西島秀俊:「おかえりモネ」で朝岡役 内野聖陽の存在は「頼りになった」 「何食べ?」脚本家に感謝も

連続テレビ小説「おかえりモネ」で朝岡覚を演じる西島秀俊さん(右)(C)NHK
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連続テレビ小説「おかえりモネ」で朝岡覚を演じる西島秀俊さん(右)(C)NHK

 清原果耶さん主演の連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、気象キャスターの朝岡覚を演じている西島秀俊さん。本作には、2019年放送の連続ドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京)で、西島さんとカップル役を演じた内野聖陽さんも出演。いよいよ2人の共演シーンも登場するという。内野さんの存在が「頼りになった」と明かす西島さんに話を聞いた。

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 ◇朝岡は“傷に寄り添う人” 百音たちとの“目線”にこだわり

 朝岡といえば、ヒロイン・百音(清原さん)を導く頼もしい上司としての姿が印象的だ。西島さんは、朝岡の魅力について、「後輩たちのそれぞれの良いところを見抜いて伸ばしながら、それぞれが持っているつらい思いや傷みたいなものをくみ取って、寄り添っていく人物なんです」と語る。

 8月5日放送の第59回では、朝岡が過去に“苦い経験”をしていたことも明かされた。大学生だったころ駅伝選手だった朝岡は、過酷な気温の中で走ったことが原因で大会を棄権したことがあったのだ。

 「朝岡も心の傷を負った人物です。そのこともあると思いますが、朝岡は誰かが傷を負っていることに対してすごく敏感。本人が言わなくても、その人が持っている傷を何となく感じ取る能力を持っています。傷に寄り添う力を持っている人なんだと思って役作りを進めました」と話す。

 百音たちと接するシーンでは、朝岡の“目線”にこだわったという。「朝岡は、百音たちと同じ“目線”で話すところがあります。ただ単に上司として後輩を育てるのではないというか……。朝岡の場合は、百音がたとえ失敗をしたとしても、『それは決して間違っていたわけではない』とした上で、『もうちょっとこういうところがあってもいいと思うよ』と言うような人物なんです」と語る。

 西島さん自身も現場では朝岡のように後輩を引っ張っているのかというと、必ずしもそうではないようで、「僕の方から後輩たちにいろいろなことを聞いているくらいですから」と顔をほころばせる。「若手のみんなは本当に頼りになります。僕が(若手に)自分の演技について(意見を)聞いたりすると、『あっ、それだ!』と気づかされることもよくあります」と打ち明ける。

 ◇安達脚本はとにかく“丁寧で、深い” 「非常に信頼しています」

 「おかえりモネ」は「きのう何食べた?」と同じく安達奈緒子さんが脚本を手掛けている。西島さんは「安達さんの脚本では、決して世界は“平和”ではありません。世界は厳しいものなんですね。そしてその世界では、完全な悪意を持った人間はいない。それぞれ何かしらの善意を持って生きているけれど、うまくいかなかったり、すれ違ったり、ぶつかったりすることがある。それでも人はみんなコミュニケーションをとっていくことで、その厳しい世界から、自分たちを守り続けるような、そういう物語を描く脚本だと思っています」と持論を披露。

 そして、安達さんの脚本はとにかく“丁寧に、深く”書かれているという。

 「本当に丁寧に書かれているので、不用意にせりふを変えると、つじつまが合わなくなることがあります。実に繊細に書かれてるんです。結構先のストーリーの中で、ある一言が後で意味を持つこととかもあって。いろいろ考えられていますよね」
 
 続けて「だから演じていて気付くことがたくさんあります」と明かす西島さん。「今回みたいな連続のドラマだと、だいぶたってから、『あのときのあの会話はここにつながってくるんだ』という気づきもいっぱいあって……。そういう意味で、本当に誰よりも“丁寧に、深く”脚本を書かれる方なので、非常に信頼しています」と語った。

 内野さんとの共演シーンについても語ってもらった。「朝岡自身が最も傷ついて、混乱して、どうにもならないものを吐露するシーンに内野さんがいてくれました。それはなんというか、とても頼りになったし、どういうシーンになったのかは分からないですが、そういうシーンを書いてくださった安達先生にすごく感謝しています」と締めくくった。

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