アニメ質問状:「彼女、お借りします」 勝手にブレーキを踏まない 忖度なしのテレビアニメ化

「彼女、お借りします」の一場面(C)宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会
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「彼女、お借りします」の一場面(C)宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は「週刊少年マガジン」(講談社)で宮島礼吏さんが連載中のラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「彼女、お借りします」です。古賀一臣監督に、作品の魅力などを語ってもらいました。

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 --作品の概要と魅力は?

 概要はぜひ公式ホームページや原作を手に取ってご覧いただければよいかなと思いますので、簡単に説明するなら「彼女、お借りします」は主人公木ノ下和也(サエナイ大学生20歳)を中心とした青春ラブコメ群像劇になるのかな? 自分(41歳)の世代でいえば「めぞん一刻」や「きまぐれオレンジ☆ロード」のような名作恋愛マンガに比肩する素晴らしい原作です。その魅力はなんと言っても宮島先生が描くとても可愛いヒロインたちと読者の胸掻き乱すリアルで共感性の強い心情描写に尽きますね。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 アニメ化に際して一番大切にしたのは、原作で伝えたかったことを映像化する際に勝手にブレーキを踏まないことです。宮島先生が誌面でやりきったことを誰とも分からない相手に忖度(そんたく)してやらないという選択肢は存在しませんでした。そこは本読みの段階から各関係者共に共通の認識だったと思います。全く躊躇(ちゅうちょ)がありませんでしたねw。

 無論、作品の一番の魅力である女の子たちを可愛く見せることもマストでした。そのために工夫したことといっても大したことはしていません。キャラクターデザイン・総作画監督の平山寛菜さんが大変素晴らしい画(え)を描いてくれるので、彼女が全カットチェックをして修正を載せられる時間をできる限り作れるようなるべく余裕のあるスケジュールで進行するという至極当たり前のことをしただけです。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 作品を作る上でうれしかったことは、今回初めて30分一クールの作品を監督することになったんですが、自分が目指すフィルム作りにたくさんのスタッフや演者さんが協力してくれて、自信を持ってよい映像化ができたといえる仕事ができたことでしょうか。

 作品制作を通して原作者の宮島先生や演者さんたち、スタッフの若い世代とも仲よくなれたのもうれしかったですね。なんのかんの業界入って20年以上になるんですが常にメインのお客様が若い世代なので自分より一回り以上下の20代の感性に触れられるのはとてもありがたいです。

 逆に大変だったこと……正直大変だった記憶がないですね。スケジュールに関しては順調すぎて怖いくらいでしたw。

 --今後の見どころを教えてください。

 今後の見どころは、やはり新たなヒロインたちの参戦によって複雑化する恋模様とそれによって微妙に変化していく和也と千鶴の距離感ですかね。瑠夏は何をするか分からないサプライズ感と共に状況をどんどん能動的に変えていきますし、登場を待望されている墨ちゃんの出番も皆さん気になるところでしょう。目が離せない展開が続くので、ぜひお楽しみに。

 --ファンへ一言お願いします。

 原作およびアニメ「彼女、お借りします」こと「かのかり」ファンの皆様。今まさに「かのかり」のさまざまなコンテンツを楽しんでいただけていますでしょうか? 公式は次から次へと皆様を楽しませようと躍起です。劇中で和也の親友・木部が言うとおり「現実は心折れそうになることばっか」ですが、皆様が「現実に溺れて夢見なくなっ」て「腐る」ことのないように、次の放送までの1週間を元気に乗り切ることができるような娯楽と一時の夢を提供できればと思います。それではまたツイッターでLINE OpenChatでファンミーティングでニコ生のコメントでAbemaの実況で一緒に盛り上がりましょう!

 古賀一臣

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