには頭が下がります!という思いでした。クランクインの時は、全身が筋肉痛で。見返すと、あの時は筋肉痛だったなあ……と思い出しますね(笑い)」
家城茜は、自身のミスで仲間がゴジラに殺されてしまう。重い過去を背負っていることもあり、めったに感情を表に出さない。釈さんの熱演もあり、魅力的なキャラクターになった。
「最初は仲間もいないですし、一人で戦う孤高のヒロインというイメージでした。せりふも少なく、目のお芝居で、もの悲しさ、強さを表現しようとしました。気持ちが入っていましたね」
ハードな撮影、難しい役どころ……。釈さんにとって「ゴジラ×メカゴジラ」は「ターニングポイント」になった特別な存在になっているという。
「女優人生で宝物、一番大きな存在です。出演させていただいたことがターニングポイントになりました。昨年、米国で撮影をした時、監督が『ゴジラ×メカゴジラ』のファンで『いつか家城茜と仕事をしたいと思っていた』とオファーをいただいたんです。『ゴジラ』がワールドワイドな作品だからこそですよね」
昨年12月にNHK・BSプレミアムで放送された特番「ゴジラとヒロイン『特撮怪獣映画27本大集合!銀幕女優が勢揃い!』」で、釈さんは、家城茜の戦闘服に再び袖を通した。約20年前と変わらず美しい姿も話題になった。
「20年たって、戦闘服がキレイな状態で残っていることに感動しました。東宝さん、すごいですよね! サイズが合ったことにホッとしました。ちょっとブカブカになっていて、寂しくなったところもあります。肉が落ちちゃったんですよね。当時は筋肉も付いていたでしょうし」
ゲーム「ゴジラ バトルライン」に3式機龍が参戦することになり、釈さんは約20年ぶりに名ぜりふの数々を収録した。
「家城茜がよみがえってきました。収録前に映画を見直して、大好きなシーンがよみがえり、当時を思い出しながら『行くよ、機龍!』とせりふを発することができました。『ゴジラ』ファンにはたまらないゲームですね。私も3式機龍で強敵と戦ってみたいです。メカゴジラはほかにもいますが、やっぱり3式機龍が一番好きですし。アブソリュート・ゼロも楽しみです。5歳の息子もゴジラが大好きで、ゴジラごっこをしているんです。息子がゴジラ役、私が機龍役で『アブソリュート・ゼロ!』ってやったり(笑い)」
最後に「また『ゴジラ』に出演するならどんな役を演じてみたい?」と聞いてみると、「やっぱり家城茜ですね」と即答。釈さんにとって特別な思いのある家城茜は「ゴジラ バトルライン」でも会える。「行くよ、機龍!」「アブソリュート・ゼロ、発射」など数々の名ぜりふを堪能してほしい。
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