「夜明け告げるルーのうた」「映像研には手を出すな!」などの湯浅政明さんが監督を務める劇場版アニメ「犬王」に声優として柄本佑さん、津田健次郎さん、松重豊さんが出演することが9月10日、分かった。柄本さんは、室町幕府第3代将軍で、主人公の能楽師・犬王を高く評価したといわれる足利義満、津田さんは犬王の父、松重さんは犬王のバディーで、もう一人の主人公の琵琶(びわ)法師・友魚(ともな)の父をそれぞれ演じる。
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作品のキーとなる「古い面」の声を、現役能楽師の片山九郎右衛門さん、谷本健吾さん、坂口貴信さん、川口晃平さんが担当することも発表された。劇団「ヨーロッパ企画」の石田剛太さん、中川晴樹さん、本多力さん、酒井善史さん、土佐和成さんも声優として出演する。足利家の従者や公家らを演じる。
同作はマンガ家の松本大洋さんがキャラクター原案を手がけており、柄本さんは「高校時代、松本大洋先生のマンガには大変にハマっていました。まさか先生の画(え)に自分の声を吹き込む日が来ようとは。光栄でした」とコメントを寄せている。
津田さんは「能楽がアニメになる……しかも湯浅監督で! 一体どんな作品になるのか? 予想もつかない期待感のあるこの作品に参加できることがとても光栄です。アフレコの際に見た映像は、能楽がポップにエンターテインメントしてました。とても興味深い作品になっています。ぜひご覧ください!」と話している。
「犬王」は、第78回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門に選出されており、9月9日に世界初上映された。日本の長編2Dアニメが同部門に選出されるのは初めてで、上映後には湯浅監督が「犬王のとても明るい性格で、全く諦めずに自分の夢を実現しようとしているところに感銘を受けました。犬王も友魚も自分のやりたいことを実現させようとした。そんな姿を見ると、自分も周りに左右されず自分の生きたいように生きたいと、勇気づけられます」と思いを語った。
「犬王」は、作家の古川日出男さんが「平家物語」を現代語訳した「平家物語 犬王の巻」(河出書房新社)が原作。南北朝~室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王、盲目の琵琶法師・友魚の友情が描かれる。
マンガ家の松本さんがキャラクター原案を手がけ、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などの野木亜紀子さんが脚本を担当する。NHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」などで知られる大友良英さんが音楽を手がける。ロックバンド「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんが犬王、俳優の森山未來さんが友魚の声優を務める。2022年初夏公開。
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