杉咲花さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」(総合、月~土曜午前8時ほか)が5月14日に最終回を迎える。NHK大阪の制作する朝ドラでは定番となっている “ダメおやじ”だが、本作でトータス松本さんが演じたテルヲの“クズっぷり”は視聴者から「朝ドラ史上最低の父」と評されるほどだった。「毒親として描ききろうと思っていた」と語る、本作の脚本家・八津弘幸さんは、トータス松本さんをどう評価していたのか、振り返ってもらった。
ウナギノボリ
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トータス松本さん演じるテルヲは、養鶏で生計を立てているが、鶏の世話や家事も娘の千代(杉咲さん、子供時代は毎田暖乃ちゃん)にまかせっきりのダメな父親。幼い千代を芝居茶屋「岡安」に奉公に出し、それ以降も、たびたび金をせびりに千代の元を訪ね、ときには千代の持ち金を持ち出すこともあった。そんな“最低の父”として描かれ続けたテルヲだが、最期は抱えていた病気が悪化し、この世を去る。
八津さんは、トータス松本さんの芝居について「一言でいうと最高でした」と笑顔を見せる。配役決定以前から脚本を書いていて、「『これは相当難しい役だな』と思っていました」と明かし、「どうしても視聴者の皆さんに感動してもらうということを考えると、テルヲを改心させようとしがちなのですが、それを必死に堪えて毒親として描ききろうと思っていたので、それを演じる役者さんがいるのかなと思っていました。ただこのおちょやんは結構そういう役ばかりなんですけど(笑い)」と振り返る。
その上で八津さんは、「トータスさんが演じてくれたお芝居を見て、『絶妙だ』と思いました」ときっぱり。「トータスさんの持っているかっこよさ、色気、チャーミングさが、テルヲの持っている最悪な部分をうまく中和してくださいました。『本当にミュージシャンですか?』というぐらい、目からうろこでした」と高い評価していた。
「おちょやん」は、上方女優の代名詞といえる存在で、「大阪のお母さん」として親しまれてきた女優の浪花千栄子さんの人生をモデルにしながらも、物語を大胆に再構築し、フィクションとして描く、103作目の朝ドラ。
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