ダンダダン
第5話「タマはどこじゃんよ」
10月31日(木)放送分
怪獣映画「ゴジラ」の完全新作のテレビアニメシリーズ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」。「ゴジラ」は、海外制作のテレビアニメシリーズや日本制作の劇場版アニメはあったが、日本のテレビアニメシリーズは初作品だ。主人公は、女性大学院生の神野銘、男性技術者の有川ユンの二人で、宮本侑芽さんが銘、石毛翔弥さんがユンをそれぞれ演じる。「理系の天才というキャラクターは初めて」という宮本さんに「ゴジラ」への思い、収録について聞いた。
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「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」では、ユンと銘が、人類に訪れる未曽有の脅威に対して、周囲の人間たちと共に立ち向かっていく。「これまでの作品とは全く違う、全く新しいオリジナルストーリー」になるといい、「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」の高橋敦史さんが監督を務め、芥川賞作家の円城塔さんがシリーズ構成と脚本を担当。手描きアニメとCGのハイブリッドで、「僕のヒーローアカデミア」などのボンズ、「宝石の国」などのオレンジが制作するなど、豪華スタッフが集結している。TOKYO MX、BS11ほかで放送中で、Netflixでも配信されている。
「ゴジラ」の第1作が公開されたのは1954年で、半世紀以上にわたって愛されている超人気シリーズだ。宮本さんは「ゴジラはもちろん知っていましたが、ちゃんと見たことがなかったんです」という。
「ゴジラたちが戦うアクション映画だと思っていました。歴代の作品を見させていただき、人間ドラマが描かれていたり、本当に面白くて、これまで見てこなかったことを悔やみました。申し訳ございません……という気持ちです。中でもモスラが大好き! 最強なんじゃない!と個人的に思っています。可愛らしさもあるのに、いろいろな攻撃をしたり、変化したりするところにワクワクします」
宮本さんが演じる銘は、存在しない生物の研究をする変わり者の大学院生。朗らかで明るい性格の天才で、どこか抜けている側面もあり、忘れ物が多い。
「年齢も近いですし、分かる!と感じるところもあります。性格が似ているかもしれませんね。好きなことに前向きで、思ったことを口に出してしまうところとか? ただ、脚本をいただいた時は、このキャラクターを演じるのは難しい……と感じました」
銘は、天才ということもあり、専門用語もすらすらと発する。宮本さんは「天才的な処理速度に追いつくのに必死」だったという。
「物理学のことが分からないですし、耳なじみのない言葉が多くて、これはヤバいぞ!と。天才の役なのに、私は彼女の発する用語が分からない。ストーリーはすごく面白いし、専門用語が分からなくてもワクワクして楽しいんですけど、私がせりふをちゃんと理解しないと演じることができません。台本の読解に苦労しましたね。早めに台本をいただけたので、なるべく専門用語を理解し、吸収してから、自然に言葉が出てくるようにしました。物理学や古典の用語を100%理解できないかもしれないけど、謎を解いていく楽しさが分かりました」
ちょっと抜けているところも可愛らしい銘。宮本さんは、自然に演じようとした。
「音響監督からは『ヒロインだけど、可愛らしさは考えないでいい。リアルな人間っぽく、そこにいるかのように演じてください』というお話がありました。頭の回転が速いので、言葉がポンポン出てくるんですね。自然にお芝居をするバランスが難しいんです。興奮するポイントがほかの人と違って、謎を目の当たりにした時に興奮するタイプで、普通ではないところもあります。存在しない生物を研究しているので、未知なものを目の前にした時、耐性があり、物おじしないんです。軽快に謎を解いていくんですよね。そこも難しいポイントでした」
コロナ禍ということもあり、収録は最少人数で行われた。宮本さんは犬型人工知能のペロ2役の久野美咲さん、ユン役の石毛さんらと一緒に収録することが多かった。
「ペロ2は可愛いですよね。可愛いけど、コミカルでもあります。銘としてすごく頼っていました。石毛さんは初めて共演させていただきました。ユンはつかみどころがないキャラクターですし、台本を読んだ時、淡々としているイメージだったのですが、石毛さんが演じられているのを見て、人間らしくおちゃめな部分も感じました。コロナ禍なので大人数で収録できないけど、だからこそ先輩を独り占めできたのも、勉強にもなって、ありがたかったです。これまでは、こんな経験はあまりできなかったので」
今作の出演をきっかけに「私もゴジラが大好きになりました。いとおしさを感じます」とすっかり「ゴジラ」に夢中になった宮本さん。「ゴジラファンの方が大興奮するポイントもたくさんありますし、ゴジラを見たことがない方も楽しんでいただけるストーリーになっています。私もそうでしたが、ゴジラのことが好きになると思います!」と熱弁する。
これまで未知だった「ゴジラ」への愛を語る宮本さんは、どこか銘に重なるところもある。「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」はそんな宮本さんの熱演も見どころになりそうだ。これまで「ゴジラ」をあまり知らなかった人も宮本さんのように夢中になるはずだ。
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